続・風景によるまちづくりについて
2007/10/07記
 一年前に『風景からのまちづくりについて』という文を書いたが、昨日見た風景に刺激を受けて、富士山にテーマを絞った続編を記載する事にした。
 
 日本人の心を捉えて止まない富士山を美しく記録したいという画家や写真家は大勢居て、特に夜明けの太陽がピークから上がるダイヤモンド富士を見るため、早朝から多くのカメラマンが準備をしている。そんな中でも有名な場所の一つが山梨県の七面山である。そこは富士山と北緯がほぼ一致するので春分と秋分の日にダイヤモンド富士山が見られるのである。
 ふと木更津も同じだなと思い、国土地理院の地図検索システムを使用して3箇所を比較すると次のような結果であった。
 
 七面山敬慎院:北緯35度22分36秒,東経138度21分30秒
 富士山剣ケ峯:北緯35度21分37秒,東経138度43分37秒
 木更津市役所:北緯35度22分33秒,東経139度54分57秒
 
 七面山と富士山は東経でわずか22分07秒の差であるが木更津では1度11分20秒と、3倍以上も遠い。その為富士山も小さくなるが幸い丹沢と箱根の間になる東名高速が通る谷間に聳えているので裾野の方まで良く見え形がよい。左の写真は昨年3月11日に金木橋から撮影したものである。
 秋分の日の頃には水蒸気量が多く、それほど綺麗な夕焼けは見られないが、春分の日前後には良く見通しが利く。
 せっかく海越しにダイヤモンド富士を見れるという環境を活かし、PRすれば人が集まるものと思う。
 国土交通省でも関東の富士見百景というものを作っているが、そこで取り上げられているのは盤洲干潟とアクアラインの富士である。木更津市街から見る富士も綺麗な物だ。特に市役所は富士山の観察された記録を長年に渡って記録しており、それが空気の透明度を測る指標にもなっている事もPRしたい。
 街の対応としては、例えばその前後では木更津内港から中之島大橋の中に収まる富士山を撮影しやすいように土砂運搬船を空けるとか、市役所6階議会会議室を一般開放するとかして、富士山の見える街を売り出しても良いのではと思った。
 
 なお、参考に書けば夏には館山で、冬には柏でもダイヤモンド富士が見えるらしい。