4年間の質問を振り返る | ||||||||||||||||||||||||||||
2011/01/06記 | ||||||||||||||||||||||||||||
議員になって3年と8ヶ月が過ぎた。この間に定例議会が15回開催され、そのうち14回で議会質問を行ってきた。今任期中には平成23年3月の定例議会が残っているが、大きな問題が生じない限り質問を休む予定なので、少し早いが4年間の議会質問とそれによる変化を検証してみようと思う。 なお、議会質問の全文は『議会質問一覧』に記載してあるが、それを要約すると供に、その後の出来事を整理する目的である。 14回の質問で扱った大綱は40項目である。その中で複数回の質問を重ねた項目を整理してみる。 最多なのは『学校の耐震化と再編』であり、2007年6月、同年12月、2008年9月、2009年12月、2010年12月と5回も追求している。耐震の促進を促すと同時に学校の適正配置を検討して効率的な投資を行うように提案した結果、学校適正規模等審議会が設置され、現在最終答申に向けた取りまとめに入っている所である。耐震対策も進んでいるが、率の県内順位は低い状況で改善されていない。速度アップを求め、引き続き取り組む問題である。 次に多いのが『入札制度改革』である。2007年12月、2010年3月、2010年6月の3回で実施している。近隣市が採用している低入札価格調査制度の導入を求めたものであるが市は制度設計に手間取り、第3中学校の入札では19社全てが同額で応札するという事態になってしまったことが残念でならない。昨年11月に新制度での取り組みになったので、近い内に予想される真舟小学校では大きな費用削減効果を期待したい。 他に3回の質問では『都市計画』も有る。2008年3月、2009年6月、2010年9月に行っているが道路の見直しや調整区域の扱いなど多方面の質問を行っている。これは個人的に専門分野なので都市哲学を担当部局と交換しているのである。これにより機運が高まったというわけではないが、調整区域の土地利用について制度設計が進められるようになったのは良いことである。 2回の質問を行った問題は多く有るが初回の古い方から記述する。最初に挙げるのが『市役所の耐震化』である。これは防災拠点になる市役所の調査すら出来ていない状況を取り上げ対策を求めてきた。当初は学校の対策が全て終わってから調査をすると言っていたものが終了には関係なく平成24年度頃まで前倒しになった。私は、その回答に満足している訳ではなく一刻も早い対応を引き続き要望し続けている。 次いで『不法投棄対策』である。アクアラインの値下げで対岸から不法投棄が増えると危惧して対応を求めたのだが、顕著な成果を得ていない。ただ、恐れていたような不法投棄も少なかった事が幸いである。 『市立保育園の民営化』もデータを提示して2回ほど質問した。高度なサービスを安価に供給するためには民営化が避けて通れないハズなので、改革を止めないよう促し続けねば成らない。 この他に、この1年間で2回という集中的に質問した事は『巌根駅快速停車と周辺整備』である。巌根出身議員が一人に成った現状では、地域がおかれている状況を議会に伝えることも重要な仕事である。市長の公約でも巌根駅周辺整備を掲げていたので事業は進行中であるが、他地区の議員が生じる疑問に答えるための質疑を行っているような状況である。 1回限りの質問でも強く記憶に残っているものが数多くある。例えば『市民公募債』については市中調達より高コストに成ることを指摘したところ2回目が行われなくなり、『いきいき館の運営』では水道代やガス代の無駄を指摘したところ循環設備を追加し大幅な削減に成った。橋梁・市営住宅・公園整備等について対応の遅れを指摘したところ長期計画の策定に着手されたし、『債権債務の対策』として一元化を提案したところ監査室等から同意を得られ会派の要望事項に入れるに至っている。 他に取り上げた問題は『地震対策』『産業立地』『下水道事業』『アクアライン』『アカデミアパーク』『自然環境の広報』『歴史財産の活用』『戸籍電算化』『水道広域化』『高度情報化』『消防体制の充実』『老人クラブ』『生活保護政策』『金田開発』『土地開発公社』等であり、多くの項目が今後のあり方をより良くするための質問であった。それにしてもよくぞここまで・・・という感じである。 これらの項目についても議会での回答と現状の政策を吟味し、回答のように実施していない場合は今後も追求する必要が出るので、複数回の質問に格上げ(?)される可能性はある。 ちなみに、過去14回の質問で、第一質問の担当部局を整理すると下表のようになった。回答者が市長や副市長及び教育長の場合もあるが、あくまで担当の部局として整理したものである。 |
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やはり学校の耐震と統廃合を繰り返し質問していた関係で教育部が最も多く、次いで入札制度の総務部と都市計画の都市部、及び幼稚園民営化といきいき館の福祉部が多い結果になったが、全部署に満遍なく質問が行き渡っていた。少し前に某部長から「近藤議員は質問していない部署を探して質問を考えているのでしょう」と言われたことがある。もちろんそんな事ではないが、ただ出来る限り不得意分野を減らそうとしていることは事実である。 議員になったばかりの頃、質問を作成していると『議会質問なんて自己満足で、行政は変わらないよ』と言う話をする人も居た。父の時代も知っていたのでそんな物かなと思っていた頃もあったが、今では議員の質問という力を信じる事が出来るし、そうでなければ議会の存在意義が無いと今は強く思っている。 我々議員には幹部職員と同じ程度の金額が支給されながら非常勤という待遇が得られている。その金額分以上の削減を指摘するか、サービスの向上を得るか、市民に希望を与えるかのいずれかを成し遂げる使命感があるのではないか。 過去を振り返り整理する中でそんなことを思っていた。 ※1月7日に一部加筆修正を実施 |