世界の旅 ベトナム社会主義共和国:ダナン市とホイアン・フエ

2023.11.09-11.12 ベトナム航空で往復するダナン視察訪問団のツアーに参加
▼09日 ホイアン見学  4年前に木更津市と友好都市の調印を行ったダナン市でホテル三日月が完成され昨年6月1日より営業が始めらた。調印式や交流会で一緒になった小高会長から営業開始後に来て欲しいと言われていた約束を果たすため、コロナ明け最初の海外旅行としてダナンへ向かった。日本円が弱くなっていることもあってか旅費は前回より45.7%増加した20万9200円で、今回も全て個人負担である。
 
 朝5:20に迎えに来た友人の車で成田空港へ移動し22人の訪問団となって9時のVN319便でダナンへ飛び、空港に迎えに来たバスに乗りホイアンに直行する。現地時間の午後2時45分より散策を始め、解体修理中の日本橋や福建会館などを見て回り、世界から多くの旅行者が訪ねてきている現状を確認する。コロナが終わり前の状況を取り戻す中で日本人だけ減少したままであり、存在感が薄くなっているという指摘には考えさせられる。ご当地料理の夕食を楽しむうちに暗くなり、前回は見学できなかったホイアンの夜景を楽しむことができた。水面は多くの船が行き交い街中ではランタンを背景に有料で写真を撮影できるサービスが有るなど、商魂逞しく稼いでいる社会主義国ベトナムの現状を確認させていただいた。
 
 宿泊するホテル三日月には19時40分に帰り着いた。プールやスパなどは間もなく営業終了となるため残念ながら経験することが出来ない。周辺にも店舗は見あたらないが少し離れた場所に海鮮料理の屋台があるというので有志で行くことにした。18階の部屋に荷物を置きに行くと営業終了となったプールがライトアップされとても綺麗であった。屋台までは500m程度だと信じて歩いて向かったが実際には1kmを越えていたし歩道は陥没や雑草で歩きにくい。それでも到着した屋台は水槽もある本格海鮮料理店で、海老や貝を摘みに杯を酌み交わした。雨期らしく夜中にスコールが訪れたのでタクシーを手配するなどして帰宅時間が遅くなり少し飲むつもりが22時(日本時間24時)まで楽しむことになった。8人で麦酒を沢山とワインを2本飲んでも一人1500円程度で済むというのはローカル屋台の有り難さであるし、おまけに料理はとても旨かった。他にもホテル内の宴会場など各所で初日の夜の懇親会は営まれていたようだ。
▼10日 早朝のホテル散策  前夜は遅かったが体内時計は日本時間の6時半に目を覚まさせた。ベトナムでは4時半なのでまだ暗く未明に入浴してから薄暮の中を海パンにビーチサンダルで散歩に出る。ホテル内のプールや富士山を見て回り海に至って数人が入っている夜明け前の海に浸かる。4年前のミーケビーチは沢山の人が居て驚いたが、この海岸には8人程度で寂しい感じはする。それでもホテルと海の間を通る道路ではロードバイクに乗ったサイクリストやランナーも多く見られて、ベトナムも豊かになっていることを感じる。再び歩いてホテルに戻るとランニングに出かける訪問団のメンバーと擦れ違った。外を走っている人は旅行客かも知れないと思う。エレベータで最上階の22階に上がり6時から営業を始めるプールに入って夜明けを迎える。水に入っているのは我々のメンバーだけで、朝食前からせっかちに泳ぐのは日本人だけかなと話し合う。雨期なのに比較的空気は澄んでおり周辺の山々も良く見える。西方の高い山の上に建物らしいものが多く見えたので軍事施設かと思ったが目を凝らすとロープウエイらしいものも見えて、あれが郊外の高山にあるテーマパークかと思う。次に家族で来ることが有れば訪問してみたいと思う場所だ。7時に4階のロビーにある屋外日本庭園を見てから3階で食事を摂り、部屋に戻って日本のテレビ放送を見ながらスーツに着替え9:10より公務を開始する。屋上以外のプールなどは9時開始なので経験する閑がないことが残念である。
 
 9:40から街中にある送出機関を訪問し現状と課題を聞き実際に来月から木更津に来る学生達と意見交換を行う。日本円が弱くなり欧州や豪州に比較して賃金が安い中でも日本を選ぶ理由を尋ねると仏教徒であるアジア人としての共通性もさることながら、多くの学生が日本のアニメを通じて日本文化に興味を持ち、アニメを日本語で楽しめるようになりたいからと聴き、韓国がドラマの海外輸出を進める戦略も理解できた。
 昼食を摂り時間調整としてショッピングモールを訪ねた後で15時半からダナン市役所を訪問し幹部職員と意見交換を行う。日本としては人手不足を埋めるために優秀な人材を派遣したり留学して欲しいという意見が多いが、ダナンとしては日本の企業に工場や支店などの投資を期待しており、その意味でホテル三日月が巨大なホテルを開業させたことは歓迎される話なのである。因みにホテル三日月は日本語が通じるホテルであるが社長は韓国人、支配人は英国人でグローバルな営業を行い韓国人や中国人の方が日本人より多く利用しているという事である。18時からはホテル三日月でダナン市の幹部職員との交流会となり、私の伝えたいことはWifiを活用してGoogle翻訳で伝えることは出来るのだが、先方が翻訳機を持っていない上に私の携帯にベトナム語で入力することが出来ず音声入力も精度が今一つだったので通訳さんが他で忙しいときは話が弾むという状況には成らなかった。
  
 20時に交流会が終わり、昨日屋台に行った我々の話に興味を持った多くのメンバーが屋台経験をしたいというのでダナン居住のガイドさんの案内でホテルから更に離れた場所にある食堂へタクシ−で移動する。開け放たれた店でヤギのソーセージや食用蛙の唐揚げを摘みにベトナム麦酒やベトナム焼酎や店主が買い出しに行ったワインなどを飲んでいると近くのテーブルに次々と若者が集まってくる。ガイドさんに聞くと近くの大学生だという。こちらのテーブルも18人で現地の乾杯の音頭と聞く「モト、ハイ、ヨー」と叫びながら乾杯していると学生達もそれに呼応する。そのうち互いに交流するような形となり22時半まで楽しい夜を過ごさせていただいた。
▼10日 ダナン市役所訪問等
▼11日 五行山等の市内視察  実質的最終日も夜明け頃に目が覚める。ベトナム時間で6時でも日本では8時だから寝坊した方である。朝方のプールを見下ろしながら入浴し、テラスのベッドで読書を楽しむ。朝8時に朝食を摂り8:50にチェックアウトを済ませて1階に集合し9時にホテルを後にして団体行動をする。
 ダナン大聖堂を見てからチャム彫刻博物館に入館する。ここに飾られているのは20世紀初頭にフランス人が密林の中から発見した、7世紀から13世紀頃にチャンパ王国が造ったレンガ造りのミーソン遺跡から移設された彫刻類である。ミーソン遺跡には午後から行く予定なので先に解説を聞けることは有益である。
 訪問団として最後に向かったのはダナン南部にある五行山である。ほぼ垂直な崖で取り囲まれている急峻な山をエレベーターで登ると大理石で造られた巨大な石塔が鎮座する仏教の聖地である。その周辺に多くの鍾乳洞や伽藍も揃っているようであるが時間がないため最大の洞窟まで歩いて参拝する。天井から差し込む光が神秘的であるが、天井の穴はベトナム戦争における米軍の爆撃で空いたと聞く。ダナンは南ベトナムに属していたので国内のゲリラ討伐で聖地を破壊したことになり、人心が離れる契機に成ったろうと想像する。前日訪問したホイアンは日本の京都のように文化財の価値を考えて保存されたように例外も有るが、戦争の跡は各地に残っている。
 
 市内に戻り市役所近くのレストランで食事を摂り、ハノイでの視察を続けるために空港に向かう視察団と別れ、3人は別途手配した車で世界遺産のミーソン遺跡に向かう。
 ダナン市街を離れると農村部になり伝統的な三角形の帽子を被って仕事をしている人を多く見るようになり、観光地で売るだけでなく実査に使われているのだなと感心する。遺跡の入口には午後2:50に到着し、橋を渡りカートに乗って核心部に向かう。風も涼しく森林浴をしているようで気持ちよい。i遺跡の綺麗な彫刻は午前中に視察した博物館で保管されているものも多いが発見者のフランス人が持ち去ったものも多いようだ。その後のベトナム戦争により遺跡の大多数が破壊され少しづつ復旧作業が進められている。日本は遺跡の入口に博物館を建設したが、ヒンドゥー教の遺跡というつながりでインドが積極的に遺跡修復を行っている話と、破壊したアメリカは責任をとるような姿勢を見せず協力的ではないという話には考えさせられる。アンコールワットより古く建造技術の高い貴重なタンパ王国の遺跡なのだから丁寧な復旧を願うばかりである。遺跡の中には米軍の爆弾も展示され、ヒンドゥーらしい踊りも披露されるなど観光要素も楽しんで午後4時にダナン市街を目指して帰路につく。帰国する飛行機まで時間があるので50万ドン(約3千円)の全身マッサージを受け、地元で評判だというホーを食べる。土曜日なので20時半にはドラゴンブリッジが火を吐くのであるが周辺の渋滞が激しく逆に搭乗手続きが慌ただしくなると想像されるので、時間も早いが午後7時過ぎに空港へ送って貰う。
 午後9時まで空港内の喫茶で休憩し、手続きを終えてから空港内で軽く飲み、深夜11時半過ぎに飛行機に搭乗する。離陸すると直ぐに眠くなり、ベトナム時間の午前3時半に機内食が出る。既に紀伊半島沖まで達しており外は東の空が明るくなっていた。日本時間では午前5時半だから仕方ないと思いながら食事を摂り成田空港には日本時間の午前7時に帰り着いた。空港の温度計は12.4℃を示していた。マッサージを受けた後に寒さ対策の服装にしていたが、出国時より3日で気温が下がった日本の空気は南国帰りには寒かった。 
▼11日 ミーソン見学