社会資本の諸課題について (平成29年12月定例議会)
 議場の皆様こんにちは。会派羅針盤の近藤です。通告に基づき大綱1点「社会資本の諸課題について」資料をタブレットに配信しながら中項目5点の質問をさせていただきます。
 始めに、中項目1点目として、道路についてお聞きいたします。公共建築物については再配置計画の中で面積の縮小が提案されておりますが、道路については都市計画道路の路線の一部を廃止すると検討したものの、多くの路線は今後も引き続き整備を進めていくことが求められております。そのため、建設に際しては市民の利便性を高めると供に迅速かつ安価に供給する事が求めていくものと私は考えております。その様な観点から、道路の諸課題について小項目6点を質問いたします。
 まず、小項目1点目として、都市計画道路の課題の共有化について伺います。私は2013年9月議会において、現在都市計画決定を受けている都市計画道路でも車線数や位置について見直しすべき点が多くあると指摘いたしました。その時の答弁では、都市計画の全面的な見直しは行わないが、道路の事業化の時に見直しをするというものでございました。
その手法には問題はありませんが、課題を抽出し組織で共有化しておかないと、事業化の際に課題を把握していない担当者が気付かずに、都市計画の通りに工事を進めてしまうのではと、私は危惧しております。課題の把握と組織内での共有化の状況についてご報告願います。
 次に、小項目2点目として、都市計画道路の柔軟な事業化について伺います。先月の7日に開催された議員全員協議会で火葬場への工事用道路は羽鳥野で整備済みの都市計画道路大久保畑沢線を西側に延伸して使用し、将来的には通行できるように整備するとの説明がありました。この道路が既存の林道宮内線に接した場所から先は現在の市道を拡幅整備する計画とのことですが、私は配布資料1ページに示すように、都市計画道路大久保畑沢線の平面線形を見直し、現道の位置に都市計画道路を重ねるように変更すべきと考えます。これにより、現計画の事業費から大幅な増額を行わなくても都市計画道路の整備率を高める事が出来ますし、地域の整備要望に多く応えることが可能となると考えます。また、都市計画道路大久保畑沢線の国道127号より西側の畑沢の区間では幅員を12mとしている現状を考えますと、幅員を16mで進めるのではなく、道路幅を減少させることで、事業費を減らすよう見直しすべきと思います。つまりこの路線は、前の小項目で示した「事業化にあたって見直しを行う」都市計画道路にあたるのではと考える訳です。この様に道路の事業化にあたっては柔軟な対応を行うべきと考えますが、執行部の見解を伺います。
 次に、小項目3点目として、既存市道の道路等級の問題点について伺います。本市の南北導線として整備が進められている中野畑沢線の道路番号は統一感の無い数字が指定されております。他にも同一の路線で細かく番号が変わる事が多く見受けられ、台帳管理も複雑になっていると想定されます。また、地域間を連絡する道路として指定されている一級市道の中には、山間部で幅員も狭く通行が困難なものも多く見受けられ、当初の目的を果たしているとは思えません。また、今年度に舗装の改修に補助金を受けられる制度が出来ましたが、対象の道路は一級・二級に限られているため、交通量が多くても補助対象にならない道路もあるなど、道路等級が現状を正しく反映しておりません。道路番号と道路等級について見直しが必要だと考えますが、執行部の見解を伺います。
 次に、小項目4点目として、開発行為での道路構造の課題について伺います。今議会に上程されている市道認定のうち、開発行為に伴う岩根地区の4路線は全て行き止まり道路でした。このように、小規模開発で造成される宅地の道路は袋小路の形態で造られているものが多く見うけられます。先端に回転できる広場が有れば市道として認定する事は可能です。袋小路だと通過交通もなく生活環境は静寂を守ることが出来ます。しかし、入口の家屋で火災等が発生した場合、奥の住宅からの避難が困難に成るなど安全上の問題が生じます。この点について2011年12月議会で対応を質問いたしましたが、その時の答弁では宅地開発指導要綱の条例化を検討する中で対応したい旨の答弁が成されました。あれから8年が経過しましたが、現在の進捗状況についてご説明願います。
 次に、小項目5点目として、中野畑沢線の信号処理の改修について伺います。私は2015年6月議会で、県道として整備された中野畑沢線の新宿交差点から金木橋までの信号機が、横断交通も無いのに赤信号に変わるため道路の交通容量を減らし渋滞を招いているので改修しないかと質問いたしましたが、その時の答弁では信号機の間隔を調整することで対応するので、見守って欲しいとの事でした。あれから2年半が経過ましたが、やはり横断交通の無い交差点の信号は感応式に変更すべきと思いますし、新宿交差点には右折信号を設けることで本線に残る滞留車両を減少させるべきと思います。そこで、改めてお聞きしますが、信号機については現状で良いとお考えなのか、改修は検討されていないのか伺います。
 最後に、小項目6点目として、道路用地の取得手段の改善策について伺います。現在市内において用地取得を伴う道路整備事業が、中野畑沢線や火葬場への進入道路など、数多く進められておりますが、用地取得が進まないため工事着手に見通しが立たない状況の路線もあると聴いております。用地取得の手段を改善すべきと思いますが、執行部のお考えを伺います。
 次に、中項目2点目として、橋梁についてお聞きいたします。橋梁も道路の一部ではありますが、予算上で道路費と橋梁費が分けられている事もあり、橋梁については項目を分け、小項目3点を質問させていただきます。
 まず、小項目1点目として、橋梁長寿命化計画修正の課題について伺います。午前中に座親議員からも質問がありましたが、宜しくお願いします。橋梁を適切に補修することで使用可能な期間を伸ばそうとする、橋梁長寿命化計画でございますが。この事業化を進める中で、橋梁の老朽化の状況に合わせ、計画を適宜見直す必要があると思います。しかし老朽化の状況を把握するための定期点検に求められる基準が変わり、職員による点検が困難な状況になっているようにも聞いております。
そこで計画の修正にあたっての課題についてお伺いします。
 次に、小項目2点目として、既存塗装中の有害物質の状況について伺います。鋼で造られた橋は錆を防止するため塗料が使用されていますが、昭和42年から47年頃にかけて使用された塩化ゴム系塗料の一部には、水に溶けにくく絶縁性や不燃性等の特性をもつポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCBが混ざっている物や、鉛使用され含有されている物があるので、既存途膜の剥離作業での有害物質を確認するよう本年5月17日に国土交通省道路局から事務連絡が出されていると思います。本市での状況が気になりますが、現状と対応についてお伺いします。
 最後に、小項目3点目として、歴史的価値のある橋梁の保全について伺います。先ほど使用いたしました配布資料1ページの左下の方に写真を掲載しておりますが、市道136号線にある波岡橋、正式には打越橋というようですが、それは本市で唯一のアーチ橋であり、両面には房総石が施工され、後世に保存すべき価値のある橋梁だと私は考えております。火葬場への進入路の整備で撤去されるものなのか、現在の方針を伺います。
 次に、中項目3点目として、公園についてお聞きします。住みよい都市の指標として人口あたりの公園面積が取り上げられるように、公園は都市生活にとって重要な社会資本と考え、小項目2点を質問させていただきます。
 まず、小項目1点目として、公園の地域的偏在状況の対策について伺います。本市には現在配布資料2ページに示すように、各種の都市公園と児童遊園及び緑地を含め239個所が存在していますが、地区別に集計いたしますと大きな格差が生じております。特に人口が減少している岩根地区・中郷地区・富来田地区は市の平均を大きく下回っております。この偏在状況に対し、どの様に対策をお考えなのか伺います。
 次に、小項目2点目として、太田山公園の遊歩道の整備について伺います。太田山公園は本市最大の面積を有する総合公園であり、敷地中には郷土博物館や旧安西家等が立地しております。市街地に近接するため公園内を散歩する人を多く見かけますが遊歩道の荒廃が進みバリアフリーからほど遠い状況であります。9月議会で公園内にある太田山古墳や地下壕の整備についての質問をいたしましたが、それらを含め公園の整備が必要と思います。そこで太田山公園の遊歩道等の整備について、どの様にお考えなのかお伺いします。
 次に、中項目4点目として、護岸についてお聞きいたします。護岸は千葉県が管理主体ではありますが、本年10月23日未明に通過した台風21号で高潮被害が発生したと聞いておりますので、防災の観点から質問させていただきます。
 小項目は1点、高潮被害の状況と今後の対策について伺います。高潮被害が発生した箇所は、大規模海溝型地震による津波被害も生じると懸念されます。特に、小櫃川河口に位置する久津間の船溜については2012年9月議会で危険性を指摘いたしましたが、その対策がなされないまま今回の被害を発生させました。そこで伺いますが、今回の高潮被害は市内でどの程度観測され、状況はどうであったのか、また今後の対策はどの様に考えているのか、お伺いします。
 最後に、中項目5点目として、鉄道についてお聞きいたします。鉄道については東日本旅客鉄道株式会社という民間企業の所有する社会資本でありますが、駅については特に公共性の高い場所と考え、質問させていただきます。昭和45年に建設され、本市の顔として存在を続ける木更津駅も老朽化を迎えており、その今後も気になる点ではありますが、今回は巌根駅に論点を絞り、小項目3点を質問いたします。
 小項目1点目として、総武線快速電車停車の事業化について伺います。2010年1月25日に「巌根駅に快速電車を停めよう!推進協議会」より快速電車の停車に関する最初の要望書を提出して以降、本年5月24日に至るまで要望活動が継続されており、行政もJR東日本と粘り強く協議を進めていただいている事は理解しております。しかし、快速電車停車に向けた事業化は、東日本大震災が発生した2011年以降は予算化がなされておらず、現在の中期計画には位置付けもされておりません。そこで伺いますが、来年度から編成作業に入る次期計画には快速電車の停車に関する事業は位置付けられるものなのか、現在の状況を伺います。
 次に小項目2点目として、バリアフリー化への取組状況について伺います。昇降客が3千人を超える駅についてはバリアフリー対策を行うことが求められており、巌根駅もその対象となっております。ただ、バリアフリーと言っても配布資料3ページに示すように様々な形態が考えられます。事業化に先立ち、整備形態をどの様に決定していくのか、その手続きやスケジュールについてお示し下さい。
 最後に、小項目3点目として、東日本旅客鉄道との協議状況について伺います。快速電車の停車やバリアフリーに向けた事業を進める場合、JRの意向が重用になります。快速停車とバリアフリーを別々に協議するより、それらを一度に話を進めた方が設計業務を一体的に進められて効率的になると私は思います。現在の市とJRの協議はどの様に進められているのか伺います。
 以上で第一質問を終了します。
  
 市当局の回答
 ※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
 
<渡辺市長>
 近藤 忍 議員の ご質問に、ご答弁申し上げます。
 大綱1「社会資本の諸課題について」はじめに、中項目1「道路」の「都市計画道路の課題の共有化」について、お答えいたします。本市では、平成27年度に、県の「都市計画道路見直しガイドライン」に基づき、見直し作業を行い、整備時の課題や廃止候補路線について報告書を作成しておりますことから、本報告書を活用した庁内での情報共有に、努めているところでございます。また、都市計画道路の事業化にあたっては、庁内で協議を行い、その結果を踏まえた整備を行なうとともに、必要に応じて都市計画の見直しを行うこととしております。
 次に、「都市計画道路の柔軟な事業化」でございますが、新火葬場へのアクセス道路として、都市計画道路大久保畑沢線の一部区間、約840mを整備する予定でございます。本路線の整備における道路線形や幅員の決定につきましては、道路構造の基準や地域の状況、また、新火葬場の整備スケジュールを考慮した中で、地元の皆様と調整しながら柔軟に対応し、可能な限り、事業費の縮減に努めてまいりたいと考えております。
 次に、「既存市道の道路等級の問題点」でございますが、道路番号及び道路等級につきましては、路線の整備計画や交通形態・地域環境などを判断して1級・2級の認定をしております。認定路線の中には、当初の認定から相当の期間が経過し、整備状況や交通形態・地域環境が変化しているものもございますので、現状にあった見直しを検討してまいりたいと考えております。
 次に、「開発行為での道路構造の課題」について、現在の検討状況でございますが、袋小路の道路は、市街化区域縁辺部での宅地開発で多くみられるもので、構造上好ましいものではないと考えておりますが、都市計画法の技術的基準では、袋小路の道路を認めておりますことから、条例による規制は難しいものと考えております。課題解決に向けては、今後、コンパクトなまちづくりを推進する中で、宅地開発につきましても、地域を制限するなどの見直しを行い、袋小路の道路を減らすよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、「中野畑沢線の信号処理の改修」でございますが、信号機の管理者である千葉県警察からは、中野畑沢線が全線開通となっていないことや、信号機設置要望が他地区からも多数あることから、本路線の信号機を改修するための予算確保が難しい状況にあると伺っております。また、改修による問題点として、本線の青信号が続くことによるスピードの出し過ぎなど、事故や違反の発生が危惧されることから、現地及び道路の整備状況を見て検討したいとのことでございました。市といたしましては、交通渋滞の緩和・交通利便性の向上が図られるよう、引き続き、千葉県警察に信号機改修をお願いしてまいります。
 次に、「道路用地の取得手段の改善策」でございますが、本市の道路整備につきましては、江川総合運動場周辺市道整備など、用地取得を伴う事業が増加しており、さらに来年度からは、新火葬場へのアクセス道路の用地取得も開始する予定でありますことから、民間委託を積極的に活用し、より一層の事業進捗を図りたいと考えております。
 続きまして、中項目2「橋梁」について、お答えいたします。はじめに「橋梁長寿命化計画修正の課題」でございますが、平成25年度の法改正により、橋梁点検に要する費用が増加したことから、事業費が不足し、修繕工事が計画どおりに進められないなどの課題がございます。今後は、国の財源を一層活用するなどの工夫をしながら、事業の進捗を図ってまいりたいと考えております。
 次に、「既存塗装中の有害物質の状況」でございますが、本市では、有害物質の調査が必要な橋梁が31橋あり、これまでに7橋の塗膜調査を実施したところ、6橋で鉛やPCBが検出されております。塗膜から有害物質が検出された橋梁につきましては、国からの通知に基づき、適切な方法により、修繕を進めてまいりたいと考えております。
 次に、「歴史的価値のある橋梁の保全」でございますが、新火葬場のアクセス道路として整備する市道136号線の打越橋につきましては、昭和9年に建造された非常に珍しいアーチ形式の橋梁でございます。市としましても、橋梁長寿命化計画により、本橋梁を平成27年に補修し、安全性を確保しながら、保全を図ってきたところでございます。しかしながら、本橋梁は、現在の道路橋の規格に合わず、重量規制をしておりますことから、現在実施している道路詳細設計の中で、歩行空間として保全する方法を検討しております。
 続きまして、中項目3「公園」について、お答えいたします。はじめに「公園の地域的偏在状況の対策」でございますが、本市の公園整備は、土地区画整理事業により帰属された公園予定地について、早期供用開始を目指し進めているところです。その結果、地区別に見た公園は、土地区画整理事業などで開発された地区に偏在し、岩根地区、中郷地区、富来田地区では、一人当たりの公園面積が、市の平均を大きく下回る状況となっております。今後は、公園の充足度の低い地区について、平成24年度に策定いたしました「木更津市みどりの基本計画」に基づき、低未利用地などの既存ストックを活用し、市民ニーズを踏まえた新規公園整備を検討してまいりたいと考えております。
 次に、「太田山公園内の遊歩道の整備」でございますが、太田山公園は、自然の山と緑をそのまま利用した自然景観の優れた総合公園で、本市の重要な観光スポットとなっております。公園内の遊歩道につきましては、古いところで整備から60年が経過しており、再整備の必要性につきましては、認識しているところでございます。既存施設を繋ぐ主要経路につきましては、来園者の利便性と安全性に配慮した遊歩道の再整備を検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、中項目4「護岸」についての「高潮被害の状況と今後の対策」についてお答えします。まず、台風21号による「高潮被害の状況」でございますが、この度の台風21号は非常に強い勢力の台風であり、最も接近した午前6時半ごろ、台風の影響による高潮、暴風と大潮の悪条件が重なり、通常時の潮位に比べ、約1m高い、潮位が確認されたところでございます。このため、沿岸部の江川、久津間、金田の一部の箇所で海水が護岸を超え、道路冠水や宅地内への流入が確認されたところでございますが、幸いにも、大きな被害に至りませんでした。
 次に、「今後の対策」について、でございますが、今回の高潮を受け、改めて、護岸を管理する千葉県と今後の対応について、協議をさせていただくとともに、気象警報等が発表された際には、避難準備情報や避難勧告など、迅速かつ的確な情報提供を行うことにより、市民の安全を確保して参りたいと考えております。
 続きまして、中項目5「鉄道」について、お答えいたします。はじめに「総武線快速電車停車の事業化」についてございますが、JR内房線 巌根駅への快速電車停車に向けた取り組みにつきましては、多額の財政負担が見込まれますので、実施に当たっては、様々な財源活用を図りながら、計画的に取り組むことが必要となってまいります。このため、ホーム延伸の事業につきましては、来年度、市の第2次基本計画策定作業を行う中で、JRとの協議状況を踏まえながら、計画への位置付けについての総合的な判断をしてまいりたいと考えております。
 次に、「バリアフリー化への取組状況」につきましては、国の基本方針に示される整備目標年次や、関連する補助金等の財政支援制度の活用、また、市の財政的な面から判断しますと、駅のバリアフリー化の手法としましては、エレベーターの設置を進めてまいりたいと考えております。また、整備スケジュールにつきましては、国の整備目標の最終年次である平成32年度の設置に向けて、JRとの協議を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、「東日本旅客鉄道との協議状況」についてでございますが、今年度に入り、JR千葉支社と巌根駅に関する協議を2度実施しております。その中で、快速電車停車に向けたホーム延伸事業に関する協議は、過去にあったものの、実現に向けては、あらためて利用者の増加見込みに照らした停車の必要性や、全体の運行計画を含めた総合的な検討が必要となる とのことでございました。設計業務の一体的な発注を行ったとしても、ホーム延伸事業の決定までには、相応の期間を要することが考えられますことから、引き続き、JRとの事業合意に向けた協議を重ねながらも、まずは、エレベーター設置による巌根駅のバリアフリー化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 
一問一答
 ※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
 
 答弁有り難うございました。それでは一問一答に移ります。始めに中項目1の道路で、都市計画道路の課題の共有化についてお聞きします。都市計画道路について整備時の課題や廃止候補路線について報告書にとりまとめ庁内での情報共有に努めているという回答でありましたが、今後事業化を進める、廃止対象では無い路線の課題が重用になると考えております。それをより広く共有化するため、議会の建設経済常任委員会や都市計画審議会において説明する考えはないものか伺います。
 
 平成27年度に行った都市計画道路の見直しは、廃止候補路線の選定に重点をおき実施しております。整備時の課題につきましては、事業実施段階で変更の要否を検討することとしておりますので、今後、事業化に際し課題が整理された時点で、建設経済常任委員会や都市計画審議会の場でご説明させていただきたいと考えております。
 
 事業化に先立ちまして課題を広く共有する事で、また広く英知を集めることも可能になると思います。また一方でだいぶ先の話だと状況が変わってくるという事も理解できますので、今後、この認識の共有の手法についてはご検討いただきたいと思います。
 次に、都市計画道路の柔軟な事業化についてですが、道路線形や幅員については、諸条件を考慮し、地元と調整しながら柔軟に対応するという回答でありました。全体事業費の縮減のために見直しを進めていただきたいとは思います。しかし、新火葬場の建設スケジュールが迫る中で、都市計画の変更手続きを待っていては工事が間に合うとは思えません。確認のために伺いますが、現在の都市計画とは違う位置や幅員で整備しても、道路の構造が道路構造令等の基準を満たしていれば道路の完成後で有っても都市計画を変更して都市計画道路として認めることは可能なのでしょうか。
 
 道路の構造が道路構造令等の基準を満たし、安全が確保されていれば、都市計画変更は可能である、と考えております。
 

 都市計画決定の手続を後に回すことが可能だということで理解いたしました。まだ、工事に着手する前なので今であれば机上で検討が可能です。時間が少なくて大変ですが、柔軟な見直しをお願いいたします。
 既存市道の道路等級の問題点については、現状にあった見直しを検討するという回答がありました。私も現状とかけ離れているように考えますので、その作業を見守りたいと思いますが、道路台帳の整理など、作業は膨大になると思います。今後どの様に進めていくお考えでしょうか。
 
 見直しの今後の進め方ですが、現在、市道の総路線数は3,337路線あり、その内、1級が64路線、2級が89路線となっております。見直しには、現況調査、路線の廃止・認定、道路台帳の補正など、相当の期間と予算が必要となりますことから、具体的な進め方につきましては、現時点では、全体の作業内容等を整理したうえで検討してまいりたいと考えております。
 

 なかなか大変な作業になるだろうという事は理解いたしますので、作業の検討をお願いいたします。
 次に、開発行為での道路構造の課題についてですが、袋小路の道路を条例で規制することは難しいとの回答でした。しかし、技術基準を行政指導するような形で解消を図るべきだと思います。コンパクトなまちづくりと宅地開発の制限の中で減らすよう努めていくとのことでしたので、今後の検討を見守りたいと思います。
 中野畑沢線の信号処理の改修についてですが、県警が信号機を改修する予算の確保が難しい状況であるが引き続き改修をお願いするという事でした。ただ問題点として青信号が続くことで事故や違反の発生が危惧されるという事で有りましたが、現状では夜間に交通の少ない交差点で信号無視が多発し、脇道からでは青信号でも安心して出られないような状況にあります。信号機の信頼を取り戻す意味でも適正な信号処理をされるよう、千葉県警に要望を続けて下さい。新宿交差点について伺いますが、現状では右折信号がないため滞留レーンを越えた車が本線まで伸び、直進しようとする車が左折レーンから信号機直前で直進レーンに入るというケースが良く見られます。いつか事故に繋がるのではと心配しておりますが、それを解消するため、現在の左折レーンを直進が可能なように変え、交差点の南側、中央側ですね、そちら側で2車線化を1車線化に絞るような改修工事は検討されないものなのかお伺いします。
 
 市としましては、今年度、現状を把握するための交通量調査を実施いたします。その結果を基に、円滑な車両交通の確保に向け、議員ご提案の手法も踏まえ、千葉県公安委員会や道路管理者である千葉県と協議を進めてまいりたいと考えております。
 
 調査を実施するということなので、その成果を期待いたします。
 次に道路用地の取得手段の改善策についてですが、民間委託を活用するとの事ですが、土木課の中に民間企業の職員を派遣して貰うのか、それとも不動産業のような会社に手数料を払って購入してもらうのか、現在考えている制度をご説明いただきたいと思います。
 
 民間委託の活用の方法でございますが、平成25年度及び26年度に中野畑沢線の桜井工区の墳墓移転において民間委託を行った実績がございます。その時と同様、プロポーザル方式により、用地・補償 業務の経験及び実績が豊富な業者を選定し、権利者との契約に至るまでの、業務を委託する方向で考えております。
 

 単に土木課の人員が増えるという事ではなく、実務的な業務が進むという事ですので、それに期待したいと思います。
 次に、中項目2橋梁の長寿命化計画修正の課題ですが、平成25年度の法改正により点検費用が増加して修繕工事が計画の通りに進められないという回答でございました。平成25年度の長寿命化計画では、平成75年まで49.2億円を投じて予防保全を行うことで約53億円のライフサイクルコストを削減できるとしておりましたが、それがどの様に変わるのかご説明願います。
 
 本計画は、平成75年度までの50年間という長期計画である中で、修繕計画を開始して、わずか4年ということもあり、現時点での縮減額の算定は難しいものと考えております。しかしながら、計画が遅延することにより、老朽化の状況が変化し、計画で想定してない修繕が必要となる場合が考えられますことから、修繕事業費の増大により、ライフサイクルコストの縮減に影響があると考えております。今後、定期点検等の結果、財政状況等を踏まえ、適宜、計画の見直しを行い、ライフサイクルコストの縮減に努めてまいります。
 

 工事書類だけに限らず、統合にあわせて事務の見直しを行い、書類の規個人的には、それほど点検費用が高くなっているのであれば、古い基準で造られた小規模な橋梁は点検などを行わずに、老朽化が進んだ所で新基準のものに架け替えるのも一つの手段ではないかと思います。ご検討いただければと思います。
 別の課題で事業費が上がる要素が既存塗装中の有害物質の存在です。本市では、調査対象の橋梁が31橋有り、7橋を調べたら6橋で有害物質が検出されたという事です。その比率の高さに驚きますが、調査してない橋梁も同じ比率だと仮定いたしますと全体で27橋の対処が必要になります。その処理に関する事業費はどの程度だと想定しているのか伺います。
 
 有害物質の撤去、処理に関しましては、千葉県道路メンテナンス会議等での意見交換や、近隣市町村の動向調査を行い、今後の対応について検討しているところでございます。このようなことから、現時点では、塗装内の有害物の処理にかかる費用の算出が出来る状況ではございませんが、塗膜除去に従事する作業員の安全確保、有害物質の処理費用等、橋梁長寿命化計画の進捗に大きく影響する要因であると考えております。
 

 まだ対応方針が決まっていないと回答ですが、長寿命化の方向性が変わりましたら速やかにご報告をお願いします。
 次に、歴史的価値のある橋梁の保全ですが、打越橋は歩道空間として保全する方針だという回答でしたので安心いたします。ただ、アーチ橋だとこれを知っている人が少ないのは、横からこの橋を見る場所が無いためと、この橋の幅員を広げるため、写真にも有りますように両側に桁を追加してアーチ形式を覆い隠しているためであると思います。単なる保全だけではなく、このアーチ構造が解るように張り出した桁の部分を撤去し、畑沢川へ降りられるような階段を造るなど、この周辺をポケットパーク的に整備して橋を楽しめるようにしては如何でしょうか。
 
 打越橋のある市道136号線は、新火葬場の建設に伴い、周辺市道の整備を行うことが目的であることから、新火葬場の供用開始時期を念頭に置き、利用者の利便性や安全性を優先し整備する必要があると考えております。このようなことから、まずは、歴史的価値のある打越橋の歩行空間としての保全に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 
 当面は保存するだけという状況も理解いたします。ただ、現在、新火葬場の関係で何かとご迷惑をかけている滝沢地区に、将来は記念碑的なものが残るよう、今後の対応をよろしくお願いしたいと思います。
 次に中項目3公園の公園の地域的偏在状況の対策についてですが、今後は公園の充足度の低い地区は「木更津市みどりの基本計画」に基づき新規公園整備を検討してまいりたい、との回答でございましたのでお聞きします。中郷地区では「みどりの基本計画」の中に、農業公園の話がございましたが、中郷中学校の跡地利用に関しては公園的利用も検討されるものなのか、都市整備部の見解を伺います。
 
 市では、現在、中郷中学校の跡地利用につきまして、地域の活性化に繋がる新たな活用を目指し、中郷中学校・清川中学校統合準備会での協議と並行して、民間事業者から意見・提案を求め、民間による活用の可能性調査を実施ししているところでございます。このようなことから、現時点では、公園としての活用は、難しいものと考えております。
 

 中郷中学校跡地は民間活用が前提なので公園的利用が難しい状況にあるということは理解しました。それでは、今議会に工事の請負契約が承認議案が上程されている中郷小学校について、公園との複合利用を考えてみたいと思います。昨年の10月12日に総務常任委員会で視察しました埼玉県吉川市立美南小学校の校舎には公民館・学童保育室・子育て支援センター・高齢者ふれあい広場が併設された複合利用施設とされておりました。地域に開かれた小学校の先駆けとして、中郷小学校でも校庭の一部を常時開放して公園的に利用出来るようにすれば、中郷地区の公園面積が増えるだけでなく、中郷地区の保育園児が小学校の校庭で遊ぶ事で世代を越えた繋がりが可能になるなど相乗的な効果が期待されます。管理上の問題は難しいとは思いますが、そのような先駆的取組を目指す考えは無いのか、教育部にお聞きいたします。
 
 学校施設の複合化につきましては、木更津市公共施設再配置計画におきまして、建替えの際は他用途との複合化を検討することとされております。校庭の一部を常時開放して公園的に利用することにつきましては、不審者対応や教育課程の実施など、学校における管理及び運営上の問題や学校体育施設開放事業との調整が必要となることなどから難しいものと考えております。なお、一時的な利用につきましては、管理方法等、学校との調整が図られるようであれば、利用可能と考えております。
 

 確かに不審者対策など考えねばならない問題は多くあるとは思いますが、教育財産を地域全体で活用できるような検討は進めていっていただきたいものと思います。
 次に岩根地区ですが、廃止された岩根浄水場の用地が水道部の財産として残っておりますが、これを公園として活用すれば、用地の問題も特に生じないと思います。これは公園の検討の対象となるものかお伺いします。
 
 岩根浄水場の用地は、約0.5haあり、位置、面積ともにも街区公園の対象になると考えております。しかしながら、公園として整備するには、残された建物など、施設の撤去が必要になり、その費用が多額になると予想されます。このことから、公園としての活用の可能性については、引き続き、研究してまいりたいと考えております。
 

 先ほども申しましたけれども、一人当たりの公園面積が少ない地区では人口が減少傾向にあります。公園面積だけが要素だとは思いませんが、住環境の改善を図るよう今後の取組に期待いたします。
 太田山公園の遊歩道については整備を検討するという答弁でありました。現在のままでは道が険しく散歩を躊躇うような方々が、気軽に健康増進できる公園に変わる日が近いことを期待したいと思います。
 中項目4の護岸に移ります。高潮被害の状況については了解しました。幸い大きな被害は生じなかったという事ですが、私は先ほども申しましたように海溝型大規模地震で発生する津波の被害発生場所を、今回の高潮被害が明示してくれたのではないかと思っています。その対策を講じるべきだと思って今回の質問をさせていただいています。千葉県と今後の対応を検討するという事ですが、市としてもやれるべき事は多いと思います。特に前の議会でも指摘し、今回被害が発生した久津間の船溜まりについての対応は急を要すると思いますが、経済部の対応についてお伺いしたいと思います。
 
 台風21号の高潮に伴いまして、久津間船溜より海水が流入した状況につきまして、現地を確認いたしました。現地では、河川の護岸と並行して土を堤防状に嵩上げしている部分がございまして、これを土堤防と呼んでおりますが、これが本来、高潮被害を防ぐ機能を担うものでございます。しかしながら、この土堤防の一部分におきまして嵩上げが行なわれておらず、この箇所から海水が流入した状況でございました。この箇所は、船溜及び赤道への進入路部分にあたりまして、漁業者の方だけではなく、一般の住民も利用している道路でございます。現在、応急的に考えられる対応策といたしましては、この箇所を周辺の土堤防と同等の高さまで嵩上げすることでございますが、嵩上げが最も必要な箇所が民地、赤道、市有地にまたがり、複雑な権利関係の整理が必要な状況となっております。現在、関係部署等とも協議中でございますが、今後、こうした整理を進め、対策が実施できますよう努めて参りたいと考えております。
 

 土地の権利関係を整理する必要があることは理解いたしました。ただ、地域からの要望も高い箇所ですので、関係部署との協議を進め速やかな解決をお願いいたします。
 最後に、中項目5の鉄道についての質問に移ります。総武線快速電車停車についてですが、次の計画で仮に位置付けがされなかった場合、その状態でJRと協議が整った時には、速やかに事業化に向けた予算が組めるのでしょうか。
 
 JRとの協議が整った時点で、財政フレームや既定の計画事業との調整を図り、基本計画事業として位置付けた上で、事業を推進することとなります。
 

 どうも位置付けをしていないと迅速な対応が成されないような気がいたします。やはり、木更津市は事業化を進めている姿勢を示すため、また岩根地区での人口流出を抑制するためにも、次期計画で明確な位置付けを行っていただけますよう要望いたします。
 バリアフリー化への取組状況については、平成32年度までにエレベーターの設置を考えているようですが、今後の設計や測量調査、JR・市及び地元住民等による協議会の開催等を考えると整備スケジュールが大変厳しいのではと思います。今年度中に補正予算対応で基本設計を進め、整備の形態だけでも決定すべきと思いますが如何でしょうか。
 
 JRとは、現在、費用負担やスケジュール等の協議を行っており、平成32年度設置に向けまして来年度より測量・基本設計等に取り組んでまいりたいと考えておりのスケジュールで協議を行っております。
 

 来年度からの着手という事でございます。タイトな日程になると思いますので、私も協力を惜しみませんが進捗管理は宜しくお願いいたします。駅のバリアフリー化の手法としては、構内にエレベーターを設置したいとの答弁でございましたが、巌根駅東側の高齢者や障害者のためにも、東西を繋ぐ自由通路へのエレベーターの設置というのも検討すべきと思いますが、その場合にはJRに負担は求めることができるのでしょうか。
 
 巌根駅の人道跨線橋、いわゆる自由通路につきましては、市の施設であることから、JRの費用負担は難しいと考えております。
 

 自由通路が市道に認定されている事は承知しております。ただ、大きな意味での駅のバリアフリーに繋がりますのでそちらの費用をいただくか、それが出来ないので有れば東口を新しく造ってもらうとか、様々なことを粘り強く交渉していただくことをお願いしたいと思います。
 次に、東日本旅客鉄道との協議状況についてですが、本年度2回の協議を行ったとの事でした。駆け引きする要素も多くあると思いますが、もっと相互の情報交換を密にして問題点を共有し、信頼感の有る中で事業を進めて頂きたいと思います。
 バリアフリーと快速停車は別に進めるという回答でしたが、地域住民の多くはバリアフリーよりも快速停車を望んでいる中、バリアフリー工事が終わらないと快速停車に向けた事業が始まらないと思い、快速停車が遠い先の話だと考えた、そう思ってしまった東京方面に通勤する若い世帯が袖ケ浦や長浦の方に転居する状況に拍車が掛かりそうで私は心配しております。改めて確認いたしますが、停車の必要性や、全体の運行計画等の総合的な検討が早期に終了し、快速停車の協議がJRと整い、市の予算措置が可能になった場合はバリアフリー化より大幅に遅れることなく事業が進むものと考えて良いのでしょうか。
 
 巌根駅への快速電車の停車に関しましては、利用者の乗車見込みを含めた諸条件が全て整えば、議員おっしゃるとおり事業化は可能であると考えます。市といたしましては今後、巌根駅利用者の需要動向を見極めながらJRとの協議を進めてまいりたいと考えております。
 

 快速停車はバリアフリー化が終わるまで後回しにされるのではなく、適切な時期に開始されるものと理解し、今後の協議の進捗に期待したいと思います。
 今回は社会資本の諸課題について中項目5点の質問をさせていただきました。将来的に人口減少が避けられない状況の中、都市基盤の整備も疎かには出来ません。安全を確保しながらも事業費の抑制を検討し、将来ビジョンを描く中で必要な投資は積極的に行うことも望まれます。地域からの要望の多くが道路や排水に関するものである様に、社会資本は市民が行政に望む最も身近な存在であります。現在有る物は大切に使い、新しく作る物は賢く建設されるよう、今後もこの課題に取り組まさせていただきますが、12月議会としての一般質問はこれで終了させていただきます。