議場の皆様こんにちは。会派羅針盤の近藤です。県政の立場から支援を頂いている森県議には本日も傍聴に足をお運びいただき誠に有り難うございます。また議場の皆様には質問2日目の最後となりました。大変お疲れの所とは思いますが、今回も細かい資料にお付き合いいただきたいと思います。それでは始めさせて頂きます。
3月に再選が決まりました渡辺市長の2期目の市政が始まる頃、国立社会保障・人口問題研究所より「日本の地域別将来推計人口」が発表されました。そこには木更津市の2045年における人口はピークを越えて減少に向かっているものの、13万5千人を維持し続ける予測となっておりました。これは危機的な人口減少を迎える市町村が多い中で、当面は持続可能な都市運営が可能だと安堵する結果となっています。しかし、そのためには解決を必要とする問題が有ります。それは地域の活力を保ち、発展させるためには、次代を担う若者の育成が必要であり、その前提として子育て世代の転入と定着が求められながらも、一昨年の4月1日に県内でワースト4位、昨年も県下ワースト6位になった待機児童数がネックとなり、子育て世代の転入を抑制するのではないかという懸念です。
そこで大綱1点目「保育事業について」、中項目3点を質問させていただきます。これは一昨年の12月議会での質問の続きになりますが、認定こども園「木更津みらい」と「みやまのさくら保育園」の開設、及び市立祇園保育園の閉園等、保育園を取り巻く環境等が変わりましたので、現状を把握する目的で行います。配布資料の1をご覧下さい。前回の質問でも待機児童が年々増加している事を指摘いたしましたが、平成29年3月では過去最大となる348名の待機児童が発生していました。本年4月には定員90名の新たな保育園が開設されたものの、83名の待機児童が残り、問題が解決されてはおりません。前回も述べましたが、保育園を単なる福祉行政とは考えず、本市の成長戦略上の重要な要素と位置付けるべきであると考え、中項目3点の質問を始めます。
最初に、中項目1点目「待機者の予測」について小項目3点を質問します。待機児童の推移を予測することは、政策判断の重要な要素です。年度当初に83名の児童が待機しておりますが、人口減少社会を迎えていますので、長期的には現在の保育を維持すれば、いずれは解消に向かうことは明らかです。そこで国立社会保障・人口問題研究所が示した人口推計を元に計算しますと2045年までの若年人口は配布資料の2に示すように最大6.4%程度の減少に過ぎません。これは2015年で未就学児童のうち保育園に通っている率の24.8%が26.5%に上昇すると相殺される値です。つまり今後30年程度は待機児童問題と向かい合わねば成らないことを示しており、数年で待機児童の問題が解決することは難しい事が明らかとなりました。
そこで、小項目1点目として、将来的待機者の予測についてお聞きします。配布資料の4に示すように、保育園の定員は新規施設の開園もあり、毎年増加していますが、保育園入園率の上昇で需要が増大し、待機児童が発生している傾向が読みとれます。そこで、保育を必要とする家庭の割合はどの様に推移し、今後の保育の需要と待機児童数の変化はどう成ると予測しているのか、お伺いします。
次に、小項目2点目として、近隣の待機者の予測についてお聞きします。前回の質問でも近隣市では待機児童が格段に少ないことを示しましたが、特に君津市と富津市においては若年層の人口減少が急速に進むことが予測されています。今後は両市とも保育士の数に余裕が生じると推察されますので、保育士の派遣を受ける事も検討すべきと考えます。近隣市の待機児童の状況と今後の予測、及び市の見解をお伺いします。
次に、小項目3点目として、事業所内保育の推進についてお聞きします。待機児童を減らす手法の一つとして、事業所内保育所を推進する事で、行政を通さずに保育需要を満たすことが考えられます。事業所内保育の推進については、どの様に考えているのか、お伺いします。
中項目2点目に「保育士の対策」について小項目3点を質問します。市立保育園では施設に余裕がありながらも保育士不足により定員を少なく設定し、さらにはその定員ですら預かれない状況に有ることを前回の質問で明らかにしました。答弁では任期付職員制度を活用するなど、対策を講じていくとしておりました。しかし、配布資料の3に示すように、待機児童が過去最高となった本年3月1日現在でも、民間保育園の多くは施設定員を上回る子供達を受け入れていたことに対し、やはり市立保育園は、定員まで預かる事が出来ませんでした。これは保育士不足が解決されていない為です。
そこで、小項目1点目として、保育士不足の解決策についてお聞きします。前回の質問で千葉県社会福祉協議会福祉人材センターの活用や、人口が減少している安房郡市等と情報交換を行うことなど、具体的な提案をさせていただきましたが、今でも確保できていない状況を、今後どの様に解決しようと考えているのか、具体策をお聞きします。
次に、小項目2点目として、保育士配置の適正化についてお聞きします。本年3月で祇園保育園が廃園と成り、市立保育園の定員は祇園保育園の定数45が削減されました。しかし祇園保育園に配置されていた保育士が他に転勤したのであれば、市立全体での定員の増加が可能になるはずと思われますが、祇園の定数の45が減少しただけです。また、待機児童の実態が2歳児以下に集中している事を考えると、その年に特化した保育が求められていますが、配布資料の6に示すように、近年開設の民間保育園では、1,2歳を多く受け入れている事に対し鎌足保育園では2歳児を1人受け入れただけという状況です。これでは、保育士を適正に配置しているとは思えません。祇園保育園を閉園しながら保育の増加に繋がらなかった理由と、保育士の適性配置についての考えについて、ご見解を伺います。
次に、小項目3点目として、緊急的な保育士確保についてお聞きします。本年3月に最大となった待機児童の348人を解消するため必要な保育士の数を試算しますと、配布資料の5に示すように83人と成りました。年度当初の待機児童83人を対象に計算すると15人の保育士が必要です。私は少なくとも、この15人は確保すべきと思います。職員としての採用が叶うまでの緊急的な対策として、人材派遣会社から保育士の派遣を受けるような対策は検討されているのか、伺います。
中項目3点目に「民営化の状況」について小項目2点を質問します。民間保育園は待機児童数の抑制に貢献しておりますが、市立保育園は大きな施設を非効率に使っていると、前回も示しましたが、配布資料の4に示すように、差は更に広がっております。民間保育園は待機児童の抑制に貢献するだけでなく、一時保育や休日保育、病後児保育等の特色有る保育を行うものが有り、多くが市立保育園より遅くまで子供を預かるなど、保護者の需要を満たしております。また、今回は決算前なので資料を作成いたしませんでしたが、園児1人あたりの一般会計予算の支出額は市立より民間が少ない事は過去の議会で示した通りです。従って、保育園の民営化は職員や児童には環境変化を伴うものの、理にかなったものであると私は考えます。今後も三井アウトレットパークの増床など雇用が拡大し、女性の社会進出が進むなかでは待機児童問題の解決のためにも早めの民営化と、多くの民営化が必要と考えます。
そこで、小項目1点目として、保育園民営化の現状についてお聞きします。3月26日の教育民生常任委員会協議会で示された市立保育園の民営化の進捗状況によると、鎌足と吾妻は平成32年度か平成33年度当初に、中郷と久津間は平成34年度当初から民営化を開始するとありました。しかし祇園保育園が保護者の理解を得て当初計画より1年前倒しで中郷保育園への統合が行えたように、理解を得る努力を行い一年でも早い民営化を目指すべきだと考えます。協議会で示された行程を前倒しにすることは可能なのか、現状と課題についてお示し下さい。
次に、小項目2点目として、保育園民営化の拡大についてお聞きいたします。民営化の具体的な計画のなかには桜井、わかば、請西が含まれておりません。公共施設再配置計画の中では将来的にも市立保育園として維持すべき保育園は、指定管理制度を採用している請西保育園だけとしております。先ほども述べましたように待機児童問題は今後27年以上続くと想定される中で、桜井とわかばについても早期の民営化を検討すべきだと考えますが、民営化対象園の拡大についてはどの様にお考えなのか伺います。
次に、大綱2点目「観光事業について」中項目2点を質問します。3月議会の代表質問で「観光行政の具体案と展開」についてお聞きしましたが、その答弁で、観光協会をDMOとして本市の観光実態や市場の調査を行ない、観光事業者と市民を結びつけ、事業の企画・運営で観光振興や地域の活性化に結び付けていくと有りました。そのため専門人材を雇用し、着地型観光プログラム等を作成し、市の事業であった映像支援事業を実施して手数料等を収益事業として展開し、インバウンド事業や観光プロモーションもDMOに担っていただくと答弁が有りましたが、今年度になり新規採用と映像支援斑の移設で人的な体勢は整いつつあるものと思います。
そこで、中項目1点目「DMOの課題」について小項目3点を質問させていただきます。
始めに、小項目1点目として、DMOの愛称の策定についてお聞きします。多くの市民や関係者の認識を高めるとともに、今までの観光協会とは違う事業展開をすると姿勢を示すためにも、解りやすい新名称が求められるのではと思います。愛称の策定について、どの様にお考えなのか伺います。
次に、小項目2点目として、対象者の選定と対応についてお聞きします。本市に呼び込むべき対象者として、首都圏近郊に居住する日帰り客を設定していると過去に聞きましたが、それは三井アウトレットパーク木更津等に来ている既存の観光客の様なもので、個人でネット等を通じて情報を得て行動している方が多く、DMOの事業を必要としない方が多いのでは、と私は思います。その様な方々に着地型観光プログラムが魅力的なのかは疑問です。交通の不便な飛騨市でも欧米の旅行客を対象に里山サイクリングを展開して人気を高めているように、地域への経済効果が高いのは滞在時間の長い個人旅行者で、特に本市と繋がりを深めている、経済発展の著しいアジアの諸都市を通じた情報発信を強化することは、その国に対するアピール効果が高くなるのではと私は思います。新たな組織となったDMOがプロモーションの対象者として、何を選定し、どの様な対応を検討しようとしているのか、お伺いします。
最後に、小項目3点目として、事業の具体化と評価についてお聞きします。専門人材が配置されたことで斬新な企画を立案して事業を具体化する事は期待されますが、その専門性に片寄った企画が多くなり、ニーズとのギャップが生じる可能性も危惧されます。新しい事業を企画や実施後に評価する体制が必要だと考えますが、その体制を作ったために素早い対応が出来なくなるようでは本来の目的を叶えることが難しくなります。新しい発想のヒントとして「らず-Biz」の活用など、外部との提携も行うべきと考えます。今後の事業の具体化や、評価の方法について、どうすべきと考えているのか、お伺いします。
次に、中項目2点目「行政との関係」について小項目2点を質問させていただきます。
まず、小項目1点目として、組織の独立性と採算についてお聞きします。観光のカリスマと言われ2010年に総務省「地域力創造アドバイザー」を務められた和歌山大学客員教授の山田桂一郎氏は、観光協会は行政の補助が多く、補助対象の事業を造ることに傾注し、本来の地域力を高める事を目指さない事が多いと指摘しております。本市のDMOが直ぐに黒字化することが難しい事は理解しますが、行政の都合で事業を行うのではなく、行政から独立して観光を通じた地域の活性化を進めるべきだと思います。そのためには、市が決めた補助金のメニューを実施するのではなく、例えば本来は観光目的税である入湯税を全てDMOの運営費に回して、その代わりに補助事業を減らすよう、可能な限り自主財源での事業を展開できる事が理想と考えます。市はDMOとどの様に関与し、DMOはどの様な独自事業を展開して採算を確保しようとしているのか、お伺いします。
次に、小項目2点目として、事業の拡大と活性化についてお聞きします。DMOの事業として着地型観光プログラムが挙げられていますが、現在行政が関与している港まつりやうみ祭り、木更津バルといったイベントもDMOに移管し、地域の飲食店やホテル等の協力を得ながら、収益事業として展開する事も検討すべきと考えます。特に木更津バルについては、配布資料の7に示すように、近年は販売枚数が低下気味です。これに関する分析は致しませんが、DMOが主導して飲食店の顧客拡大も図れる様な立ち振る舞いが望まれます。また、市内のイベントの多くは継続が困難に成っているものも多く、中には太田山の桜を愛でる金鈴祭りのように、惜しまれつつも中止したものも有ります。また現在でも絶景を見るために観光客が訪れている江川海岸は駐車場や公衆便所を開放しておらず、漁業組合からは責任をもって運営する団体があれば任せたいという声も聴かれます。この様に多くの人が望む観光資源の管理運営へも事業範囲の拡大が望まれます。また、現在観光とは関係ない産業でも、特産品の開発を進める取り組みも考えられますし、海苔やアサリの不漁が続く漁業でも、潮干狩りやスダテの他に新たな観光開発を行い、収入を増やすような取り組みが求められてくるものと考えます。この様に将来的には観光を軸とした地域全体の活性化も期待されますが、今後の取り組みについてどの様に考えているのか、お伺いします。
以上で第一質問を終了いたします。
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