本市の財政削減政策について (平成25年12月定例議会)
 議場の皆様。こんにちは。会派羅針盤の近藤です。質問も16番目となり、だいぶお疲れの所だと思います。そこに、例によって細かい資料を配布させていただきまして恐縮ではありますが、今回はA3まで拡大しておりますので、目には優しいと思います。本日最後の質問ですので、最後までお付き合いいただけますよう、宜しくお願いいたします。
 さて、新聞報道によりますと、袖ケ浦市では2017年度までに約58億円の財源不足に陥る可能性があるという試算を発表し、公共施設の統廃合、人件費や行政サービス負担の見直し等、財政緊縮に取り組むと公表されたようです。銚子市でも、今年度の収支見通しが約4億円不足となり、赤字決算を回避するため市有地の売却を前倒しするとの話もありました。他にも多くの自治体が財政事情を市民に伝え、理解を得ようとしていますが、本市では新庁舎等の不確定要素が大きいためか、現在の所、将来の財政見通しは公表されていません。しかし、今後の扶助費の増加や社会資本の更新等を考えると、一層の財政削減を続けることが必要なことは明かであり、今後も様々な項目について見直しの努力が求められております。
 その様な観点に立ち、今回は大綱を「本市の財政削減政策について」と設定し、中項目4点について、順次質問させていただきます。
 
 最初に中項目1「国民健康保険」について伺います。
 前年度決算において、一般会計から国民健康保険特別会計へは、約11億4千万円と大きな額が繰入られており、その内、約3億7千万円が基準外の繰入でした。全繰入金に占める基準外繰入の比率が高いことについて監査室から指摘があり、決算審査特別委員会で県内他市の状況を示していただいた所、県下36市中、10市が基準外繰入を行なっていないことが明らかとなりました。決算審査特別委員会で配布いただいた資料を、加工したものが配布資料1と成っております。
 これを見ますと、積極的に基準外の繰入を行っている自治体は、上から有ります様に、市原・成田・浦安のように財政力指数の高い市で、一人当たり調停額、つまり保険料を低く抑えている傾向が解ります。しかし、これらの市では、保険料を安くしても収納率が高くなっているわけでもない事に気が着きます。一方、基準外の繰り入れを行っていない自治体を見ると、例えば富津市のように一人当たりの調停額を高くし市民負担に頼っている市もあれば、勝浦市のように一人当たり診療費が県下最高でも本市より保険料の少ない市もあり、さらには鴨川市のように収納率が極めて高く、保険料の低い市があるなど、傾向が一概に言えない状況となっております。そのように市によって状況が異なる国民健康保険に関して小項目3点をお聞きします。
 始めに、小項目1点目として、基準外繰入対策について質問いたします。木更津市でも一般会計健全化のため、可能ならば基準外繰入を行わずに特別会計を運営できることが理想ですので、他市の事例を参考に対策を行うべきものと考えます。他市の研究の状況や本市での対策についてお伺いいたします。
 次に、小項目2点目として、保険料の適正化について質問いたします。配布資料1に示される本市の特徴は収納率の低さにあります。例えば資産がありながら収入の無い世帯で滞納が多いようであれば、資産割を軽減するなど保険料の制度設計を適正化し、納税しやすくすべきと考えますが、構成要素別の納付状況の分析は行われているのか伺います。
 最後に、小項目3点目として、納付困難者対処について質問いたします。収納率が低いことは、滞納繰越者の中で納付困難者を適切に見極めていない事も原因であると思いますが、その対処はどのようにしているのか伺います。
 
 次に中項目2「保育園民営化」について質問します。
 平成24年度決算を用いて、公立保育園と民間保育園、さらに全てが民間である幼稚園と認可外保育園において、園児一人当たりに必要な費用を整理して比較したものが先ほどの裏面に有ります配付資料2であります。これに示すように、保護者負担金は認可外保育園で若干高いものの、顕著な差は有りませんが、一般財源に着目しますと公立保育園は民間保育園より31,609円も高く、木更津市の負担が多くなっています。なお、平成21年度の差は37,002円でありましたから、その差は縮小していますが、依然として大きな差であります。
 民間の保育の質は公立に対して劣ることもなく、かえって社会館保育園のように独創的な取り組みを行う事で高い評価を得ている所もあり、民営だからと苦情も寄せられてはいません。先日の佐藤議員に対する答弁に有りましたように、市民の多様なニーズに対応してサービスの向上に努める事や、増大する福祉施策に対して、限りある行政財産を有効に活用するため、保育園の民営化は積極的に進めるべきものと考え、小項目3点をお聞きします。
 最初に、小項目1点目の民営化対象施設について質問いたします。対象施設は、先日の答弁で現在も選定中であり、話の出ている園として「中郷」「久津間」「鎌足」の3園が候補だと伺いましたが、民間経営者から引き受け手が多く名乗り出れば、より多くの施設を民営化すべきと考えますが、施設数の増加はありえるのか伺います。
 次に、小項目2点目として、民営化実施行程について質問します。最低でも5年以上の告知期間が必要であると認識していることを伺っていますが、では民営化に向けた具体的な告知はいつ、どのような形で行う予定なのか、実施行程を報告願います。
 小項目3点目として、新規参入者資格についてお聞きします。現在移転工事を行っている富来田保育園は、前の運営者である財団法人が撤退を申し出たことにより、袖ケ浦市で白ゆり保育園や長浦保育園を運営している社会福祉法人恵福祉会によって運営を継承されました。このように近隣他市で実績のある者が本市で保育園を運営する事には問題があるとは思えませんが、民営化の移譲先について審議会では市内の福祉法人に限定するべきだと答申が出されたようです。市の判断としてはどの様に考えているのか伺います。
 
 次に中項目3「学校給食制度」について質問します。
 前回の9月議会で中郷小学校の給食室を改修し、新たに西清小学校との親子方式を始めるという報告がありました。その時の説明を元に、平成26年度の学校給食体制を整理したものが配付資料3と成ります。西清小学校を給食センターから親子方式に移したことや、中郷中学校だけが単独校として残る事などを見ると、もっと計画的に学校給食制度を運営すべきではないかと考え、小項目3点をお聞きします。
 まず、小項目1点目として、PFIでの対応について質問します。生徒数の問題でなく、学校・学級数の問題で給食センターでの配食が不可能になったと伺いましたが、仮にセンターからの供給を続けた場合の改造等について検討されたのか伺います。
 次に、小項目2点目として、供給の将来計画について質問いたします。過去には第2給食センターという計画もあったはずで、その計画が生きているなら中郷小学校の給食室を増設する工事が無駄になるのではと危惧されます。現在の計画はどうなっているのか伺います。
 次に、小項目3点目として、親子方式の検討について質問します。第2給食センターの計画を考慮しないとしても、今回の西清小を中郷小と親子方式に変えるにあたり、中郷中学校までを親子に含めなかったのか疑問が残ります。また、金田Grを岩根Grに含めるなど、更なる合理化も検討可能と思われますが、親子方式については、どの様に検討したのか、お伺いします。
 
 最後に中項目4「新川園の運営」について質問します。
 環境部の抱える課題として昭和42年に建設され、今年で46年目となる火葬場の建替え問題はよく議題に上がりますが、屎尿処理施設である新川園も昭和38年に建設され、既に50年が経過しております。途中で何回かの大規模改修を行っておりますが、通常のプラント施設であれば更新の時期を迎えるころであります。市庁舎や火葬場の建替えと同時期に大規模な建設工事を行うことは、財政に対する影響が大きく、可能であれば回避したいものです。行政が所有する資産は可能な限り統廃合して数を減少させ、インフラにかける長期的なコストを抑えるべきです。新川園の運営に関して十分な検討が必要と考え小項目3点をお聞きします。
 最初に、小項目1点目として、老朽施設の現状について質問いたします。建設後50年も経過した新川園はどのような状況にあり、改修や更新の必要性についてどのように認識しているのか、お伺いします。
 次に、小項目2点目として、取扱量増加原因について質問します。配付資料4に示すように、平成22年から24年の2年間で水洗化人口、下水道の方は4641人も増加し、公共下水道の未接続人口、つまり屎尿処理を必要とする人口は3216人減少しているにも関わらず、ここ3年間で新川園の処理量は減少となっていません。この理由についてお伺いします。
 最後に、小項目3点目として、下水との一元化について質問します。資料に示すように、新川園で屎尿1キロリットルを処理するコストは3年間の平均が1,887円である事に対し、下水処理場では44円で済んでいます。屎尿や浄化槽汚泥は下水に比べ濃度が濃すぎるため、下水処理場に投入する装置は22倍に希釈しています。従って、単価比較のためには22キロリットルに換算する必要があり、969円という値になります。この下水とのコスト差は約1.95倍で、希釈しても下水道で処理した方が安い事が解ります。下水処理場の稼働率は60%程度なので、新川園の全量を受け入れることも可能ではないかと思います。既に設置されている浄化槽汚泥投入装置を活用し、処理を下水施設に一元化する検討は行われたのか、お伺いします。
 以上で第一質問を終了します。
  
 市当局の回答
 ※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
 
<鹿間市民部長>
 私からは、大綱1「本市の財政削減政策について」の中項目1「国民健康保険」のうち市民部所管の2点について、ご答弁申し上げます。
 はじめに「基準外繰入対策」について でございますが、国保財政の運営につきましては、少子高齢化が進むなか、高齢者層の被保険者が増え、医療費が高くなる一方、低所得者が多くなるという国保の構造的な問題があり、国保税などの歳入の確保と、医療費などの歳出の抑制を図る中で、多くの自治体が基準外繰入を余儀なくされており、国保の財政運営につきましては大変厳しい状況でございます。そこで、法定外繰入を行わなかった県内10市につきまして、法定外繰入を行わなかった状況を、大別してご説明申し上げますと、財政調整基金の取り崩しで対応した市が5市、財政調整基金の取り崩しと国保税率の引上げで対応した市が2市、国保税の引上げで対応した市が1市、国保税の収納率向上で対応した市が1市、医療費の伸びが見込みより低く推移した市が1市、といった状況でございます。このように、各市とも歳出の抑制を行う中で、財政調整基金の取り崩しや国保税の引上げ、収納率の向上などの取り組みを実施した結果、平成24年度に法定外繰入を行わずに済んだ状況がございます。本市といたしましては、財政調整基金が無く、また、これ以上国保税を上げられない状況にある中、できる限り法定外繰入を行わないよう歳出の抑制と収納率の向上に引き続き努めているところでございます。
 次に、本市での対策についてでございますが、現在行っている歳出抑制の取り組みを申し上げますと、まず、一つ目は国保の適用適正化事業でございます。後期高齢者支援金などの支払額は、国保の加入者数に応じ総額が決定することから、国保と他の保険に重複加入している者の調査と国保脱退の手続き、また居所不明者の調査、職権消除などを行い、国保資格を適正に管理することにより、支援金等の支出を抑えております。また、今年度から強化したものといたしまして、低所得者には国保税の軽減措置があり、軽減した額が全額、県、市から補てんされることから、前年度に軽減措置を受けた未申告者に対し、申告の勧奨通知を送付し、適正な賦課に努めております。更に、国保の特定疾病者の中には65歳に達すると、後期高齢者医療制度の対象にもなれる方が、おいでになりますので、両方の制度について、比較し説明するなかで、今年度46名の方が保険料が安くなることを理由に後期高齢者医療制度に移行いたしました。この方々は、主に人工透析を受けている方で、一般的に医療費が年間5百万円から6百万円必要になるといわれておりますが、この方々の平成24年度医療費の保険者負担分が約2億48百万円であったことから、平成26年度以降、この金額相当の医療費抑制効果があらわれてくるものと考えております。
 次に、二つ目ですが、医療費適正化事業として、レセプト点検、第三者行為に伴う損害賠償求償、医療費通知、重複受診者及び頻回受診者の訪問指導などの他、ジェネリック医薬品の普及促進を図るため、平成25年度から、保険証やお薬手帳に貼ることのできる「ジェネリック医薬品お願いシール」の配布などを新たに行っております。
 三つ目として、保健事業でございますが、平成25年度に新たに追加した事業といたしまして、特定健康診査の受診率の向上を図るため、特定健康診査の集団健診のがん検診との休日・同時実施、JA千葉厚生連が行っている健康診断を活用しての特定健康診査の実施、短期人間ドック事業では、生活習慣病の予防と医療費の抑制を目的に脳ドックの導入などを実施いたしました。
 また、歳入の確保対策につきましては、収税対策室と連携し、保険給付金の税充当、保険証更新時の未納者対策などを通じ、国保税の収納率の向上に努めているところでございます。今後とも、これらの事業を一つひとつ行うことにより法定外繰入を行わずに済むよう、努めてまいりたいと存じます。
 次に、2点目「保険料の適正化」についてでございますが、資産割の有る世帯と、無い世帯の収納状況について、平成24年度の実績で申し上げますと、資産割のある世帯の収納率が、93.15%に対し、資産割のない世帯の収納率は、67.68%となっており、資産割のない世帯の収納率の方が、25.47%低い状況となっております。また、所得割算定用の所得階層別で、収納率を比較した場合におきましても、全ての所得階層で資産割のない世帯の収納率が、資産割のある世帯に比べ低い状況となっております。なお、今年7月の保険証更新時に、滞納のため資格証明書を交付した世帯は、単身者と借家の方がそれぞれ半数以上を占めている状況でもございました。今後、国保保険者の都道府県移行など、国保を取り巻く環境が大きく変わろうとしておりますので、社会保障制度改革国民会議の最終報告書及び国の方針等を踏まえ、また、歳出の抑制に努めると共に、税負担の公平性に配慮しながら、適正な税率等について、引き続き検討してまいりたいと考えております。私からは、以上でございます。
 
<野村財政部長>
 私からは、大綱1中項目1のうち、納付困難者の対処についてお答えいたします。収納率の低い理由として、滞納繰越者の中の納付困難者を適切に見極めしていない事も原因ではないかという、ご質問でございますが、滞納者への対応につきましては、保険証更新時の納税相談を始め、休日電話催告や臨戸訪問、資格証明書発行者へは納税催告などを実施しております。その際、滞納の理由が生活困窮などの場合は、財産調査や生活実態調査等を行いまして、地方税法第15条の7の規定に基づき、滞納処分の執行停止を行っております。本年度は、「市税に係る滞納処分の執行停止等に関する内規」を本年7月に定めまして、執行停止の基準をより明確にして、明らかに担税力のない滞納者につきましては、執行停止処分を行っております。国民健康保険税の執行停止処分の件数と金額を昨年度と比較いたしますと、昨年度が34件 約1,799万円に対しまして、本年10月末では68件 約2,871万円となっております。今後も適正な処分を行ってまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 私からは以上でございます。
 
<竹内福祉部長>
 私からは中項目の2「保育園民営化」についてご答弁申し上げます。
 1点目の「民営化対象施設」についてでございますが、「施設数の増加はありえるのか」ということでございますが、あくまでも、現時点におきましては、3施設程度が望ましいと考えております。なお、一昨日、佐藤議員へご答弁いたしましたが、民営化の対象とする保育園につきましては、審議会からの提言を踏まえ、市立保育園民営化検討委員会において、公設公営の7園のうち、基幹保育園として存続させるべき園と、民営化の対象とする園とに、絞り込みをしているところでございます。また、民営化の対象とする保育園は、公立と民間それぞれの保育園が、その機能と役割を十分に発揮できるよう考慮して選択する必要がございます。そこで、基幹保育園として存続させるべき園は、少なくとも、3園程度が必要ではないかと考えておりますので、これらを踏まえ、民営化の施設数としては、3施設程度が望ましいものと考えているところでございます。従いまして、民営化する施設の数の増加はありえるのか、ということでございますが、基幹保育園を3園とすれば、あと1施設は可能性はある、と考えております。
 次に、2点目の「民営化実施工程」についてでございますが、まずは、本年度中に民営化計画を策定いたしまして、民営化予定園を公表させていただき、5か年間の準備期間を経て、平成31年度に民営化を実施して参りたいと考えております。また、移管予定園の保護者の皆様の不安を解消し、十分な説明を行うため、平成26年度から保護者説明会を実施して参りたいと考えております。次に、移管先法人の選定については、保護者への説明と法人の準備期間を十分に確保するため、遅くとも、移管する1年半前までに、具体的には、平成29年10月頃までに、移管先法人を決定したいと考えております。
 次に、3点目の「新規参入者資格」についてのお尋ねでございますが、移管する保育園の運営主体に関しましては、審議会からの建議のとおり「現在、保育所の運営を行っている社会福祉法人が望ましい」ものと考えております。また、議員ご指摘のとおり、「ふくた保育園」の運営状況を鑑みれば、近隣他市で実績のある者が、本市で保育園を運営することについては、特段支障もございませんので、審議会において、「原則、市内で保育事業を営み、法人として相当の期間の保育実績を有する社会福祉法人が望ましい」との提言もいただいておりますが、近隣他市で実績のある社会福祉法人についても、運営主体の候補として検討していく必要があるものと考えております。
 いずれにいたしましても、市立保育園民営化検討委員会において、これらの諸課題などを整理し、民営化計画を策定して参りたいと考えております。私からは、以上でございます。
 
<能城教育部長>
 私からは、大綱1 中項目3 学校給食制度について、ご答弁申し上げます。
 はじめに「PFIでの対応」についてでございますが、当初、給食センターを改修し、真舟小に配食することを検討いたしましたが、給食を配食できない期間はつくらないという基本的な考え方から、工期は夏休み期間中としますと、床面積の増設や、空調設備、消毒保管庫、自動フライヤーの交換に加え、配送用トラックを増やすなどの対応が必要となり、その改修費が 概ね1億円となること、そして、工期的にも無理があると判断し、給食センターの改修での対応は、しないと判断いたしました。
 次に「供給の将来計画」でごございますが、将来的に、32校の給食を より良く安定的に配食するためには、第2給食センターの検討が必要であることから、現在、策定中の木更津市教育振興基本計画の中で、設置を視野に入れて検討しているところでございます。しかし、長いスパンの中での取り組みとなりますので、中郷小学校の給食室の改修は、無駄にはならないと判断いたしたところでございます。
 3点目の「親子方式の検討」についてでございますが、現在、耐震改修工事を、多くの学校で進めている中における対応で、調理室の面積や、施設設備の改修を、必要最小限にとどめ、配食を行なうためには、、中郷中学校を含めない方式が効率的との判断をいたしたところでございます。今後 各学校の食数の変化に伴い、単独調理校、全体の合理化に向けた 親子調理方式の 組み換え等の検討をいたしてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。
 
<久良知環境部長>
 私からは、大綱1 中項目4 新川園の運営についてご答弁申し上げます。
 まず、1点目、新川園について、現状及び改修や更新の必要性についてどの様に認識しているかについてでございますが、新川園は、昭和37年12月に完成し、翌38年4月に供用開始いたしました「屎尿処理施設」でございます。まず、施設面を申し上げますと、供用開始後、昭和48年12月に施設増設工事を行い、昭和60年9月に施設改造工事を実施いたしました。この改造工事の際に、開設当初の施設の運転を停止いたしましたので、現在、使用しております最も古い施設は、昭和48年12月に増設した部分であり、現在まで概ね40年経過したものでございます。設備部分を申し上げますと、平成8年3月に脱リン設備を増設し、平成12年3月には脱リン設備を除く設備の大幅な改修を行ないましたことから、現在まで概ね 13年から17年程度経過しております。屎尿処理場の耐用年数につきましては、明確に示されたものはございませんが、平成13年12月の国土交通省通達「汚水処理施設の効率的な整備の推進について」によりますと、全国の施設使用実績として、下水道終末処理場の建築物が50年から70年、機械電気設備が 15年から35年となっており、これを参考に、仮に耐用年数を、建築物50年、設備25年といたしますと、建築物はあと10年程度、設備はあと12年程度で全面更新が必要となりますことから、この耐用年数の捉え方で考えますと、平成35年頃には施設を建替え、全面更新する必要が生じることとなります。現在、この見込みでよろしいか、専門業者による施設の診断を行っているところでございます。なお、建替え、全面更新にあたりましては、現在の施設を稼動させながら建替えなければならず、現在の敷地では手狭でその余裕がなく、また、現施設建設時に「建替えにあたっては、別の場所に建替える」との覚書を地元と交わしておりますことから、現在の場所での建替え、全面更新は困難であると認識しております。
 2点目、新川園での取扱量の増加原因についてでございますが、下水道認可区域内の下水道整備が進み、下水道接続の世帯等が増えていることは議員ご指摘のとおりでございます。一方、下水道計画区域外、下水道認可区域外での「汲み取り」から「浄化槽」への転換も着実に進んでおり、これは、浄化槽汚泥取扱量が平成22年度2万7491キロリットルから24年度2万9718キロリットルへと増加しておる状況からもご理解いただけると思います。では、その分の屎尿取扱量が減っていないことの理由でございますが、23年度、24年度両年にわたり、金田地区のアウトレット及びその周辺地域における施設建設工事、道路建設工事等に伴う仮設トイレが非常に多く設置されまして、その処理が大量に発生したことによるものでございます。なお、今後は、下水道接続世帯が増え、「汲み取り」の屎尿処理から「浄化槽」の汚泥処理へと転換されてまいります。長期的な傾向を申しますと、平成12年度には、屎尿7,816キロリットル、浄化槽汚泥27,469キロリットル、 計35,285キロリットルを新川園で処理しておりましたが、近年は確実に減少しており、平成22年度には、屎尿4,892キロリットル、浄化槽汚泥27,491キロリットル、計32,383キロリットルと、人口増の下でも、新川園での取扱量は減少し、今後も、全体としては減少していく傾向にあります。
 3点目の、下水に一元化する検討は行なわれたのかについてでございますが、汚水処理施設につきましては、本市では、新川園と下水終末処理場と各施設の役割分担の下、それぞれの施設を計画的に整備することに努めてまいりました。そのような状況の中、ご指摘を頂いております新川園の老朽化に伴う施設の更新にあたりましては、市の財政削減を図る観点からも、屎尿・浄化槽汚泥処理施設の単独での建替えはもとより、議員が仰るような下水道処理施設との共同化なども検討していかなければならないと考えております。検討に当たりましては、各施設の状況や老朽化の度合い、大規模な施設改築の予定等を把握すると共に、「下水処理」と「屎尿処理」に係る法令や基準、整備に対する補助金など、多岐に渡って調査研究していく必要がありますことから、今後、下水道所管の都市整備部と「屎尿」・「浄化槽汚泥」処理所管の環境部とで連携して、様々な視点から検討してまいりたいと考えております。

 
一問一答
 ※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
 
 答弁有り難うございました。それでは一問一答に移ります。
 最初に国民健康保険についてお伺いします。基準外の繰り入れを行わなかった自治体の状況も様々で、本市では『財政調整基金が無く、また、これ以上国保税を上げられない状況にある中、できる限り法定外繰入を行わないよう歳出の抑制と収納率の向上に引き続き努めてまいる』という答弁がございました。歳出の抑制と収納率の向上対策については細かいご報告を受けましたが、税率については、例えば近隣の富津市では保険料を値上げする事によって基準外の繰り入れを抑えているように、本市でも改定の際には値上げする事はありえるのかお伺いします。
 
 本市の国民健康保険税は、これ以上、引き上げが困難な状況と考えておりますので、慎重に判断しなければならないと認識しております。平成25年度の国保税率等につきましては、平成25年分の税申告がまとまった段階で、現在の税率等で国保税の試算し、その結果を基に、改めて国の動向、税の公平性に配慮しながら検討してまいりたいと考えております。
 
 現在も比較的高めの状況にある本市の国保税の値上げとならないよう、抑制への取り組みをよろしくお願いします。細かい政策の積み上げも極めて重要なことでありますが、本市の収納率が低いことを考えると、特別会計の不足分は収納率の向上を持って補うことが基本ではないかと考えます。平成24年度の基準外繰入額を補うためには収納率を何%上げればよかったの、お伺いします。
 
 平成24年度の基準外繰入金は3億7464万円でした。これを補填するには収納率を8.68%引き上げる必要がございます。 
 

 配布しました資料は平成23年度の値ですので、平成24年度で我が市の収納率を見ますと82.93%となっております。ここから更に8.68%引き上げると成ると、91.61%という収納率まで高める必要があるということですので、これは県内では南房総市だけが到達している、極めて高い値でありますが、極力目指していっていただきたいと思っております。なお、現在は収納率に目標を持って取り組まれているのか、また収納率が低い場合は県より何らかの指導があるのか、伺います。
 
 平成25年度の市税徴収計画で国保税の目標収納率を87%と定めております。また、県でも保険者規模別目標収納率を定めており、本市の規模の場合は、89%としております。県は、この目標収納率を達成した市町村には、その達成に向けた取り組み等に対して一定の基準額に上乗せして県調整交付金を交付し、達成しない市町村に対しては、収納率向上のため、その状況に応じて助言・実地指導・勧告等を行っております。
 

 県の目標値との乖離も大きい事が解りました。県からの上乗せの交付金もいただけるという事ですので、収納率向上のため、今までも、多くの取り組みを確かに行われてきたとは思いますが、先ほど言いました担税力のない滞納者の執行停止処分等の適切な対応を行うとともに、徴収強化に向けた組織の強化、それを行い、財政の健全化を進めていただけますよう要望し、次の項目の質問に移ります。
 保育園民営化についてお伺いします。
 民営化対象施設については、4園の民営化の可能性も有るということですので、その点については今後の推移を見守りたいと思います。
 民営化の実施行程についてお聞きします。来年度から保護者説明会を開始するが、移管先法人の決定は平成29年10月を予定しているという回答でありましたが、実際の引き受け先がその時に見つからない事態を考えますと、もっと早い段階で移管先を決めるべきではないかと考えますが、如何でしょうか。
 
 議員のご指摘のとおり、移管先法人の選定に当たりましては、募集段階から、保育園運営を希望する法人の「申し出が無い」というような事態も想定する必要があろうかと思います。従いまして、移管先法人を決定すべき時期から、遡りまして、移管先法人の選定手続きを、いつ頃から開始するのかという点が、重要となって参りますので、選定手続きにつきましては、余裕を持った期間の設定をして参りたいと考えております。
 なお、移管先法人の決定を、現時点で「遅くとも、平成29年10月頃まで」としておりますのは、実は毎年、保育園の4月入園の手続きが、前年度の11月から開始されるため、民営化実施予定年度の、前の前の年度の10月頃までに決定を致しまして、入園手続きの時点で、翌々年度の運営法人を明示して参りたいという考えがございます。いずれにいたしましても、民営化は、相手があっての取組みでございますので、移管先法人の選定手続きには、十分留意して参りたいと考えております。
 
 民営化の保護者説明を行う段階で移管先が明確になっていれば、保護者にとっても、いたずらな不安が生じないのではと思いますので、早期の選定についてご検討いただければ、と思います。
 次に、新規参入者資格についてお聞きします。近隣市で保育園の運営実績がある社会福祉法人も候補として検討すると答弁が有りましたが、法改正により社会福祉法人以外でも保育園の運営が出来る様になり、全国的に見れば、実際に多くの法人が保育園を運営しております。参入資格について社会福祉法人以外の法人についても枠を広げるよう検討すべきではと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 
 社会福祉法人以外の法人で保育園の運営実績がある法人についてはどうか、ということでございますが、本市における公立保育園の民営化に当たりましては、移管後の認可保育園運営は、社会福祉法人によって、進めて参りたいと考えており、学校法人、株式会社などにつきましては、現在のところ候補としては考えてございません。
 

 運営の実績が長期間有り、評判が良い法人であれば、別に社会福祉法人でなくとも構わないと私は思いますが、仮にその「社会福祉法人」に限ったとしても保育園の運営実績に絞ると受け手が限られて参りますので、例えば学童保育の実績があるなど、他の実績が有る法人について拡大する考えは無いのかお伺いします。
 
 議員ご指摘のとおり、市内で認可保育園を運営している社会福祉法人ということになりますと、5法人ということに成ってしまいます。また、昨年の請西保育園の指定管理者の候補者の公募に当たりまして、申請があったのは、2法人だけという状況もございました。従いまして、市内で認可保育園以外の放課後児童クラブ、学童保育でございますが、これらの社会福祉事業を実施している社会福祉法人であって、例えば、県内において認可保育園の運営実績がある法人であれば、移管先の候補としても良いのではないか、というふうに考えております。
 

 行政運営のため、民間の協力がいただけるものは積極的に官民連携を進め、サービス向上を伴いながら財政削減につなげるよう検討していただくことを要望し、次の質問に移ります。
 学校給食制度についてお伺いします。PFIでの対応は工期的に難しいと判断されたようですが、学校耐震事業も夏休み期間中に進めている事例を考えると、事前準備を行い、プレハブ化を考えれば対応可能ではなかったのかな、と私は思うところでもありますが、それは決められたことですので置いておきまして、西清小学校を給食センターから外した事で、表にありますように来年度は約280食の減少ということになりますが、PFI事業に支払う運営費等に問題が生じないのか、お伺いします。
 
 PFI事業では、契約の中で食数について、4,500食以上6,000食以下と定めておりますので、現状では、契約の変更はございません。
 

 確かに来年は5,029ぐらいの見込みなので、契約の中ということで了解しました。
 次に将来の供給計画の方についてお伺いします。第2給食センターは長期的スパンの中で検討するというご回答がありましたが、その施設に関してお聞きいたします。地産地消の推進、食育や災害時の非常食の供給といった観点から、給食センターの機能の中に炊飯設備を備え、米飯の供給を行うべきだと、平成20年に前にありました「フォーラム未来」という会派で提言を行わさせていただきました。昨日の鈴木秀子議員の質問に対し、炊飯設備は今後の課題として考えているという答弁も有りましたが、先ほど長期的スパンの中で出てくるといわれました第2給食センターにおいて、そのような検討を進めるよう考えているのか伺います。
 
 将来計画として、第2学校給食センター建設の検討に際しましては、議員の言われますとおり、地産地消の観点から、そして 災害時における対応も踏まえ、炊飯施設を備えることに付きましても検討する必要があるものと認識をいたしております。
 

 生産者の顔が見えるという事もあり、食育の上で重要なことだと思いますので前向きな検討をよろしくお願いします。
 親子方式の検討についてお聞きしますが、中郷中学校については『調理室の面積や施設設備の状況から含めない方式が効率的と判断した』との回答でありました。40食ぐらいですので、そういうものなのかな、と思うところも無いではありませんが、では人件費に着目してお聞きします。中郷中学校を仮に中郷小学校の中に統合して供給した場合、人件費はどの程度削減されるものと想定されるのかお伺いします。
 
 次年度における、中郷中学校の配置予定職員は、調理員1名と臨時調理員2名の配置を現在想定いたしておりますので、その人件費につきましては、概ね850万円と算定をいたしております。
 

 人件費だけで毎年850万円のランニングコストの削減につながり、水光熱費等も規模の効率化が有るかと思います。その代わりに配送の手間が出てくるというコストアップの部分も有るかとは思いますが、必ず削減を図れる方向であるかと思いますので、統合については今後とも議論していっていただけますよう宜しくお願いします。いずれにしろ、中郷小学校で調理した給食を、遥かに生徒数の多い西清小学校に届けるなど、学校給食制度には効率化の検討が不十分ではないかな、と思う点が多々ありますので、効率的な運用を行うことで、財政削減につなげていただけることを要望し、次の質問に移ります。
 最後に新川園の運営についてお伺いします。新川園の開設時である50年前の施設は現在使用されていないという回答でしたが、それでも既に40年が経って老朽化している事は明確であります。『平成35年頃には施設を建替え、全面更新』と考えられているようでありますが、そうであれば数年以内に改修の方向性を決めなければ成らないかと思いますが、如何でしょうか。
 
 先ほどご答弁申し上げました通り、現在、専門業者による施設診断を行っておりますので、現段階ではハッキリとは申せませんが、仮に平成35年度ぐらいまでに建替えが必要とのことになりますと、議員仰るとおり、これから2〜3年の中で単独整備と共同整備との比較検討や可能性調査等を行い、方向性を明らかにしたうえで、基本計画の策定をしていかねばならないものと考えております。
 

 次に整備する施設についてお聞きしますが、処理量が減少する傾向にあるという事なので、今までより小規模な施設で済むと思われますが、それで間違えがないのかお伺いします。
 
 屎尿処理施設での屎尿・浄化槽汚泥の取扱量は、全体としては減少していく傾向にありますので、それに見合った施設になるものと考えております。
 

 屎尿処理施設の機能が小さくなれば、より汚水処理との一元化が容易になるものと考えます。汚水処理施設を共同化して整備することによって効率的に整備する手法として、一定の条件が満たされれば、下水道事業として整備できる「汚泥処理施設共同整備事業」、通称ではMICS事業と言われておりますが、これが国から示され、平成7年度から実施されているものと伺っています。現在までのこのMICS事業を利用した事例は全国的にどのくらいあるのか、お伺いいたします。
 
 公表されております最新のデータで、平成21年度末のものがございますが、これによりますと、27県74市町村で実施されております。なお、千葉県内ではこれまでに実施された市町村は無いと伺っております。また実施している事例の多くが農業集落排水を共同化しているもので、屎尿を下水道で処理している事例は21市町村となっております。
 

 屎尿までを下水処理に一元化した事例が全国で21と比較的少ない状況にあるというのは制度上の制約が色々あるものではと推察しますが、引き続きご検討を進めていただけますよう、宜しくお願いします。下水道との一元化以外にも、例えば近隣市との広域処理という可能性も考えられると思いますが、そのような検討は行なっているのか伺います。
 
 近隣市の状況を申し上げますと、君津市は供用後40年、袖ケ浦市は21年程度経過しており、老朽化の問題を抱えている事は本市と同じと思われます。従って今後、屎尿汚泥処理施設を単独で整備する場合には、近隣市との広域処理も選択肢の一つとして考えられますことから、合わせて検討していきたいと考えております。
 
 下水道と一元化するとか、施設処理を広域化するとか、そういうことについては早期に検討を始め、仮にそれらが暗礁に乗り上げた場合には、極めて小規模な施設で済むことに成るかと思いますので、それを下水処理場の広大な敷地がありますので、その一部に作って下水処理場と一括で委託をすることで経費削減を図るなど、様々な対応があるかと思いますので、財政削減につながるような検討を、計画的に進めていただくことを要望いたします。
 新川園だけでなく、行政の様々な局面に計画性を持った展開を行っていただき、健全な行政運営を進めていただくことを要望いたしまして、今議会における私の質問を全て終了させていただきます。