議場の皆様。こんにちは。会派羅針盤の近藤です。通告に基づき、大綱2点について質問させていただきます。
最初に大綱1「都市計画の課題について」伺います。
本年2月12日に木更津市の都市計画が変更されました。これは今まで千葉県知事が行っていた告示行為が、初めて木更津市長の名前で行なわれた、記念すべき変更でもありました。しかし、市が告示できる都市計画の権限は小さく、今回の変更概要は金田東地区の進捗に伴う用途地域の一部変更に限られております。
私は過去の議会で都市計画について何回か質問していますが、今回の変更には私の提起した道路の線形等の変更は含まれていません。東日本大震災を経て都市のあり方が問われている中、都市計画は多くの課題を含んでいると考え、中項目3点を順次お聞きします。
まず、中項目1点目として、都市計画の決定方式について質問いたします。近年の地方分権の進展により、都市計画の軽微なものについては市町村で定める事が出来るようになりました。具体的には、都市計画法第15条で、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針、区域区分、市街地開発事業等に関する都市計画等については都道府県が定め、その他の都市計画は市町村が定めるものと記載があり、また、市町村が定める都市計画は、都道府県が定めた都市計画に適合したものでなければならないと定めがあります。さらに第15条の二として、市町村は必要があると認めるときは、都道府県に対し、都道府県が定める都市計画の案の内容となるべき事項を申し出ることができる、とされ地域の意向を県に伝える事が認められてもおります。
平成26年度経営方針の基本方針に示す「地域が自らの発想で特色を持った地域づくりを推進する」ためには、市の骨格を決定する都市計画を改変できる権限は必要です。6月の質問で取り上げたように、都市計画は広域的に行うことも重要で、そのため県の関与も必要とは思いますが、実質的な決定権は地方自治体にあることが本来の姿ではないかと考え、小項目2点についてお聞きします。
小項目1点目として、木更津市の決定権限についてお聞きします。木更津市が独自に判断できる都市計画は限定的なものとなっておりますが、都市計画区域の変更、都市計画道路の位置等、現在でも県が定める都市計画について、地元自治体である木更津市の意向はどの程度反映されるのか、伺います。
小項目2点目として、住民意見の反映方法についてお聞きします。市には都市計画審議会が有り、私も委員を努めておりますが、審議会の位置づけは市からの諮問に対し意見を述べる場であり、都市計画の諸問題について議論を重ねる場とは成っておりません。同様に都市計画変更の素案が立案された段階で行うパブリックコメントも、変更内容に対する意見を求めることを目的としており、広く諸問題の意見を集める場ではありません。都市計画全体に対する住民意見の反映方法はどの様に考えているのか伺います。
ついで、中項目2点目として、都市計画道路の見直について質問いたします。 配布資料1をご覧ください。これは木更津市で現在決定されている都市計画図から抜粋したもので、道路計画の見直検討が必要な事例とて、3箇所を抜き出したものです。
まず、初級編とさせていただいた路線番号3・4・9の江川牛袋線ですが、この問題は航空自衛隊に面して幅員20mの市道206号線が有りながら、それから外れて幅員18mの道路を計画した事にあります。航空自衛隊の土地を購入した場合、反対側に残地が残るような計画なので、周辺に支障物件も無いことから、現在の道路用地内に収まるよう、平面線形を修正すべきものです。
次に、中級編とさせていただいた路線番号3・3・2の木更津駅築港線ですが、この問題は港に面した区間の計画幅員を片側1車線である12mに設定している事です。フェリー乗り場に繋がっていただけの時ならよかったのでしょうが、4車線の富士見大橋が建設され、臨港道路と繋がった昭和63年の時点で計画の変更をするべきものでした。因みに臨港道路である南部2号道路の幅員は、商工会議所の所で24mですから、港を望む豊かな歩行空間の確保も考えると28m程度の幅員にするべきものと考えます。
最後の、上級編とさせていただいた路線番号3・3・16の中里曽根線ですが、この問題は計画道路が既存の中郷大橋に重複している事にあります。この都市計画道路の橋梁を建設するため現在の橋を数年間通行止めにする事は、通学路の問題等で困難と思われるため、費用のかさむ仮設橋梁の設置と撤去が別途必要になります。前後の道路が完成して計画位置を変更することが出来ない、という状況ではない以上、取り付け区間ともども位置の変更を行うべきです。そうすることで、新しい橋を建設後に現在の橋が撤去でき、仮設橋梁に必要な事業費を削減することが可能となります。
この他、今回は例示していませんが、精査することで適切な計画と成るものはまだ他にも有ると思われます。さらに、平成21年6月議会でも質問したことではありますが、道路の位置や延長についても見直しを図る事により円滑な交通が期待される路線も多く存在します。一方、長年に渡り整備率が0%の都市計画道路について、千葉市等では多くの路線を廃止しましたが、本市でも真に必要なものか検討し、時代に適合していないものについては廃止についても考えるべきと思います。道路位置が不適正であると、中野畑沢線と陸上自衛隊の事案のように、多大な時間と費用が失われます。都市計画道路の再評価を行い、適正な計画にしていくべきと考えますが、見直しについて検討されているのか伺います。
最後に、中項目3点目として、防災計画と都市計画について質問いたします。震災前に5600人以上が居住していた宮城県名取市の閖上地区では、震災で600人以上が犠牲になった結果、被災市街地復興土地区画整理事業に取り掛かり、海側の約42haは非住居区域に設定し、産業施設やスポーツ施設、公園などを配置し、陸側の80haは住居区域とし、地盤全体を約3m嵩上げすることを決めました。同様に陸前高田市など被災地の自治体の多くは居住地域の見直しや、地盤の嵩上げなど、安心して住める街づくりに取り組んでいます。津波だけでなく台風による高潮も心配です。国内では室戸台風以降、大規模な高潮被害は生じていませんが、世界を見渡せば毎年のように甚大な自然災害が発生しています。地球温暖化の中、高潮対策を講じることも自治体の責務と考えます。
配付資料2をご覧下さい。これは津波ハザードマップで示された浸水が予想される範囲、及び2m以上の浸水が予想される範囲を線といたしまして都市計画図上に重ね、津波避難ビルと学校・公民館をプロットしたものです。この図を基に小項目3点についてお聞きします。
小項目1点目として、浸水範囲の都市計画についてお聞きします。津波ハザードマップで2m以上の浸水が予想される範囲でありながら、木更津港に面した地域は市街化を促進する近隣商業地域であり、容積率も400%で設定されています。その結果、多くの住民の居住が誘導される事となりますが、防災対策として、安心して住める街づくりのため居住を抑制するように都市計画で制限する事は検討されたのか、伺います。
小項目2点目として、浸水範囲の防災対策についてお聞きします。旧市街の多くが水没する恐れがある事を地域住民に伝え、地盤の嵩上げを伴う再開発事業、または区画整理事業を行う事で、防災能力を高める事が将来的な安心につながるものと思いますが、そのような防災対策を地域に提案する事は検討されたのか、伺います。
小項目3点目として、津波避難場所の築造についてお聞きします。配布資料2に示すように、吾妻から中里、及び久津間海岸周辺の広いエリアでは避難ビルが指定されていません。特に江川海岸や久津間海岸からは避難箇所が遠く、潮干狩りの時期に津波が発生した場合、観光客の誘導を行う事が非常に困難な状況と成っています。静岡県袋井市では、避難可能な人工地盤として「命山」と名付けた岡を公園事業で築きはじめ、本年の秋には完成する予定です。本市でも平時は公園として利用できる「命山」を築造すべきと考えますが、市の見解を伺います。
次に大綱2「社会資本の諸課題について」質問します。
橋梁や公共建築物などの社会資本をどの様に維持していくかは、全国的な課題です。本市では3月議会における建設常任委員会協議会で橋梁・公園・下水道・市営住宅の4項目について長寿命化計画の概要が説明され、既に取り組みが始められています。今回は橋梁と用排水路に着目し、中項目2点についてお聞きします。
まず、中項目1点目として、橋梁の長寿命化計画について質問いたします。君津市は本年6月に「橋梁長寿命化修繕計画」を発表いたしました。その概要版では、今後50年間に予防保全型に変更する事で約179億4千万円のコスト削減効果が期待されると書かれています。またそれと同時に、対象橋梁ごとの点検時期や対策時期も発表され、住民にとっては地元の橋がいつごろ補修されるものなのか解るようなものに成っていました。本市の計画は、来年度から10年間で損傷部の修繕費等に8億円、その後の長寿命化の費用として約41億円が必要との事でしたが、その計画内容を確認するため、小項目2点についてお聞きします。
小項目1点目として、長寿命化計画の概要についてお聞きします。木更津市においても君津市と同様に、そろそろ詳細な計画が明示されるころと思いますが、コスト削減効果の概算額、何年にどこの橋梁を工事するといった修繕計画、年度別の事業費といった支出計画等については公表するのか、伺います。
小項目2点目として、設計不適合橋の対策についてお聞きします。長寿命化は現在の機能が劣化しないことを目的としており、設計荷重条件を変更して橋梁の機能強化を図るものではありません。現在の道路橋示方書の基準を満たしていない設計不適合橋も数多くあると思いますが、その数量と今後の対策について伺います。
ついで、中項目2点目、用排水路の維持管理について質問いたします。本市の農業センサスを見ると、経営耕地面積が30アール以上又は農産物販売金額が50万円以上の農家、いわゆる販売農家は平成22年には1,119戸であり、平成2年の2,317戸から、20年間でほぼ半減してしまいました。農家人口は平成2年には13,754人であったものが、平成22年には4,660人に減るなど、本市の農業を取り巻く状況は大きく変わりつつあります。政府は農業の強化に向け、基幹的農家へ農地を集約する事を進めていますが、それにより産業としての農業は強化されても農家人口はさらに減り、農村の疲弊が続く事が想像できます。現在、郊外部の水路は農業の用排水路という前提で地域の集落により管理され、整備にあたっては多くが資材支給により行われています。しかし、農家人口の減少は維持管理の担い手を減らし、さらには規制緩和による市街地調整区域での開発行為が、農村の中に非農家住宅を増加させ、家庭雑排水の混入により、農業用水としての位置づけも危ういものとしています。その様なことを前提に、小項目3点についてお聞きします。
小項目1点目として、用排水路の維持管理についてお聞きします。市街化が進行した区域における用排水路は、実情から考えて都市排水路であり、少数の農業者による維持管理が困難な事を考えると、都市施設として市が管理を担う事を考えるべきではと思いますが、市の見解を伺います。
小項目2点目として、用排水路の整備計画についてお聞きします。農業用水路は多くが土のままで、市にもU字溝での整備が数多く要望されているものと思いますが、市街化の程度や緊急性を加味し、優先順序を定めたうえで整備計画を立案するべきと思いますが、市の見解を伺います。
小項目3点目として、開発地区への目的税についてお聞きします。開発行為に伴い事業者は用排水路を維持管理している地元区への同意を得ることになっており、現在では大きな問題は生じていませんが、将来的に用排水路が行政による維持管理となった場合、その費用として市街化調整区域内にある開発地区に対し、都市計画税に準じた目的税を賦課する事は可能なのか伺います。
以上で第一質問を終了いたします。 |