人口の二極化が進む
2009/04/24記
 木更津市の人口の推移について、2000年から2008年までの地区別変動を昨年秋に調査して記載したが、本年4月1日現在の情報を入手してきたので再度人口問題について考えたい。
 2000年、2008年及び本年の人口は下表の通りである。
地区名 2000 2008 2009 前年比 2000年比
木更津 34,742 37,730 38,437 707 3,695
波岡 22,807 25,215 25,626 411 2,819
清川 26,289 26,719 27,203 484 914
岩根 19,076 18,080 17,960 -120 -1,116
鎌足 2,932 2,603 2,510 -93 -422
金田 5,079 4,516 4,434 -82 -645
中郷 3,536 3,343 3,304 -39 -232
富来田 8,132 7,350 7,189 -161 -943
合計 122,593 125,556 126,663 1,107 4,070
 人口減少の日本でも木更津市は年間に1,107人も増加している事は喜ばしいことであるが、人口の増加は最近開発の終わった区画整理事業地区を持つ木更津(請西)、波岡(港南台・羽鳥野)、清川(ほたる野)の3地区に限られ、他の5地区は減少に歯止めが掛かっていない。岩根地区は9年間で千名を越える減少をしてしまったと考えると小学校の入学生が少ない理由も解る。
 2000年を基準として、毎年4月1日現在の人口の増減をグラフにすると下図のようになり、二極化が進んでいることが解る。
 最大の人口減少は岩根地区であるが、元の人口が少なければ僅かな減少でも地域社会に与える影響は大きいはずである。そこで今度は2000年を100として、毎年の人口がどの様な値になっているかグラフ化すると下図のようになる。
 このグラフからは鎌足、金田、富来田の3地区は9年間に1割以上(つまり10人に1人以上!)減少してしまった上に、年を追ってグラフの傾斜が大きくなる、つまり人口減少が加速していることが解る。地方の路線バスが赤字になり補助金が上昇していく原因も極めて解りやすい。
 さらに年度別の対前年比人口増減率をグラフにすると下図の通りで、2%近い上昇をしている3地区と、ほぼ毎年減少している他の5地区から成り立っている。清川地区はほたる野の街びらきが行われるまでは減少傾向だったが、一転して増加に向かっている。
 今、都市計画の流行は高齢化社会に対応し、徒歩圏で生活が成立するような市街地に集約する方向、いわゆるコンパクトシティを目指している。
 周辺部の人口減少は仕方がない、と割り切ることは心情的に出来ないが、農村部に移り住んで里山暮らしを満喫する価値観が増えない限り、良い解決方法を見いだせずにいるのである。