河川・海岸の防災対策について・他 (平成24年9月定例議会) |
議場の皆様。こんにちは。会派羅針盤の近藤です。通告に基づき、大綱3点について質問いたします。
最初に、大綱1点目として、「河川・海岸の防災対策について」伺います。
本年7月11日から14日にかけて九州北部を中心に降った雨では、多くの土石流や氾濫被害が発生し32人にのぼる死者・行方不明者が発生いたしました。気象庁が「平成24年7月九州北部豪雨」と命名したこの災害は皆様の記憶にも新しいものと思います。東日本大震災以降の主な気象災害だけでも、昨年7月26日から30日にかけて福島新潟県境の集中豪雨で死者・行方不明者が6人、9月3日に高知県に上陸した台風12号では紀伊半島を中心に西日本から北日本にかけての広い範囲で死者・行方不明者が92人と、地球温暖化の影響か、毎年のように大規模な豪雨で多くの被害が発生しております。
本市では1970年7月1日の豪雨で、小櫃川が各地で決壊した事を契機に河川改修が進み、1989年8月1日の豪雨で多くの浸水被害が出たのを最後に、近年は大きな災害が発生しておりませんが、十分に備える必要を感じております。
また豪雨被害だけでなく、先月29日に中央防災会議が発表した南海トラフ巨大地震による津波に備えることも重要なことは申すまでも有りません。県の防災危機管理部が本年4月25日に発表した資料によりますと、東京湾口に10mの津波が到達した場合、本市には、お配りしました図面1に示す被害が発生すると想定されました。この左右の絵を見比べますと金田地区以外では防潮施設などが健全であっても、壊れたときと同じような被害が発生することになっております。この原因は既存の施設が今回の想定の津波高を防げないためと思われます。そのため、まずは構造物の改修が求められますが、千葉県では、この危険性を発表しながらも、対応策については遅々として進んでおりません。
以上の様な状況を前提に、河川と海岸における防災対策について質問いたします。
中項目1点目に、小櫃川の防災対策について質問いたします。
最初に、河川改修計画の進捗状況についてお聞きします。私は平成21年の6月議会で、小櫃川の河川改修が必要ではと質問いたしましたが、その際には執行部より「堤防の改修計画を作成するよう県に要望する」という答弁を頂いております。それより3年が経過しますが、改修計画の立案に入ったという報告を受けておりません。県の現在の状況を把握しているようでしたら、ご報告願います。
次に小櫃川河口に位置する久津間漁港の防災計画についてお聞きします。久津間漁港は図面2に示すように、小櫃川の河川堤防と防潮堤の間に設けられていますが、洪水発生時や高潮の時にはこの場所から浸水の恐れがあるのでは、と心配になります。この漁港施設の管理者と、防災計画についてご報告願います。
中項目2点目に、海岸線の防災対策について質問します。
最初に、防潮堤の検討状況についてお聞きします。
昨日の代表質問でも、2名の方より質問がありましたので、重複する部分があるかと思いますが、宜しくお願いします。防潮堤の件につきましては6月議会で大村議員より質問があり「県は防潮堤の再検証を夏までに行う予定」という答弁がありました。また、昨日の住ノ江議員の質問でも、海岸保全基本計画の見直しのための検討委員会が立ち上がったことが報告されております。その検討委員会における検討状況についてご報告願います。
次に港湾計画の改訂についてお聞きします。木更津港の港湾計画は、平成21年に見直しとなり整備計画の改訂が行われたところですが、その後に発生した東日本大震災により、再度計画の見直しが必要になっているものと思われますが、現在の改定に向けた取り組み状況についてご報告願います。
3点目に自衛隊基地の対応についてお聞きします。今回の震災で航空自衛隊東松島基地が使用不可能になった反省を受け、木更津基地についても独自で津波対策を進めるように伺っていますが、その概要についてご報告願います。
最後に、避難場所の確保についてお聞きします。大地震時の津波や小櫃川の洪水によって浸水を受けると思われる小櫃川の河口周辺地区はホテルのビルやアクアライン関連道路等の高いものが近くに有る地域を除きますと、多くは避難可能な場所が有りません。この様に避難が困難な箇所はどの程度有り、対象者が何名程度になるのかお伺いします。
次に、大綱2点目として、「再生可能エネルギーの活用について」伺います。
福島の事故を受け、国民の間で脱原発の機運が高まっており、定期点検で停止した原子炉の再稼働について、住民の理解を得ることが難しい状況であります。原子力の穴を埋めるために火力発電所がフル稼働していますが、これは化石燃料の使用によって地球温暖化を促進するとともに、国家としての貿易収支を悪化させております。
この解決策として期待されているのが太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」で、その普及・拡大を目的として、7月1日から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」も始まりました。また、政府が8月17日に閣議決定した2013年度予算の概算要求基準でも医療、農林漁業とともに再生可能エネルギーの活用に予算を重点的に配分することがきまり、ソフトバンクやオリックスなど、大手企業が太陽光発電を事業の一つの柱にすると発表しております。本市でも再生可能エネルギーを積極的に活用すべきと考え、中項目3点を質問いたします。
最初に、中項目1点目に、太陽光発電について質問します。
小項目1点目に公共建築物への対応についてお聞きします。私は昨年の9月議会で「今後の学校整備に当たり、太陽光発電装置の設置を進める考えはあるか」と質問したところ「平成23年4月より運用を開始している馬来田小学校及び木更津第三中学校の節電効果を検証し、方向性を検討する」という回答がありました。1年が経過して、その効果はどうであったのか、ご報告願います。あわせて、学校を含む公共建築物に市が太陽光発電を備える計画は無いのか、伺います。
小項目2点目に、民間事業者への協力についてお聞きします。神奈川県は太陽光発電の普及を目的に、県立高校や県営住宅などの屋根を民間事業者に有償で貸与すると6月7日に発表がありました。いわゆる『屋根貸し』事業であります。7月10日に行われました選考結果を見ますと、11の業者が名乗りを上げ、結果として4事業者が25棟の建築物の屋根を利用して太陽光発電を行うことになった模様です。本市でも公共建築物の屋根をはじめ、道路や学校予定地の法面など太陽光発電に適した財産を所有していると思われますが、民間事業者へ貸与する考えは無いのか、伺います。
小項目3点目に、市内での事業展開についてお聞きします。この件については、6月議会で田中議員の質問に対し「メガソーラーが2箇所計画あり」と回答されていますが、その後の動向について変化がある様でしたら、ご報告願います。
次に中項目2点目として、風力発電について質問します。
小項目1点目に、築地地区での展開をお聞きします。イオンが風力発電の設置を前提に平成21年春に風力調査を実施しておりましたが、その結果はどうなったか、ご報告願います。
小項目2点目に、金田地区での展開をお聞きします。平成20年3月議会で、風力発電の可能性を探るフィールドテストが金田漁港付近にて行われ、適地である事が確認されているのにも係らず、事業化が行われなかった、という答弁をいただきました。その後、風力発電施設を設置しようとする民間事業者の誘致には、どの様に取り組んでこられたのか、ご報告願います。
小項目3点目に海上沖合での展開をお聞きします。風力発電は太陽光発電に比べ同じ面積では大きな電力を得ることができるメリットがありますが、一方で年間を通じて一定以上の風が吹くという気象条件の制約や、低周波騒音を発するため人家の近くを避けなければならないなどの難しさがあります。この解決策としてヨーロッパでは、海を利用した洋上風力発電が普及しています。送電や維持管理の面で問題が有り、干潟の環境変化や漁業に与える影響も考慮する必要があると思いますが、干潟の海上沖合に設置することで、座礁防止の灯台変わりにもなるという副次的な効果も考えられ、本市でも前向きに検討されるべき課題だと思います。本市の洋上風力発電に向けた現在の取り組み状況について、ご報告願います。
次に中項目の3点目として、バイオマス発電について質問します。
平成20年3月議会で、木更津南部地区において、木材チップ等を利用したバイオ燃料でのバイオマス発電所について計画があるという答弁をいただきましたが、その後の経過について、ご報告願います。
最後に、大綱3点目として、「選挙に係る事務の検討について」伺います。
先月8日の夜、民主党代表でもある野田首相と自民党の谷垣総裁、公明党の山口代表との間で『3党合意に基づき、消費税増税法案を早期に成立させ、近いうちに国民に信を問う』ことで合意したと報道がありました。その後の国政の場では野田総理の問責決議が可決されるなど、色々と紆余曲折がありますが、秋頃に総選挙が行われる可能性は高い状況が続いています。選挙管理委員会も準備に向けて大変あわただしい頃と思いますが、この様な状況の中ですが、選挙に係る事務に関し、中項目2点を質問いたします。
1点目は、投票区の見直し状況について質問します。
木更津市の新市街地での人口増加と、それ以外の場所での人口減少により各投票区におけるバランスが著しく変化しており、平成24年9月1日現在の選挙人名簿登録数は、請西小学校の第34投票区で9,996人、八幡台小学校の第36投票区で7,041人と、小規模の自治体に匹敵する有権者が一つの投票所に集められている状況になっています。その一方で旧市街などでは面積・人口ともに少ない投票区が数多く存在します。このように投票区については再編の議論を行う必要があると考え、私は2年前の決算特別委員会において質問を行いましたところ、「統一地方選挙以降に新しい有権者の住所システムを使用して見直す」という回答を頂きました。また、昨年の決算特別委員会では請西地区を二つに分ける方向で検討しているという回答がありました。それから、また更に1年が経過しておりますので、現在の検討状況についてご報告願います。
2点目は、選挙に係る人件費について質問します。
選挙に要する費用の多くが人件費で、その合理化のため、事務の民間委託が進んでいるものと思います。その一方で事前準備にかかる職員が長時間の残業を行い、多い人は月に30万円を超える残業代に成ることが平成22年予算審査特別委員会の質疑で明らかに成っています。このようなことから人件費に関して3点ほど、お聞きします。
最初に、投票所1か所あたりに必要な最低の人数と、そのうち市職員が最低何人必要なのかお答え願います。
次に、近日中に総選挙が行われるとした場合、必要となる総人数と職員の数についてお答え願います。
最後に、少数の職員が準備作業で長時間残業となる体制を、今後どのようにしていくのか、対応策についてお答え願います。
以上で第一質問を終了いたします。 |
市当局の回答
※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
<鴇田都市整備部参事>
私からは、大綱1「河川・海岸の防災対策について」中項目1「小櫃川の防災対策」についての「河川改修計画の進捗状況」についてお答え致します。二級河川小櫃川の河川改修計画の進捗状況について、千葉県に問い合わせたところ、現在の整備状況として、河川改修や亀山ダム・片倉ダムの整備により、概ね30年に一度発生する洪水に対する安全度を備えており、周辺の河川に比べて、治水安全度は高いものとなっていることから、早急な改修計画は考えていない、ということでございます。また、今後の課題として、他の河川の整備水準を向上させ、小櫃川においても、更に治水安全度を上げる構想をもっているが、事業化までには時間を要するとの見通しであります。なお、治水対策とは別に、津波の遡上対策については、今後、関係機関と連携し、対応していきたいと いうことでございます。私からは、以上でございます。
<森経済部長>
私からは、大綱1、中項目1についてご答弁申し上げます。「久津間漁港の防災計画」についてでございますが、小櫃川河口近くの船溜につきましては、小櫃川河川区域内にありますことから、久津間漁業協同組合が河川管理者である千葉県から占用を受けている施設であることから、船溜の施設管理は現在、久津間漁業協同組合が行っているところでございます。防災計画につきましては、洪水発生時や高潮の時には、船溜への出入り口部に堤防がないため、この場所からの浸水による後背地への被災の恐れが考えられますことから、対策につきまして河川管理者である千葉県に伺ったところ、河川改修計画の有無にかかわらず、占用者である久津間漁業協同組合が行うことになるとの回答でございました。いずれにいたしましても、後背地への浸水対策につきましては、今後、関係機関と調整を図ってまいりたいと考えております。私からは、以上でございます。
<大野総務部長>
私からは、大綱1、中項目2「海岸線の防災対策」のうち、「防潮堤の検討状況」及び「避難場所の確保」について お答えいたします。
はじめに、「防潮堤の検討状況」についてでございますが、昨日の住ノ江議員の代表質問で答弁がございましたが、本年7月に学識経験者及び地元関係者並びに東京湾沿岸部の13市の首長を委員といたしまして、「富津市から館山市までの内房地区」と「富津市から浦安市までの内湾地区」にそれぞれ区分致しまして、津波や高潮から防護すべき防潮堤の高さ等の検討を行うための「東京湾沿岸海岸保全基本計画検討委員会」が設置され、第1回の検討委員会が8月31日に開催されたところでございます。この検討委員会では来年3月までに、想定する津波の高さの変更案をまとめ、その後パブリックコメントを経まして平成25年度には防潮堤の高さを決定する予定と千葉県から伺っております。
次に、「避難場所の確保」についてでございますが、議員ご指摘のとおり、小櫃川河口部周辺区域においては、ホテル三日月やアクアラインの高架以外、層建築物や高台など避難すべき場所が殆どございません。なかでも小櫃川河口付近の沿岸部に隣接いたします地域では、避難場所までの時間を要することからも、一刻も早く災害情報を伝達することにより、安全な場所に避難することが重要であると考えております。そこで、ご質問の避難が困難な箇所はどの程度あるのか、また、対象者はどの程度かとのお尋ねでございますが、小櫃川河口付近の沿岸部に隣接する地域では、津波等発生時に約1000件程度が1.0m程度の浸水被害が想定されますが。避難することが容易ではないと思われます。津波警報等発表時に、速やかに、いち早く安全な場所に避難することができるよう、迅速かつ的確な防災行政広報無線等あらゆる手段を使用し、情報伝達を行なうことが重要であると考えております。私からは、以上でございます。
<渡辺企画部長>
私からは、大綱1 中項目2について、お答えいたします。
はじめに、「港湾計画の改定」についてでございますが、総務部長が答弁を申し上げましたように、海岸保全計画の見直しにより、防潮堤の高さの見直しを行います。一方、港湾計画は、主に港湾の能力に応じた航路や泊地などの水域施設、岸壁や桟橋などの係留施設、その他港湾施設の規模及び配置に関する事項を定めることになっております。このようなことから、防潮堤防は港湾施設ではございませんので、平成22年4月に改定をいたしました木更津港湾計画につきましては変更を要しないものであります。
次に、「自衛隊基地の対応」についてでございますが、木更津駐屯地の津波対策の概要につきましては、官報の掲載内容を申し上げます。24年度は木更津駐屯地の防潮堤等の整備に伴う調査等でございます。内容につきましては、空中写真測量、路線測量、既設雨水管調査等の測量調査、機械ボーリングによる土質調査、津波対策基本検討として防潮堤等基本検討などでございます。
続きまして、大綱2「再生可能エネルギーの活用について」中項目1「太陽光発電」の「市内での事業展開」についてでございますが、本年6月市議会定例会におきまして、田中議員のご質問にお答えいたしました「メガソーラー2箇所の計画」についてでございますが、鎌足地区で進められている計画でございまして、事業者は共栄海運株式会社
及び 株式会社新昭和の2社でございます。いずれも今年度内の施設完成を目指し、現在、森林法に基づく林地開発許可申請の手続き中と伺っております。このほか、市内2箇所でメガソーラー施設の建設計画について民間事業者から相談がございます。いずれも今年度内の施設の完成を目指していると伺っております。
続きまして、中項目2「風力発電」の「築地地区での展開」についてでございますが、風力調査を実施したイオンに確認をいたしましたところ、平成21年1月から3月までの3ヶ月間風力調査を行った結果は高度50mにおいて毎秒4.8m、高度40mにおいて毎秒4.7mの平均風速を得たとのことです。この数値は、「新エネルギー等事業者支援対策事業」の補助採択要件でございます、高度30mにおいて毎秒6.0mを大きく下回った結果となり、イオンによれば事業化を断念したとの事でございました。
次に、「金田地区での展開」についてでございますが、風力発電施設の誘致にどのように取組んできたのかとのご質問でございますが、金田地区におきましては、平成16年度及び17年度に本市と独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(通称NEDO)との共同研究といたしまして、風力発電施設の立地可能性を検討するため、風の状況を観測する風力発電フィールドテストを行いました。このテストにより、風力発電に必要な風車建設の条件を満たしているとの結果が得られたところでございます。この結果を受けまして、風力発電施設の建設を検討された民間事業者から、最終的に地元の合意が得られないという理由で平成18年2月に事業を断念するという報告を受けたところでございます。風力発電施設は、立地条件を備えた適地の選定が成否を左右することとなります。風力の状況が重要なことはもちろんでございますが、あわせて配電線の状況、周辺環境への影響、住民の合意など、様々な条件を満たす必要がございます。市内において、この適地を探すことは難しい状況でございまして、これまで、市が積極的に誘致活動を行うことはしてございません。
次に、中項目3「バイオマス発電」の「木更津南部の状況」についてでございますが、平成20年3月の市議会で報告をいたしましたとおり、当時、木更津南部地区におきまして、民間事業者による木材チップを燃料とするバイオマス発電とガスタービン発電を併せた複合発電施設の建設計画がございました。同年4月、この民間企業からバイオマス発電の燃料となる木材チップの安定的な調達が難しいとの理由で計画を断念したとの報告がございました。バイオマス発電につきましては、燃料として木材や植物などが大量に必要となるため、都市部やその周辺部におきましては、普及が進まない状況でございます。私からは、以上でございます。
<石井教育部長>
私からは、大綱2中項目1「太陽光発電」の小項目一点目「公共建築物への対応」についてご答弁を申し上げます。
教育施設での対応についてでございますが、平成22年度に設置をいたしました、馬来田小学校、木更津第三中学校、の検証についてご報告をいたします。太陽光発電の設置前と設置後の電気料金でございますが、馬来田小学校につきましては、平成22年度が約234万円、平成23年度が約216万円で約18万円の減となっております。木更津第三中学校につきましては、平成22年度が約183万円、平成23年度が約186万円で約3万円の増となっております。
両校共に使用電力量は減少しておりますが、東京電力の単価が上昇したため料金の減少が少ない、または増となったものと考えております。また太陽光発電設置工事と同時に、馬来田小学校につきましては鉄筋コンクリート造3階建て延べ面積2,000uの既存校舎を耐震補強工事に併せまして改修工事を実施し、照明器具などの交換を行ったほか、旧校舎鉄筋コンクリート造2階建て延べ面積1,130uを解体を致しまして、鉄骨造平屋建て延べ面積451uの校舎に改築をしております。また、木更津第三中学校につきましては、旧校舎鉄筋コンクリート造4階建て延べ面積4,041uを解体を致しまして、鉄骨造3階建て延べ面積4,978uの校舎に全面改築をしております。このように両校とも従前と校舎の構造、規模等が違いますので単純には比較は出来ませんが、電気料金につきましては、数値的には以上でございます。
そこで、太陽光発電による節電効果についてでございますが、太陽光発電稼動実績の発電量のデータから想定いたしますと、平成23年度では、余った電力の売却分を含み、電気料金に換算をいたしますと、馬来田小学校につきましては、年間約35万円、木更津第三中学校につきましては、年間約30万円の経費削減が出来たものと考えております。次に、今後の計画でございますが、南清小学校及び(仮称)真舟小学校に、設置を計画しているところでございます。私からは以上でございます。
<久良知環境部長>
私からは、大綱2中項目1及び中項目2のご質問にお答えいたします。
まず、1点目の「公共建築物への対応」について、ご答弁申し上げます。昨年の震災以降、再生可能エネルギーの重要性が再認識されております。市といたしましても再生可能エネルギーを推進する観点から、また、本庁舎や学校など、市の公共建築物の多くは防災拠点にもなりますが、この際、再生可能エネルギー施設のこれら建築物への整備は、災害時の予備電力としての活用も可能なことから、導入検討をしていく必要があると考えているところでございます。したがいまして、これら施設の新設時や、耐震補強及び改修工事等、大規模な施設改修時にも併せて検討していきたいと考えております。
次に、小項目2点目、「民間事業者への協力」についてお答えいたします。民間事業者への施設の提供は目的外使用となるかと思いますが、災害時には優先的に電気を提供してもらう等の条件の基、防災拠点施設の屋根などを貸し出す等も考えられますので、今後、研究してまいりたいと考えております。
最後に、中項目2、「風力発電」のうち、3点目「海上沖合での展開」についてですが、風力発電は低周波が発生し、住宅街の近くでは問題があることから、プロペラの改良や民家から遠く離れた沖合いでの設置など、国や民間において研究を行っておりますので、技術開発等、今後の動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。私からは、以上でございます。
<緒形選挙管理員会書記長>
私からは、大綱3、「選挙に係る事務の検討について」ご答弁申し上げます。
まず、中項目1「投票区の見直し状況」、見直し作業の進捗状況についてでございますが、投票区の見直しについては大きく分け、分割と統合の二つとなります。昭和44年に示された自治省選挙部長通知によりますと、選挙人の住所が投票所から3km以上の投票区、または一投票区の選挙人の数がおおむね3,000人を超えるものは分割、再編等の措置をとり適正化を図ることが求められております。投票区の分割・増設については、概ね国の基準を念頭に検討しており、現在、本市では19の投票区が基準を満たしておりません。喫緊の課題といたしましては過大投票区のうち、請西小学校体育館を投票所としている第34投票区投票所について分割し増設する方向で検討しており、平成25年3月執行予定の千葉県知事選挙に合わせ、分割区域や新たな投票所となる施設の選定について、地元住民の意見聴取を行ったところでございます。
なお、国の基準を満たしていないその他の投票区については、隣接地区も含め、将来の有権者数見込み、投票所までの道程、投票所の場所等地域の特性に充分配慮しながら分割・統合を検討してまいりたいと考えております。また、基準を満たしている投票区についても投票しやすい環境を維持しながら、統合の可能性を検討し、投票環境を向上させるとともに、経費節減を図りたいと考えているところでございます。
続きまして、中項目2「選挙に係る人件費について」の一点目、投票所当たりの必要人数でございますが、当日の投票事務につきましては各投票所に投票管理者、職務代理者、受付係、名簿対照係、投票用紙交付係、輸送係、庶務係を配置しております。また、原則、投票用紙に触れる事務については、市の職員が担当することとしております。選挙人名簿登録者数や選挙の種類により各投票所毎の事務従事者数に差異はございますが、投票所1か所あたりに必要な人数につきましては、最も少ない投票所で最低4名、最も多い投票所で最低12名、平均で8名となっております。そのうち、市職員は最も少ない投票所で3名、最も多い投票所で6名、平均で5名必要となっております。
次に、二点目、総選挙における必要人数についてでございます。総選挙の規模で想定いたしますと、必要となる総人数については期日前投票を含め467名であります。その内、市職員としては349名を必要としており、残りの118名は委託で対応するように考えております。しかしながら、改正労働者派遣法の10月1日施行により、30日以内の短期派遣、いわゆる、日雇い派遣が原則禁止となるために、近いうちに解散があった場合においては投開票事務について、全て職員で対応せざるを得なく、全庁的な応援体制の構築が必要となります。
最後に、三点目、職員の勤務体制の再検討についてでございますが、議員ご指摘のとおり、選挙準備事務については、一部職員に負担が偏り、多くの時間外勤務が発生しております。これについては、専門性が高く、期間内の正確な処理が求められる事務の特性上、事務局職員だけでは処理が出来ないため、選挙管理委員会事務局経験者および選挙準備事務経験豊富な職員を中心に辞令を交付しているところでございます。今後は、選挙準備期間の見直しや業務内容の精査により勤務時間数を短縮するとともに、一人当たりの時間外勤務を減少させるため、従事者の増員や若手職員への移行を促進しながら、経費節減および職員の負担軽減を図るよう改善したいと考えております。また、現在、事務局職員3名体制にも、時間外勤務増加等の一因となっていると思われるので、県内同規模市の状況を参考に、柔軟かつ適切な人員配置について考えてまいります。私からは以上でございます。
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一問一答
※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
答弁、有り難うございました。では一問一答に移ります。
最初に、大項1点目「河川・海岸の防災対策について」お聞きします。
小櫃川については30年確立を満足しているので早急な改修計画は無い。が、津波の遡上対策については、今後関係部署と連携して対応するという答弁でありました。東日本震災では河口から5kmにある石巻市大川小学校で津波被害が発生したように、河川は津波を誘導するので、下流部には海岸堤防並みの強化が必要なことは私が申しまでもない事でございますので、今後も引き続き、県に対応を宜しくお願いいたします。
久津間の船溜についてお聞きしますが、千葉県は河川を占用者しているのが久津間漁業協同組合ということですので、防災対策は組合が行うと認識しているようですが、経済部としては、組合が単独で対策工事を講じることが可能と考えているのか、見解を伺います。
防災対策工事につきましては、どのような施設を設置するかにしましても、多大な工事費がかかる事が予想されております。久津間漁業協同組合が単独で実施する事は非常に難しいと考えられる所でございます。
金田の漁港については経済部が管理しておりますので、久津間については現在久津間漁協が管理しているとしても、市の支援が必要なことは明かであります。防災計画の作成や対策工事についての補助、それらについてしっかりと指導していただき、後背地の安全対策を講じていただきたいと思います。宜しくお願いします。
海岸の防災計画について、平成25年度には防潮堤の高さを決定する予定であるという答弁がありました。昨日の住之江議員への答弁でも有りましたように、現在整備されている4.1mの高さというのは、現在、中央防災会議が想定している南海トラフ巨大地震の高さを、満足するものではなく、これから改修が有るだろうという話しもありました。これから多くの防潮堤を監修することになるだろうと予想されますので、市としましても、地震等の影響を受けずに構造物が健全であっても9km2が、多くの地域が被害を受けると発表され、住民には不安が広がっておりますから、不安の解決に向け、一刻も早い対応を行えるよう、県に要望して頂くことをお願いします。
これに関しまして、7月に建設常任委員会で釧路港湾事務所に津波スクリーンの視察に行きました。釧路では津波高が10mを超えるために、ソフト面での対策も重要となると伺っていますが、その所長に木更津では3m程度の想定だと伝えましたら、それぐらいではハード面での対応も十分可能だろうと言われております。木更津でも大規模な災害時には避難するというソフト面の対策は当然重要ではありますが、ハードでも対応できるていどの被害だということを念頭に置いていただき、速やかに整備されるよう求めていきます。
引き続き、港湾計画についてお聞きします。防潮施設は港湾施設ではないため、港湾計画の変更はいらないという回答がございましたが、港湾施設の計画高さや構造についての変更というのは当然起こりうるものと思います。そのような構造物の設計については「東京湾沿岸海岸保全基本計画検討委員会」の結論が出ないと行われないものなのか、改めてお伺いします。
現在、整備が行われております木更津港改修事業につきましては、道路整備や防舷材の設置など、津波高さに影響されない整備を行っている状況でございます。今後、予定されております埋立等、内港整備の設計が行われる前までには、海岸保全基本計画の改定が完了しているものと考えております。
内港施設の設計には、津波高の計画が間に合うという事なので安心いたしますが、仮に設計変更が必要となり、追加工事が行われる場合には、多くの事業費を必要とすることになりますので、負担金を出しております我が市の立場から総負担額が多くならないよう、対応を改めてお願いいたします。
先ほど答弁で、自衛隊については独自で津波対策を進めているような事がありました。その近くに避難が困難な世帯が約1000件程度残される形になります。回答では迅速に情報伝達を行なうことで避難を達成できるようにすることを目標にしているようですが、現在想定している津波が木更津を襲うのは、地震発生から何分後ぐらいに成るのか、お伺いいたします。
千葉県の想定結果によりますと、東京湾湾口で10mの津波が発生した場合に、本市沿岸部への第1波の到達の時間ですが、10分から20分で到達するという結果が出ております。
その程度の時間では直ぐに情報が届いたとしても、徒歩では避難できる所が殆どない地域になりますので、どうしても車で逃げるしかなくなります。今回の震災では避難行動に自動車を使用した人の多くが渋滞に巻き込まれ、被災しております事を考えますと、地域に、やはり避難用のビルか高台を作ることが重要ではないかと考えます。そのような事については検討されていないのか、伺います。
地震や津波発生時には、徒歩での避難が原則といわれておりますが、避難することが困難な地域の居住者にあっては、安全な場所まで避難するため、自動車等の使用はやむを得ないものと考えます。ご質問の津波から一時避難する場所が近くに無く、浸水被害の影響を受ける地域について、高台などは有効であるということでございますが、現状では避難用ビルや高台を作る計画はございません、ご理解をいただきたいと存じます。
現在計画はないという事のようです。これから、昨日の代表質問でありましたように、中野畑沢線の桜井工区とか多くの工事が行われ、そこから大量の公共残土が発生する事が予想されております。高台の築造は、それを活用する場にも成って一石二鳥と思いますので、今後、市において検討を進めて頂くことを要望し、次の大綱の質問に移ります。
大綱2「再生可能エネルギーの活用について」お聞きします。
まず、公共建築物への対応に関してお聞きいたします。馬来田小学校と第三中学校で、年間およそ30万円前後の削減効果が有ったと報告がありましたが、それぞれの設置費と、償還に要する年数についてはどうなのか、お知らせ下さい。
まず、事業費でございますが、馬来田小学校につきましては総額約2,121万円でございます。内訳と致しましては国庫支出金といたしまして約1,560万円、一般財源といたしまして約561万円でございます。次に、木更津第三中学校につきましては、事業費の総額が約2,048万円、内訳といたしまして国庫支出金といたしまして約1,607万円、一般財源といたしまして約441万円となっております。
また、償還に関する年数でございますが、経費削減額を、馬来田小学校で年間約35万円、木更津第三中学校で 年間約30万円と想定しておりますので、単純に事業費総額を経費削減額で割りますと、馬来田小学校で約61年間、木更津第三中学校で約68年間となります。事業費の一般財源分を経費削減額で割りますと、馬来田小学校で約16年間、木更津第三中学校で約15年間となります。
民間事業者は屋根を借りてでも発電事業を行いたいといっているのに、市の事業となると償還までとても長い期間が必要に成ることが解りました。多分、民間業者では極めて安価に設置するなど投資を抑える事とか、効率よい運営のノウハウがあるためではないかと思います。
これから南清小学校にも設置するという答弁がありました。昨年の9月議会で私が質問を行った、南清小学校校舎増築工事において行わないのかと聞いたところ、太陽光発電の設置を行う設計にはなっておりません、とその当時、回答が有りましたが、それを見直していただいたことについては感謝しております。しかし、答弁でも明らかになったように、市役所が事業費を掛けて太陽光発電を設置すると投資対効果が極めて低いと、いうことが解りましたので、今後の展開としては、民間による創意工夫を市が享受する提案型の事業展開というのは如何かと思います。
例えば神奈川県での事業を落札した業者の事例を申し上げますと「太陽光発電設備の設置と合わせてESCO事業を企画提案し、その経費削減額で県の新たな支出無しで蓄電池等の設置を業者が行う」とか「太陽光発電設備の設置工事前に、民間事業者の負担で屋上の全面防水工事を行うことで建物の保全を図り、雨漏り等のリスクの軽減を図る」など、神奈川県にとってもメリットが大きい結果をもたらしております。
そこで再度伺いますが、南清小学校と(仮称)真舟小学校については、市が直接設置するという形式でなく、非常時には防災への利用を行うなどの条件を付した提案形で民間事業者を募集し、事業の支出を抑えるということも考えられるのではと思いますが、如何でしょうか。
南清小学校、(仮称)真舟小学校につきましては、共に、現在設計業務を発注していること、また国庫補助率が1/2であることなどから、市が直接設置することとしたいと考えております。
今回は既に設計が進んでいるので直営にするということでございます。再生可能エネルギーを普及するという観点からは大変望ましいことでありますが、本市の事業費を使わずに展開を進める手法である民間事業者への貸与について、今後導入を引き続き検討しては、と思います。宜しくお願いします。
民間事業者との協力については、学校施設だけに留まらず、福祉会館や市民会館、公民館など、多くの建築物や、遊休土地などでも検討していただくことで本市に多くのメリットが発生すると思います。先ほど、環境部長の答弁では「研究」するとありましたが、研究するのではなく、推進するための部署を設けるなど、できることは無いのか、お伺いしたいと思います。
今後、推進する取り組み等につきましては、関係課等と協議してまいりたいと考えております。
前向きな取り組みを期待したいと思います。
風力発電についてお聞きします。金田では住民同意が得られずに断念したのでその後誘致を行わなかったという回答でした。築地では補助基準を満たす風が無かったので事業化に向かっていない事でございました。やはりそうなりますと、風が充分に吹く金田で、さらに沖合を中心に、つまり洋上での事業化の後押しを行うべきではないかと考えます。
バイオマス発電が事業化に至らなかった事は、ちょっと残念でありますが、メガソーラーが年内に4箇所も出来そうな方向で有れば、木更津市は環境に優しい都市だと積極的に対外的に発信して、市のイメージアップを図るべきと考えますが、そのような戦略については、お持ちに成っているのでしょうか、お伺いします。
議員ご指摘のとおり、環境に優しい都市ということは、市のイメージアップに繋がるものだと考えております。民間活力の活用も視野に入れて、今後、研究してまいりたいと考えております。
アクアラインのトンネルを抜け橋の上から木更津の金田周辺が見下ろせます。そうすると緑が随分奇麗に見える木更津ですが、その手前の沖合に白い洋上風力発電が立ち並んでいる姿というものを想像しますと、環境に非常に優しい先進都市としての印象を持つ、象徴的な風景になるだろうな、と思います。そのような日が来ることを期待しながら、次の大綱の質問に移りたいと思います。
最後に大綱3の「選挙に係る事務の検討について」お聞きします。
「基準を満たしている投票区についても統合の可能性を検討し経費節減を図りたい」という回答がありました。投票環境の維持は尊重すべきと考えますが、君津市で行われたように投票所の統合を進め、合理化を図ることを常に検討することは、私も重要と考えております。国の通達というものは、昭和44年頃と、まだ各家庭に自家用車が普及していなかった時代に出されたものなので、現在のように多くの人が投票所まで車で来ている事を考えますと、距離要件というものは、緩和されても支障が無いのかなと考えます。極端なことを言いますと、小学校単位近くまで集約を検討されることも可能ではと考えますが、そこで、確認のためにお聞きしますが、投票所を1箇所開設するために必要な経費というのは、平均でどの程度と成っているのか、お伺いします。
選挙の種類によって増減がございますが、衆議院議員総選挙を例に取り「国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律」により算出いたしますと、市内39投票所の経費の平均は422,826円となります。また、投票所を開設しますと、ポスター掲示場も必要となり、平均で7.3箇所の103,478円となり、合計で1箇所526,304円必要になります。
1箇所の投票所を統合すると約50万円の削減効果になるという事が解りました。国の選挙、県の選挙についてはそれぞれの負担金で行われることで本市の支出がございませんが、今後市の選挙、我々市議会議員や市長選挙等で削減効果も出て参りますので、投票環境が悪化しない範囲において、引き続き統廃合をご検討いただけますよう、宜しくお願いいたします。
次に、「事務局職員3名体制が時間外の増加を招く一因」という回答がございましたが、県内36市のうち、選挙管理委員会事務局を市長部局から独立した組織として設けているものは幾つ有るのか、お答え願います。
現在、独立した組織で運営している市は16市あります。その他の20市につきましては、事務局長または書記長を総務課長等が兼務している市が15市、監査委員事務局長が兼務している市が4市、千葉市については各区の副区長が兼務となっております。
県内の過半数で事務局や書記長が兼務になっているという回答でありましたが、本市でもその様に、人数の多い他の大きな部署と兼務させることで、事務の集中を回避し、弾力的な人材の運用を検討出来るのではないかと思いますが、そのような事は検討されているのか、お聞かせ下さい。
一時的な事務の集中を解決するための方策の一つとして事務局職員の増員を要望しておりますが、大きな部署が兼務している市の大半が有権者数の少ない市であるため、部署の統合等については現在、検討はしておりません。
兼務している市の大半が有権者の少ない市という事でございましたが、本市より有権者が多い市で兼務としている事例は、千葉市以外には有るのでしょうか。
我孫子市が該当しております。
先月上旬に会派で視察に行きました佐賀県武雄市では、一人の職員が多くの部署を兼務する形で柔軟な人事運営が行われていました。本市でも組織を固定化するのではなく、特に選挙管理事務局のように、忙しい時と、そうでない時が顕著な部署では業務の兼務などの検討を進めていただくことを要望し、今議会における私の質問を全て終了いたします。
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