市街化調整区域の土地利用
2011/01/14記
 木更津市は昨年11月1日より「市街化調整区域における土地利用方針について」意見公募を行っている。当初は昨年内で締め切る予定であったが、中央公民館・畑沢公民館で行った説明会に参加した市民が少なかったことや、この方針が市民に浸透する中で多くの地区から説明を求められるように成ってきたこともあり、意見公募の締め切りを1月末まで延期した。
 それでも地域住民の中には、地域がどう変わっていくのか心配する者が当然のように多く現れ、私の近所でも今月30日に久津間区で、来月13日に万石区で説明会が開催される。
 意見公募の締め切りとの関係を担当課に聞いたところ、今回の意見に基づく修正案を作成した後、再度意見公募を行うので、その段階で対応することが可能となり、より多くの市民の声を反映できるという事である。丁寧で慎重な政策決定は高く評価するところである。
 
 さて、先月15日に閉会した12月定例議会で、我々議員にも土地利用のあり方の意見提出を求められていた。1月末まで期間があったので年末年始は他の作業に集中していたが、一昨日から作業に取り組んでみた。無駄に時間が掛かっているのは図面などを作成しているからであるのは十分承知しているが、どうも仕事柄、このような作業を行わないとスッキリしないのである。
 
 木更津市全体の細部に渡る点検を行おうかと思ったのだが、調整区域でどの様な地域づくりを行うかという問題は、その地域に居住して農地や山林を持つ地域住民が主体的に考えるべき事と考え、地域的な意見は地元の岩根周辺の事に留める事にした。
 ただ、整備のガイドラインは市全体に関する事なので、その中で気になったことについては意見を行うこととした。
 そのような観点で作成した意見書が下記の内容である。
 
「市街化調整区域における土地利用方針」に係る意見
意見提出日 平成23年1月14日
 
.ゾーン設定の追加及び変更【別紙図面参照】
 コンパクトなまちづくりを進めるために、駅周辺の人口増加政策を採用するべきです。
 そのためJR内房線の駅である木更津及び巌根に近接する範囲を『集落環境整備ゾーン』として設定するべきと考えます。市の当初案では吾妻集落だけですが、長須賀・万石・高柳等にも設定が必要と考えます。
 逆に市の当初案では小櫃川の堤内地も『集落活性化ゾーン』に位置づけていますが、災害時の被害を抑えるため、当該範囲での田園型住宅の建設を認めない方が望ましいと思います。従って『自然環境保全ゾーン』もしくは『自然環境共生ゾーン』として位置づけるべきです。
 それ以外には、中里・江川地区で中野畑沢線に隣接した部分に調整区域が残されていますので、本質的には市街化編入を行うべきと思うところですが、暫定的に『幹線道路沿道開発誘致ゾーン』として設定するべきですし、市の当初案で提案されていた『集落活性化ゾーン』については道路、水路等の明確な区画で理解できるように範囲の見直しを行うべきと考えます。
 
.地区計画のガイドラインの見直し
 技術指針には「公園・緑地・広場等の公共空間を適切に配置する」と有りますが、その指針を明確に定めるべきと考えます。例えば区画整理では誘致距離250mで0.25ha以上の街区公園を設置するように求めているように、まず公園が無い地域で一定面積(3ha程度)以上の計画では整備した公園の設置を義務づけ、それ以下では開発区域の面積に土地評価額を乗じた金額の一定割合を都市整備基金(仮称)に積み立てることを義務づけるような対応が求められると思います。
 他に『幹線道路沿道開発誘致ゾーン』では駐車場10台規模の飲食店及びコンビニ等の進出を可能とするため最低敷地面積3,000uを1,000uに変更すべきです。一方『インター周辺開発誘導ゾーン』では階高の大きな物流倉庫の建設を念頭に置き建築物の高さを15mから20mに変更すべきと考えます。
 技術基準の中には記載がありませんが、開発地区から河川までの排水計画の検討を義務づける必要があり、必要に応じて調整池の設置や下流の排水路整備を行うように誘導せねばならいと考えます。
 
              以上 宜しくご検討下さい。
 
住所 木更津市江川847
電話 0438-41-1605
氏名 近藤 忍
 
 担当部局は多くの視点から吟味するであろうから、当然私の意見が通らねばならない物だとは思っていない。HPに掲載することは議論のきっかけになれば、と思ってのことであり他意はない。
 
 他の自治体に先駆けて検討される、調整区域をどうするべきかという本市の新たな取り組みが、他市の模範になるような素晴らしい結果を生むことを願いながら、意見提出の直前にHPにアップしてしまうのであった。