災害対策について (令和8年3月定例議会)
 議場の皆様こんにちは。会派羅針盤の近藤です。通告に従い大綱1点の質問を行います。昨年7月30日にカムチャツカ半島沖でマグニチュード8.8の巨大地震が発生し津波警報が発令されました。これは20世紀以降で6番目に大きなエネルギーの地震でしたが我が国では大きな被害は生じませんでした。12月8日に青森県東方沖で発生したマグニチュード7.5の地震では十勝沖などを震源とした大規模地震の前震である可能性が想定され「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されましたが本震は発生しませんでした。幸運が続いたと安心しておりますが、危険な状況に在ることを意識し、学び続けねばと考えております。そこで能登半島地震から約2年となる昨年の11月4日から6日まで全国災害ボランティア議員連盟の研修が能登で開催されましたので参加し、避難所運営者や病院の事務局長などから話を聞いてまいりました。議員連盟と研修の概要については配布資料1に示す通りです。12月議会の一般質問で重城議員が「支援の先頭に立つべき行政が規則の不備で後手に回る」と発言されたことに触発され、能登の災害の一部でも知った議員の責務として、能登で教えて頂いたことを所管課に伝えるだけではなく市全体の課題と議場の共通認識に変え「後手に回る」ことを防止せねばと思い、質問を始めます。
 大綱1「災害対策について」質問いたします。災害対策としては災害用品の備蓄、地震や水害でインフラが破壊されないような強靭化対策、大規模火災に対応できる消防体制や消防設備の充実など、様々な状況を予想して対策を講じることが重要ですが、今回は一般避難所・福祉避難所・市役所の対応に焦点を当てて質問いたします。
 最初に中項目1「一般避難所の課題」について質問いたします。輪島市門前地区の浦上公民館の館長であり避難所の責任者を務めた方から話を聞きました。最大180人が避難した浦上公民館は「あすなろ交流館」とも呼ばれる地域の交流拠点であり、館長は26の集落に約4百人が住む地区の区長会長でもありました。令和6年能登地震では、半壊以上が大多数で公民館に収容しきれず、車中泊以外にビニールハウスなどで過ごす者や焚火を囲んで徹夜したものもいたと聞きました。食料の支援は3日目から届き始めたようですが支援物資の移動などで市役所と自衛隊などの指示が異なり現場は混乱していたようです。避難所の中でもいびきや咳、夜中の大声、異臭、お漏らしなど多くの問題が発生したものの婦人会や消防団など既存の組織を各担当に指名して住民の総力で対応できたのは住民同士の付き合いが日頃から重ねられていた地域であるからで、都市化した避難所では問題が解決されず住民間のいさかいが続くように感じて心配になりました。せめて避難所運営の負担を減らさねばと思います。
 そこで最初に小項目1「救援物資の権限」についてお聞きします。過剰に届く物資を他の避難所に移そうとしても市の災害対策本部と物資を提供した国とで意見が異なり現場では判断ができなかったようですが、そもそも避難所に搬入された物資の権限はどこにあるのか伺います。
 次に小項目2「避難所運営資金」についてお聞きします。援助物資が届くまでの間では避難所の代表者が必要な緊急物資を商店等から購入するなど、運営資金が必要になり、緊急のことで領収書の発行もできなかったと聞きましたが、本市ではそのような想定をされた対策を講じているのか伺います。
 次に小項目3「調査書類の対応」についてお聞きします。避難している住民の対応だけでも大変な中で避難所管理者が苦悩したものが市役所から次々と届く調査書類の対応だったと聞きました。数日が経過し他県から援助の職員が避難所に入るまで睡眠時間を削って対応したとのことです。情報を把握する必要性は認めますが初期の負荷を減らすようにマニュアルを整備されているのか伺います。
 最後に小項目4「連絡系統の統一」についてお聞きします。避難所が開設されると市役所の各組織から多くの連絡や指示が届き始めますが、その中には矛盾する情報もあると聞きます。マスコミの取材を受ける判断も市役所の指示を仰がなければならず情報が錯綜して大変だったようです。特に災害後には現場の混乱を防ぐため連絡系統を統一すべきと思いますが対処はどうかんがえているのか伺います。
 次に中項目2「福祉避難所の準備」について質問いたします。輪島市役所では地震発生時には輪島病院の事務局長であり現在では健康福祉部長を務める職員より話を聞きました。地震で検査や手術の機械は損傷しインフラが途絶え災害拠点病院の機能を失い業務継続計画が機能しなかったことや復旧に向けた対応も大変参考になる話ではありましたが、それは君津中央病院企業団での対応でありますので、質問時間を有効に使うため割愛いたします。福祉避難所について示唆を受けてきたことを質問いたします。福祉避難所の法的位置付けは要配慮者への対応が出来る空間として一般避難所の延長線上にあり、運営費用は災害救助法の範疇で国の支援が得られます。一方、要介護認定を受けた人は福祉避難所では受け入れられず介護保険施設に避難する前提で避難計画を立案し訓練を重ねることの重要性と、災害救助法の適用外に成ることの事前対応が必要であることを伝えていただきました。本市でも避難計画は作ってはおりますが、訓練を重ね準備が出来ているかという点で課題を感じております。
 そこで最初に小項目1「要支援者の対応」についてお聞きします。福祉避難所は配慮を必要とする人が避難するところで、災害救助法の範疇となり無償ですが要介護の方を受け入れることは原則的に難しく、介護施設が介護保険法の範疇で対応することとなり避難にかかる費用は有償となります。在宅介護の方が家屋の損傷で施設に入った場合の負担を軽減するため、事前に条例や規定などを定めておく必要があると思いますが、本市での現在の対応及び今後の方針はどうか伺います。
 次に小項目2「事前の避難訓練」についてお聞きします。発達障害や知的障害の方が経験のない福祉避難所に入ったときには災害の恐怖も残る中でパニックを引き起こしてしまい避難所の運営の妨げとなった事例があると聞きました。事前に避難訓練を通じて何かあったときにはここに来るのだよ、と経験させて安心させることが重要と指摘を受けましたが本市での対応はどうなのか伺います。
 次に小項目3「要支援者の訓練」についてお聞きします。要支援計画の策定で重要なことは誰が支援するかを決めるのではなく支援される者が誰と避難したいのかという要望を丁寧に取り入れることが災害時に意味を持つと聞きました。更に要支援者と支援者が一緒に避難する訓練を行うことが重要であると指摘されましたが、本市で訓練の実績はどの程度積まれているのか伺います。
 最後に小項目4「避難所の支援策」についてお聞きします。一般避難所以上に福祉避難所には災害時の調査等の事務が多くなり、人手が足りなくなって次の災害時には受け入れたくないと答える施設が多かったと聞きました。対応として速やかに市から事務職員を派遣して支援することが重要となりますが検討されているのか伺います。
 最後に中項目3「市役所の災害対応」について質問いたします。輪島市は珠洲市・能登町・穴水町と奥能登広域事務組合を設けて、事務組合に危機管理官を配置した体制を取っています。個々の自治体は人口規模も小さいため職員数も少なく本市との体制の差は存在しますが共通すべき課題もありましたので確認させていただきます。
 最初に小項目1「受援体制の強化」についてお聞きします。大規模災害の発生直後には市の職員だけで対応を余儀なくされますが、数日後には全国から応援がやって来ます。そのため災害対策本部に受援者をどの様に入れるか事前に想定しておくことが必要で、特に支援協定を結ぶ自治体とは合同で訓練を行うことにより人事面での交流を深めておくことが重要です。木更津市では神奈川県綾瀬市及び群馬県太田市と協定を締結しておりますが、合同訓練を企画したことが有るのか伺います。
 次に小項目2「申請書類の改善」についてお聞きします。能登の災害時に被災家屋の除却が遅れた理由の一つとして申請書類が高齢者には難しくて提出が進まなかったためと聞きました。発災時には職員が丁寧に対応する余裕も無くなりますので事前に申請事務をシステム化して簡易にするような改善を図るべきであったと教訓を聞いて参りましたが本市での災害時に必要となる各種書類への対応を伺います。
 最後に小項目3「少人数での対応」についてお聞きします。年間の平日の日数は約240日で、そのうち約8時間が昼の勤務時間であることを考えますと人員がそろっている時間は年間約1920時間で、約82%は職員が揃っていない時間となります。現に能登半島地震は元日に発生しましたが、近年の大きな地震災害の事例も配布資料2に示すように自治体に職員が居る時間に発生した地震事例は14回中3回だけです。交通が遮断され職員が参集できない事態を想定した計画と訓練が必要だと思いますが本市の対処方針を伺います。
 さて、自治体を回り花粉を持ち帰り地元に良い花を咲かせることが議員の役割であり知識という蜜を貯めるだけでは意味が無いと、行政視察の意味をミツバチに例えた先輩議員が在りました。私もそれには同感であり、具体的に行動で示すため、研修してきた事を質問にまとめました。執行部の端的な答弁を求め、以上で第一質問を終了いたします。
 
  
 市当局の回答
 ※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
 
<植野総務部長>
 私からは大綱1「災害対策について」中項目1「一般避難所の課題」についてお答えいたします。
 はじめに「救援物資の権限」についてでございますが、災害が発生した際は国から救援物資が提供されることが予想されます。これらの救援物資は市の災害対策本部が一元的に管理し、最終的には避難者が主体となって組織される避難所運営委員会へ引き渡しを行い避難所にて管理されるものでございます。
 次に「避難所運営資金」についてでございますが、救援物資が届くまでの間、緊急的に物資調達が必要となることは十分に想定されます。市では避難所運営資金はお渡ししておりませんが、救援物資が届くまでの間、地域内で生活できるよう、あらかじめ各地区に物資を分散して備蓄するとともに、地域において災害時に必要となるものの需要を伺い、資機材を購入、交付し、地域で保管していただいております。また、市民活動支援課からまちづくり協議会に対して交付している補助金により、各地区の需要に合わせ、災害への備えも進めていただいております。今後とも、緊急時に必要な物資が不足することのないよう地域の需要をお伺いしながら配備に努めてまいります。
 次に「調査書類の対応」についてでございますが、平時から避難所を運営する地域住民が主体となって避難所運営マニュアルを作成し、事前に発災時にどのような調査が行われるのか把握し、役割分担や各種書式を整理しております。
 次に「連絡系統の統一」についてでございますが、災害時において連絡や指示が錯綜することは現場の混乱を招く大きな要因となります。本市では避難所対応に関する連絡窓口を災害対策本部に一元化することを基本とし、情報伝達の整理・統一を図っております。また、報道対応についても、窓口を災害対策本部に一元化することにより現場の負担軽減に努めております。
 続きまして中項目2「福祉避難所の準備」についてお答えいたします。
 「事前の避難訓練」についてでございますが、福祉避難所を円滑に運営するために、発達障害や知的障害の方が事前に避難所を体験し、安心感を持っていただくことは重要であると考えております。今後は、関係機関や福祉避難所の管理者と連携し、安心して避難できるよう事前に避難所の中を確認していただくなど、検討を進めてまいります。
 次に「要支援者の訓練」についてでございますが、本市におきましては、現時点で訓練の実績はございませんが、関係部署と連携し、医療的ケアが必要な児童の避難訓練を行いたいと考えており、個別避難計画の活用と併せまして、より実践的な訓練の実施に努めてまいります。
 次に「避難所の支援策」についてでございますが、災害時、市は協定に基づき必要な情報の提供、物資の調達、災害ボランティア等をはじめとした運営を支援する人材の確保及びその他運営に関し必要な協力を行うものとしております。
 続きまして中項目3「市役所の災害対応」についてお答えいたします。
 はじめに「受援体制の強化」についてでございますが、本市が協定を締結している自治体との合同訓練は実施できておりませんが、災害発生時には連絡を取りあうなどしておりますことから、今後、お互いの防災訓練に参加するなどの人事交流についても検討してまいります。
 次に「申請書類の改善」についてでございますが、被災後の各種申請手続きは市民の方に取りまして大きな負担となることが想定されます。本市ではマイナンバーカードを活用した各種オンライン申請サービスのうち、まずは利用頻度が高い罹災証明書の申請について導入を考えており、現在書式の変更や関連法規の確認などを行っているところでございます。今後は被災者支援制度の罹災証明書以外での利用について関係部署と協議してまいります。
 次に「少人数での対応」についてでございますが、災害は職員が十分に参集できない時間帯に発生する可能性があり、実際に令和6年能登半島地震の際は、職員の参集に時間を要したことから初動対応の遅れを招いたと伺っております。本市では災害情報の共有システムや災害対応工程管理システムの導入により、災害対策本部機能の強化や災害種別に応じた避難所開設訓練の実施の他、職員参集メールの訓練など初動対応能力の向上を図っているところでございますが、少人数でもできること、やるべきことの優先順位を決めておくことで、少人数でも初動対応が可能となるよう業務継続性の向上を図ってまいります。
 私からは、以上でございます。
 
<阿津福祉部長>
 私からは大綱1中項目2についてお答えいたします。「要支援者の対応」についてでございますが、在宅において介護サービスを利用されている被保険者が災害等により家屋が損傷し、介護施設へ入所することとなった場合、これまで介護保険法第50条又は第60条の規定に基づき国からの通知により「減額」又は「免除」の措置を講じておりました。また木更津市介護保険条例施行規則第16条において利用者負担額の減額等の申請に関する規定を定めているところでございますが「減額」又は「免除」に係る割合が定められておりません。このようなことから公平・公正な判断が難しいことや、時間を要することが想定されますことから、迅速な対応や事務負担の軽減を図るため負担割合等に係る規定の整備を進めてまいります。
 私からは、以上でございます。
  
 
一問一答
 ※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
 
 では再質問を始めます。「救援物資の権限」では救援物資は市の災害対策本部で一元的に管理し、避難所運営委員会へ引き渡すという答弁が有りました。混乱の原因は「引き渡し」をした救援物資は一元管理の対象としてより緊急度の高い場所への異動の可能性を持たせるのか、一元管理から離されて、避難所運営委員会に任せるのかが明確でないことだと理解しております。本市では如何でしょうか。
 
 緊急性の高い避難所を把握し、それを踏まえて分配いたしますので災害対策本部から各避難所等へお渡ししたものについては、避難所運営委員会で権限を持って管理を行っていただきます。
 
 更により緊急度の高い場所への移動を前提として災害対策本部が管理するという形も理想的ではありますが能登では損壊を免れた家屋に身を寄せる避難者へ、公民館間の避難所の物資を届けることに異議が出されたり、自衛隊が届けた支援物資を輪島市の災害対策本部が他に回そうとしてストップがかかるなど混乱が生じていたようです。先ほど答弁が有りましたように避難所運営員会への権限移譲は徹底していただきたいと思います。災害で混乱している避難者が避難所運営をスムーズに実施できるためのマニュアルとして「ファーストミッションボックス」の整備を進めていると思いますが、これは全ての避難所に設置済みなのでしょうか。現在想定している避難所数と配置済みの施設数をお答えください。
 
 ファーストミッションボックスにつきましては、全ての指定避難所への設置に向け順次整備を進めております。現在は、54の指定避難所のうち、49か所への設置が完了しております。
 

 指定している54個所の避難所のうち49個所で設置済みということなので大分進んでいると理解はいたしますが、一方で市の想定していない集会所やお寺、能登ではビニールハウスまで臨時の避難所になったとう事例もありますので拠点となる避難所が周辺に設置された臨時的な避難所を支援する体制も検討すべきと思いますが、その点は如何でしょうか。
 
 臨時的な避難所をはじめ、支援を必要とする方へ支援が届くよう、今後、運用面を含め検討してまいります。
 

 緊急的に設置された臨時の避難所というのはなかなか想定できない事態であり、当然そのような訓練もされていないと思います。避難者運営員会がどの程度支援に回れるか、市が運営面を含め検討したとしても住民がどこまで対応できるのか、大変難しい状況だと思いますので、いずれにしろ今後の検討結果の住民との共有に期待いたします。
 「避難所運営資金」は渡してはいないが必要な物資を想定して事前に購入をしていただくという答弁ではありました。現金を渡すと、確かに管理を誰が行うのか、その盗難防止対策をどうするかなど難しい課題が想定されるのでその大変さは解ります。しかしながら避難所に収容しきれなかった人を近くにあるビニールハウスに入れたので補強用の資材が必要となった等、災害時には想定できない事態が多数発生するようです。そこで提案ですが協力して頂ける店舗には事前に市が用意した災害用小切手のようなもので商品を入手できるように協定を整え、その消費に伴う清算行為は後日に行政が行うような制度を構築するようなことは如何でしょうか。
 
 本市におきましては、日頃から物資の確保に努めているところでございますが、避難所で不足する物資の調達につきましては災害協定の締結の充実に努めていくとともに、他自治体の事例等研究してまいります。
 
 災害協定の締結等を進め、災害が生じる前に出来る限りの想定を進めて頂くよう、宜しくお願いいたします。
 「調査書類の対応」では事前に調査項目を把握し役割分担や各種書式を整理しているという回答が有りました。重要なことだと思いますが、より簡素化が進むように電子化も進めて、避難所の名称や担当者などをその度に入力しなくて済むシステムを造り、避難者の携帯電話やタブレットで回答できるようにすれば省力化が図れると思いますが如何でしょうか。
 
 ご提案の電子化や入力負担の軽減、携帯端末等の活用は有効な手法の一つと考えております。通信環境や運用面など実現可能性を含め今後研究してまいります。
 

 宜しくお願いします。「連絡状況の統一」では窓口を災害対策本部に一本化するという答弁でした。これは当然の対応ですが、災害時には国や県からの個別調査事項などが入り、それを災害対策本部に通さず避難所に直接連絡が入る事例が多かったと聞きました。災害対策本部も当然手が回らない状態で、事務処理が遅れる中での緊急対応だったと理解はできますが、本市でも54個所を超える避難所を一手に対応する具体的な手段は考えられておりますか。
 
 避難所対応につきましては、災害時の状況に応じて適切に対応することとしております。発災時には職員が情報共有できる災害情報共有システムを使用して対応したいと考えております。
 

 災害情報共有システムを使用しての対応ということですが避難所の連絡が遅くなることで、なかなか返事が返ってこないと焦った所管部局が勝手に動くといった事態が生じないように事前にその周知を徹底していただきたいと思います。続いて中項目2「福祉避難所の準備」について質問いたします。
 「要支援者の対応」では既に減免の規定が施行規則にあり、今後は負担割合等に係る規定を整備するという答弁でしたが申請するという手続きが残る場合、必要な被保険者証を災害時に持ち出せない場合も想定されますし、市としても申請書に記載を求めて提出させ、事務処理を進めるという作業を、ことによっては被災している可能性のある市役所で行うことよりも、災害時には申請がなくとも自動的に免除する規定を設けたほうが良いように思いますが如何でしょうか。
 
 過去に発生した災害の際に、国からの指導により、特例措置として申請に添付すべき書類の免除が容認されたことはございましたが、対象者の要介護状態等を介護事業所が確認するのが難しいことなど、課題もございますことから、慎重に検討してまいりたいと考えております。
 

 検討を宜しくお願いいたします。避難者を減免したとしても施設には行政からの費用負担を行いますので、災害後に介護保険特別会計の赤字化が進み、保険料の値上げにつながるという指摘も聞きました。特別会計に対して一般会計からの繰り出しを可能とする災害規定についても、併せてご検討いただければと思います。
 在宅の要介護者を全て施設で預かることが可能なのかという問題も検討が必要と思います。市内で福祉避難所での対応が難しい、現在在宅している要支援者の数は把握されていますか。
 
 今年度、真に支援が必要な方に支援の手が届くよう、年齢要件等を撤廃するなど避難行動要支援者の要件を変更し、その把握に努めているところでございますが、今年2月1日時点で対象者2426名のうち約47%にあたる1143名と接触できておらず、福祉避難所での対応が難しい在宅の要支援者の数の把握には至っておりません。
 

 数は把握されていないということです。能登でも収容能力を超えた要介護者は金沢市などの施設に広域避難をしたということです。本市でもそれを念頭に置いた計画は策定されているのか伺います。
 
 要介護の方に限った計画ではございませんが、地域防災計画におきまして大規模災害の際には広域避難について県内市町村長と協議もしくは県外であれば知事に対して協議を要請できるよう定めております。
 

 令和元年房総台風の際には、県庁と市町村との間での意思疎通が難しくなった状況も見られました。また阪神大震災では兵庫県庁が被災したうえに県職員の参集が困難となり初動がとても遅れました。県に頼らない体制も念頭に置く必要があるかと思いますので、その点も考慮の上、ご検討いただきたいと思います。
 「事前の避難訓練」では現時点で訓練の実施は無いという答弁でしたが、要支援者の各々がどこに避難するという個別の計画は定まっているのでしょうか。
 
 障がいのある方等で災害が起きた時に一人で避難することが難しく支援を必要とする方を避難行動要支援者名簿として把握しており、名簿に記載された方を対象として、個々の事情に合った的確な避難支援が行えるよう、あらかじめ誰と、どのように逃げるかを記載した個別避難計画の作成を推進しております。
 

 名簿として把握しているという答弁です。福祉避難所に避難する人数は何名程度で、そのうち、事前に避難体験を受けることで避難所生活を安心して過ごせられると思われる発達障害などの方は何名程度と想定されていますか。
 
 発達障害の方につきましては、避難行動要支援者名簿により精神及び知的障害の方が324名いらっしゃることを把握しておりますが、その内の約61%にあたる199名と接触できておらず、個別避難計画が策定されていないため、個々の特性などが把握できていないことや、在宅避難など被災状況によって避難環境が左右されることから、福祉避難所に避難する人数や避難体験により安心した避難所生活を過ごせるような方の具体的な想定までは至っておりません。
 

 了解しました。概ね2百名程度から3百名程度まで避難所体験をさせるという事務は大変なことだと思いますが、能登で聞いてきた話をさせていただきますと、先ほども申しましたが、知的障害者や発達障害者の方は地震で大変不安な中で避難しておりますので、どうしても落ち着いた生活が送れないで夜中に騒いでしまったり歩き回ったりということで、その親も抑えることが大変ですし、一緒に避難されている方も苦労されて、更に避難所を運営されている方も避難所を維持することが大変となり学級崩壊ならぬ避難所崩壊になるような状態になり福祉避難所は続けられないという声が多くでていたと聞いております。事前に訓練をして何回か行き落ち着くことが出来ればそのような事態は避けられますので皆の不幸を少しでも回避するために、大変困難なことだと思いますが、皆さんと連絡を取り訓練を重ねていただくことを宜しくお願いいたします。
 「要支援者の訓練」で医療的ケアが必要な児童の避難訓練を行いたいという答弁がありましたが、現時点で考えているその概要をお知らせください。
 
 訓練の概要といたしましては、当事者の方の個別避難計画に基づき、発災後、支援者が連絡を取って当事者の自宅に向かい医療的なケアに必要となる機材等の運搬を補助しながら、あらかじめ計画している避難経路をたどり、避難所まで避難することを予定しています。
 

 了解しました。要支援者避難計画は申し出を行った人を対象にした手上げ方式で行っておりますが、今現在の申請者数は何名で、それ以外に支援が必要と想定されているが、今現在まだ手をあげていない人の推定値は如何でしょうか。
 
 避難行動要支援者2426名のうち、個別避難計画の作成者は900名となっております。計画を作成しない旨の意思表示をしている方を除いても、千名以上の方が、支援が必要と想定されているものの手をあげていない人と推定されます。
 

 2426名中の900名ですから、約37%程度しか個別避難計画ができておらず、また訓練も実施されていないということが解りました。現在、災害に対する避難訓練は、まちづくり協議会等が中心になって行われております。要支援者の訓練参加を増やすための取組があればご報告願います。
 
 今年度12月に新しい対象者要件にあたる方全員に調査を行っており、現在、その中で個人情報の提供に同意をいただいた方の名簿を順次地域に交付しているところでございます。地域へ制度の説明を行うなかで、避難行動要支援者の訓練の必要性について啓発を行うとともに、各地域の住民が策定する地区防災計画を支援する際にも、避難行動要支援者への配慮等について助言を行っているところでございます。
 

 解りました。「避難所の支援策」では協定に基づき災害ボランティア等の運営を支援する人材の確保を行うという答弁でしたが、災害時には参集ができない市の職員も多くなると思われる中で避難所に回す人材の余力があるのか疑問に感じます。現時点で人材の派遣が必要となる福祉避難所の数はどの程度になると想定されておりますか。
 
 現時点におきまして確実な想定を申し上げることは困難でございますが、可能な限り、関係団体と連携し、ボランティア等の人材確保に努めてまいります。
 

 大規模災害の場合は本市の人口が多いことも有り、避難所の数も当然多数に成ります。必要となる人数も多数に成るものと思われますが、これについて関連することになりますから中項目3「市役所の災害対応」についての質問に移ります。
 「受援体制の強化」に対しては互いの防災訓練に参加するなどの人事交流も検討するという答弁がありました。先程の質問とここで重なりますが、通常の避難所や福祉避難所にも事務処理要員は必要で、他県から来た人が親身になって対応していただき助かったと能登で聞きました。他県や協定を結んでいる市から応援に来られた職員は市役所内だけでなく避難所にも派遣できる計画を検討していただきたいと思います。逆に災害対策本部には国や県から多くの人が集まり空間の確保が課題になったと聞きました。現在設計が進んでいる駅前新庁舎の災害対策本部では多くの人員が参集することを前提に、フレキシブルな空間づくりを検討されているのでしょうか。
 
 駅前新庁舎におきましても、どうしても部屋数には一定の制約がございます。災害時には空いている会議室等や共用スペース等を機動的に活用し、災害対策本部機能及び参集スペースを確保するなど、災害対応拠点としての機能確保に努めてまいりたいと考えております。
 

 輪島市では市役所に避難していた方を他の避難所に移すこと、応援に駆け付けた団体から連絡員だけを災害対策本部に入れて他を締め出すことが大変だったと聞きました。部屋数には制限があるので対策本部の在り方も事前にご検討いただきたいと思います。
 「申請書類の改善」ではマイナンバーカードを活用した各種オンライン申請サービスのうち罹災証明の申請について導入を考えているという答弁でしたが、導入時期はいつ頃ですか。
 
 来年度の実施に向けて準備を進めてまいります。
 

 たいへん早めの対応が可能となるようなので期待しております。マイナンバーカードを利用するので住所や名前といった個人情報は自動入力と思いますが、それ以外の必要事項も難しい行政用語が多くて困惑する人が多いようです。平易な解りやすい日本語に従って申請ができるよう留意いただけますようお願いいたします。罹災証明以外の利用も想定しているようですが、具体的なことが有りましたらお示しください。
 
 災害弔慰金や災害見舞金の支給について利用できるのではないかと考えております。
 

 書類が難しいので申請を諦める人が能登では多かったようなので容易に申請が出来る事務の拡大は望ましいと思います。その対応は宜しくお願いいたします。
 「少人数での対応」では優先順位を決め少人数でも初動対応が可能となるよう業務継続計画の向上を図るという答弁が有りました。危機管理課の職員も参集できない場合を想定し、例えば市役所が使えなくなったことを前提に、金田地域交流センターを災害拠点本部とした危機管理課不在の訓練なども行ってみるべきではないかと思いますが、具体的な訓練を想定しているのであれば報告願います。
 
 代替拠点の活用や職員不在時の対応を含めた体制整備の必要性は十分認識しておりますが、現状では訓練の想定はしておりません。
 

 想定が色々あり難しくて、また本来他の業務がある他の課が主体となるような訓練の想定は突飛であるというふうには理解しておりますが、熊本地震では宇土市役所が使えなくなったように様々な状況を想定し机上の訓練でも良いと思いますので検討を進めて頂ければと思います。
 輪島市役所の福祉部長が市立輪島病院の事務局長をしている時に地震が発生し、衛生環境が悪化する中で君津市からトイレトレーラーが届いたことに対して感謝し、私の出た研修会で使用されたスライドでは君津のトイレトレーラーに「救いの神」と形容されていました。当然、段ボールの簡易トイレも準備されていましたが、丈夫な壁で隔離された奇麗な個室であること、排泄物を自分で処理しなくても良いという精神的な安定性の重要さも力説され、現場ではもう簡易なものは使用したくないという意見が大多数であったと聞きました。輪島市も必要性を感じて3台のトレーラーを購入したということです。頭で理解していることと、その環境に置かれた場合の感覚に大きな差があることを理解すると同時に、私も本市でトイレトレーラーに類するものは必要だろうと改めて痛感いたしました。この様なことを思い質問にまで至りましたが、市の職員の多くも被災地に行っていると思います。様々なことに気づいていると思い最後の質問を行います。大きな災害が発生した時には多くの職員が現地に応援に入ります。この輪島の事例の様に、そこで各々が得てきたことを今後の本市の防災対策に活かす必要があると思います。報告書や改善案の提出などを派遣した職員に求め、市役所の災害対応力を向上させるべきと思いますが、現在の取組についてご報告願います。
 
 被災地支援に従事した職員が現地で得た知見や課題を組織として共有し、今後の防災対策に活かすことは大変重要であると認識をしております。応援派遣後には活動報告の提出を求めるとともに必要に応じて関係部署内での情報共有や振り返りを行っているほか、出前講座などでも講義をしております。今後につきましても派遣職員の経験や気づきを庁内で共有し、防災対策の見直しや訓練内容の充実等につなげることで本市の災害対応力の向上に努めてまいります。
 

 あと一ヶ月で役職定年を迎える植野総務部長から沢山の答弁を頂き、有難うございました。後輩の職員に確実に継承され、本市の災害対応力が一層向上されることを願います。
 災害は事前に想定していても、それを上回る規模で発生してしまうことは防ぐことが出来ません。しかし避難所の環境を改善することで災害関連死を減らすことは可能です。今までの災害で被災された多くの人の教訓を活かして次の世代を守ることが私たち行政に携わる者の責務であります。大きな災害が発生せず、積み重ねた訓練の成果が示されずに終われば幸せであると考えながら、今定例会における私の質問を全て終了いたします。