自衛隊基地内のゴルフ場について
2008/04/29記
 陸上自衛隊木更津駐屯地は前に書いたように日米地域協定第2条4項a(日本文では「合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用していないときは、日本国政府は、臨時にそのような施設及び区域をみずから使用し、又は日本国民に使用させることができる。ただし、この使用が、合衆国軍隊による当該施設及び区域の正規の使用の目的にとつて有害でないことが合同委員会を通じて両政府間に合意された場合に限る。」:外務省のHPから引用)で米軍が管理し、自衛隊が使用する施設である。
 その中には大日本帝国海軍時代の財産を引き渡した提供財産34棟、昭和36年までの米空軍駐屯時代にアメリカが建設したドル財産13棟、自衛隊使用中の現在までに建設した行政財産45棟が有ると、25日の視察の際に説明があった。
 その中で基地北西部の江川海岸隣接部に有るゴルフ場についてはドル財産のため、アメリカ海軍極東司令部の許可がないことには撤去できない施設であり、現在は形状を破壊する事無くヘリコプターの離着陸訓練を行っている、という説明もあった。
 
 それから4日目の今日の午後、テレビ朝日報道ステーションディスクから電話があり「木更津駐屯地の中にゴルフ場が発見されたのでコメントを頂きたい」という要望があった。
 コロンブスのアメリカではあるまいし、発見される前、それも私が生まれる前から有る施設であると答え、先日聞いたばかりの話をした。また、基地対策特別委員会としては委員長の橋口議員が居り、直前まで委員長をしていた大村議員も居るのでそちらにも当たって貰いたいと答えたが、地元という事もあってか指名なのでテレビカメラでの取材も受けることとした。
 どうせ撮影をするなら基地の見える場所が良いだろうと、江川海岸駐車場を私が指定し、取材クルーの車で向かった。
 ついてみると、現在もコース(?)を回っている人が居た。テレビクルーは久津間のシーサイドゴルフにも取材に行ってきたということで、守谷事件も有り、防衛施設内のゴルフ場に対して問題意識を持っているようだ。特に木更津駐屯地は全国で11箇所有る基地や練習場内のゴルフ場のうち最大のものらしい。
 
 個人的な見解と断りながら、別に立木やバンカーの有る専用コースでなく平坦でつまらなそうだし、平日は訓練で使われている場所で、米軍財産に付き撤去できるものでもなく、なおかつ草刈以外には整備に防衛予算を使っている施設でもないから目くじらを立てることでもないし、勤務中なら論外だが休日は自衛隊職員が使っていても気にはしないと答えた。
 そもそも生まれた頃から見ているから気にならないのであるとも答えたが、自分がゴルフをしないから基地内でやりたいという気にならない、とは喉まで出たが答えなかった。
 
 それより自衛隊からの基地交付金が2億円と低額であり、航空法の制限で近所に工場の設置が出来ない結果周辺市に対して財政が厳しい状況で有ることや、基地の周辺の整備が進んでいないことの方が問題だと話したがカットされるだろう。江川運動公園の再整備を議会として問題としている状況で、具現化の障害となってもいけないため深い話が出来ない事ももどかしい。
 
 米軍が管理するドル財産についても取材してみれば、如何に自衛隊が不自由しているか解ることであろう。例えば格納庫だって左の写真(2007年7月3日の視察研修で撮影)のように窓は割れ、錆で赤くなっている状況である。都市計画道路中野畑沢線も順調に工事できないばかりか、様々な制約も多く、早く日本に返還して貰いたい、と思っているところだが、ぽつりと話したに過ぎなかった。もう少し言えば良かったかなと反省する。
 
 カメラが回っていないときに取材チーム代表のUディレクターには「重箱の隅を突っつくような問題では無いですか」と言っておいたが理解していただけたであろうか。逆に自分の感覚が世間から遊離しているのだろうか。今晩の放送が楽しみである。
 
 30日追記:放送時間はほんの少しで、メッセージは無きに等しいものだった。コメントなく日米地位協定の対象文章を追記した。