アクアライン夜間バスの運行開始
2007/12/02記
 12月10日から品川〜木更津線で夜間バスの運行が始まることになった。就業機会の拡大や行動の自由度を高めるため夜間バスの運行を求めていた者としては大変喜ばしい出来事であるが、さらにその上を目指して貰いたい所である。
 
 運行される深夜バスは平日に限定され、品川駅東口発23:20と23:50の2便である。象徴的に日付を越えて品川0:10とでもすればインパクトが強かっただろうとも思うが、それでもこれで新宿や渋谷に23時まで滞在できるし、東京勤務者は残業が多少気にならなくなるだろう。何よりこれまでは木更津に帰る公共機関は東京駅23:26のJR総武線快速を千葉で乗り継ぐパターンだったものがアクアラインバスにその座を譲ったという事実である。
 ただ、JRの東京駅23:26発の最終電車は木更津駅まで81分かけて0:47に到着するが深夜料金もなく通常の1260円である。
 それに対し夜間バスの料金設定は木更津駅まで昼間1300円に対して夜間2600円と倍額である。道路渋滞もなく通常の時間である60分で到着すると0:50木更津駅東口着であるからJRとほぼ同着である。夜間の割増率が高すぎると思うがタクシーで帰ることを考えると遙かに安価である。定期券利用者は定期提示の上で正規金額を払うことになるので、JRで帰るのとほぼ同額であるというのも見事である。
 
 夜間バスの需要が有ることはバス会社も認識していたが、極端に片方向の需要となり、木更津から品川に向かうバスは空気を運ぶ回送車のような物で、それでいながらアクアライン通行料金を負担しなければならない事や、深夜の運行に当たっては運転手だけでなく運行管理部門などにも要因を残すことになり人件費負担が大きくなる事などから躊躇されていた。今回は深夜料金を設定することで解決を図ったようだ。
 この料金が高すぎることで極端に利用者が減り、その結果としてせっかく運行が始まった深夜バスが廃止になるような事態は避けなければならない。
 
 深夜料金が下がるためには次のケースが考えられる。
 @利用率が高くなることで採算性が極めて高いと判断され結果として値下げが可能となる。
 A国や自治体の補助制度が出来て公金が投入される。
 B別会社の参入により競争が促進され値下げされる。
などが考えられる。しかし、2番目は財政の厳しい国や自治体にとって厳しい事だし、3番目の現象は共同運行を前提としている現状では困難であろう。従って、1番目の視点に立って運行会社が必要以上の利潤を出していないかチェックすることが重要であろう。
 
 将来の運行については前にも記載したように、羽田空港の24時間運行化や空港関係勤務者の住宅供給を前提として深夜運行バスの設定が有るべきだと思う。せっかくアクアラインというハードウエアが整備されている状況の中で知恵を絞り、この地域の利便性や快適性を高めることが望まれているのだろう。