議場の皆様こんにちは。会派羅針盤の近藤です。通告に従い大綱2点について質問いたします。
最初に大綱1「債権管理の一元化について」質問いたします。このことについては9月定例会で開催された決算審査特別委員会でも質問いたしましたが、我が会派の3人の新人議員が『何を質問しているのだかよく解らない』と言われておりましたので、それを解りやすくして課題を整理するため、改めて一般質問でも取り上げさせていただきます。
最初に中項目1点目として「現在の債権処理」について質問いたします。令和4年決算における木更津市の市税収納率は現年と滞納繰越を合わせ95.5%で県平均の97.4%に1.9ポイントの差をつけられ県下37市中の23位、同じく国保税は73.3%で県平均より4.3ポイント低く26位であったことが決算審査資料に示されております。この値は決して満足のいくものではありませんが平成27年度決算では市税が88.2%、国保税が54.9%で県下最低レベルであったことを考えると、大きく改善が進んできたことは評価されます。これは平成25年に収税対策室を設置し、平成27年度から副市長を本部長とする対策体制が機能してきたものと思います。一方で配布資料1に示すように、使用料や手数料の未収金は依然として多く、歳入確保と負担の公平性の観点から取り組みが求められております。
そこで、小項目1点目として収税対策室の評価についてお聞きいたします。私が議員となった平成19年頃には市税も含め未収金が年々増加している状況であり、債権の回収を学びたく平成22年5月に船橋市役所を訪れ債権一元化を視察して参りました。それを受け平成22年6月と平成25年6月議会で債権一元化に対する質問を行いましたが、執行部はまず、市税と国保税という収税の一元化から始めたいというので経過を見守ることにしました。収税対策室が置かれて10年が経過しましたが、現在の評価についてご報告願います。
次に、小項目2点目として各課での回収状況についてお聞きいたします。債権の回収業務が一元化されていないことによる事務量の概要を知りたいと思いますので、令和4年度における市税・国保税を除く主な債権における世帯別での滞納額の最も大きな金額、滞納繰越対象世帯数、督促件数・臨戸訪問回数・裁判等の法的対応件数をご報告願います。
次に、中項目2点目として「一元化の諸課題」について質問いたします。債権の所管が個別の課に分かれている場合、複数の負債を抱える債権者の元に多くの職員が重複して訪問するといった無駄が生じるだけでなく、債権者も入れ代わり立ち代わりで訪れる市職員への対応に不満やストレスを感じているように聞こえております。また債権の中には法律で規定され税金と同様に差し押さえが可能な保育料や介護保険料といった強制徴収権公債権と、法律に規定がないため支払い督促や裁判等で回収せねばならない放課後児童育成料やし尿処理手数料といった非強制徴収公債権があり、市と個人の合意の元に発生する霊園使用料や学校給食費といった徴収権のない私債権も存在するなど複雑にわたっています。法務に長けた職員が潤沢に存在しない現状では専門家に集約すべきだと思います。要するに、一元化により行政事務も効率的になると想定されるのです。
そこで最初に、小項目1点目として一元化による課題についてお聞きいたします。先ほどの質問でも触れましたが、収税対策室が置かれて10年が経過しながら、多くの市が取り組み始めた債権一元化に至らなかったことは何らかの課題があるものと推察します。決算審査では使用料や手数料の会計システムが統一されていないため、同じ名前の債権者が同一の人物であるかを判断する「名寄せ」のシステムが高額になり、基幹系システムの移行の際に対応することを検討している旨の答弁がありました。他にも組織体制や人員等、多くの解決すべき事象が推察されます。債権一元化による課題について、執行部はどの様に把握しているのか、ご説明下さい。
次に小項目2点目としてシステムの再構築についてお聞きいたします。先ほど申しましたが基幹系システムが国の指導でクラウドに移行することに併せて債権を一元化できるシステム構築を図ることを目指しているようです。基幹系システムは全国一律になると聞きますが、債権一元化のシステムを上乗せすることに問題はないのでしょうか。また、問題がないのであれば債権の問題は全国的な課題だと思いますので「名寄せ」のシステムを含め、必要なソフトを国において取り揃えていただくよう要望しては如何でしょうか。私は戸籍などの基本的な情報と債権の情報が結びつくことに伴う個人情報保護の観点等で制度や法令の改正なども必要になると推察します。システムの再構築にあたり市だけでは対応が難しいような問題は想定されないのか見解を伺います。
次に大綱2「江川運動場の総括について」質問いたします。本年8月20日の江川サッカー場のオープニングをもって江川運動場の拡張事業は基本的に終了となりました。切りの良いところでありますので、事業の総括を行いたく質問させていただきます。
最初に、中項目1点目として「拡張事業の総括」について質問いたします。旧江川総合運動場は木更津飛行場による航空法の制限と航空機の離着陸に伴う騒音対策で従来の江川や久津間の住民が生活していた敷地や水田など約33[ha]を防衛省が購入した土地の、その1割に当たる3.3[ha]の公園として昭和55年から57年にかけて整備が行われました。それ以外の29.7[ha]については国により毎年の草刈り等の維持管理が行われてきましたが、毎年2千万円を超える維持管理費の削減と、基地周辺の民生安定を目的に当時使用していない範囲において野球場やサッカー場、更には芝生広場や駐車場やトイレなど、防衛省が整備して木更津市に移管する構想が示されたのは平成18年頃だと聞いております。その頃の木更津市はアドバンスプランの元で歳出削減に邁進していたころで維持管理費を伴う施設の移管には当初難色を示していたと記憶していますが、その後は議会の基地対策特別委員会が牽引する形で事業が進んできました。委員会では平成20年に鹿児島県鹿屋基地周辺を、平成22年には神奈川県厚木基地周辺の整備状況を視察し安全面や運営面で問題がないことを確認し、木更津市単独では整備できない内容なので積極的に取り組むことといたしました。平成21年には防衛省が財務省に予算要求するための資料を作成するなど順調に話が進むと思われていたところ、民主党への政権交代によって話が変わり、市の負担額が急激に増加することや施設規模が縮小されるなどの変更があったものの関係者の粘り強い取り組みで約15年の歳月をかけて完成いたしました。この様に感謝して当然の施設に対し、危険だダメだと蔑視的に表現する方もおられますが、表現の自由は保障しますが、その気持ちは私には理解できません。この様な経緯で完成を迎えた江川運動に対し何点か確認させていただきます。
最初に、小項目1点目として基地周辺への配置についてお聞きいたします。基地周辺への配置について特段の問題が無いのか確認すべく、特別委員会では鹿屋と厚木を視察してきましたが、他にも自衛隊基地の周辺で公園や運動施設として利用されている場所はどの程度存在しているのか伺います。
次に小項目2点目として単独事業の可能性についてお聞きいたします。江川運動場の拡張事業は市が防衛省の交付金等の補助を受けて事業を進めてきた以外に防衛省も直接工事として基盤整備などを行っております。その額は配布資料2に示すように9億58百万円であり補助金や交付金と併せると21億24百万円に達します。発注ベースでは市が64.8%となりますが、負担ベースでは防衛省が78.1%を占めるように市の財政には極めて有利な条件で整備が行われてまいりました。仮に飛行場の隣接地以外で市が単独事業として運動場の整備を進める場合、用地取得も別途必要ですが用地が確保されても27億2千万円となる事業費の工面は難しいことは容易に想像できます。確認のため質問させていただきますが、防衛補助を使用せず市の単独事業として運動場を整備する場合、国や県からの補助メニューはどの程度期待できるものなのかご説明下さい。
最後に小項目3点目として周辺国有地の活用についてお聞きいたします。運動場周辺の国有地はかつて江川や久津間の住民が住んでいた土地であり、ベトナム戦争に出撃する米軍戦闘機等の騒音などの被害を解決すべく、移転に応じた土地で有ります。今回の運動場建設を受けて、昔住んでいた土地が立派に活用されたと喜んでいる住民が大多数であります。その一方で市が都市公園として告示した土地の面積は配布資料3に示すように、旧江川との合計でも20.13haに過ぎず、江川周辺国有地の33haに対し13haが残っていると思われます。久津間地区では飛行場周辺まちづくり基本計画で防災を兼ねた築山やグランピング施設に利用する構想が上がっていますが、それ以外の場所は活用する計画なのか、ご説明下さい。
次に、中項目2点目として「今後の維持管理」について質問いたします。運動場の拡張事業は終了しましたが、今後は平成18年頃に心配していた維持管理が始まります。日常管理は指定管理に任せていますが長期的には大規模改修が必要になる時も訪れ大きな事業費が必要になる局面も予想されます。また今回の事業終了後にテニスコートとの間に駐車場整備が行われましたが、それ以外にも施設の見直しが求められる点が幾つか有ります。その様な観点で幾つか確認させていただきます。
最初に小項目1点目として関係諸団体の協力についてお聞きいたします。先ほど説明いたしましたが維持管理費を削減するため日常の管理については市の野球連盟やサッカー協会がお手伝いするという約束の元で事業が始められたように記憶しております。その後の関係団体との協力体制についてご説明下さい。
次に小項目2点目として維持管理費の展望についてお聞きいたします。国際規格を備えた陸上競技場、フルカラーの掲示板を備えた野球場、人工芝のサッカー場と素晴らしい施設が揃いましたが、今後の長期的な維持管理費についての展望はどの様になっているのかご報告願います。
最後に小項目3点目として施設の改修再整備についてお聞きいたします。サッカー場の開設を持って拡張事業は終了したという位置付けになっており、今12月議会に上程された補正予算でも2546万円が減額となりましたが、平成25年度に拡張工事が成された第二野球場南側の砕石敷き駐車場の舗装工事、両翼の長さが極端に違う第二野球場の再整備、少年野球に使うには狭い多目的広場の拡張、正面の駐車場が満車であったときに他の駐車場に移動する導線の整備など、利便性向上のために取り組むべきと思われる点は残っております。今後の改修再整備についての見解を伺います。
以上で第一質問を終了いたします。
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