議会の対応を進める
2011/03/16記
 連日の大震災報道の中で、地方議会が何をすべきか考え、斉藤議員や鶴岡議員と相談したのが13日の日曜日の夜だった。14日に行われた木更津駅前広場再整備検討協議会で同席した多くの同期議員に趣旨を説明したが、唐突と言うこともあり賛同を得られず、議案精査の後、15日に議員3名だけで議案を提出した。
 
 議案の内容は2点である
 1点目が、今回職員の地域手当を本則の5%ではなく1年間に限り3%で支給すると言う案件を、1年間に限り0%とする修正案である。
 2点目が、提案する議会の立場として議員の報酬を1年間に限り約4%となる月額2万円、年額にして約32万円下げる特例条例の制定を求める発議案である。
 
 これは前にも記載したが、職員の地域手当て支給に伴い特別交付税の減額が懸念される事に起因するが、そもそも今回の大震災で被災地への投資が必要になり、高速道路無料化財源や子ども手当の一部を回さざるを得ない状況となり、特別交付税や地方交付税が現在想定する予算で地方に回ってこないことは予想される中で、木更津市で行わねばならない事業を遂行するための予算をどの様に確保するかと考えた結果である。
 職員の地域手当支給を停止することにより約1億65百万円、議員の報酬の削減により約9百万円、合計で1億74百万円の枠が確保でき、その額だけは国からの支給が停まっても対応できることに計算上はなるハズである。なお、本来はこれに伴う予算案の修正が必要であるが、額を少ない方に修正するため予算枠を越えることが無く、6月議会における補正予算で対応が可能と考えている。
 なお、私たち3名が選挙に有利なように目立とうと提案したのではなく、この国家的災害を前にすべきことの一つとして導かれた結論なので、類似の案件が執行部から上程されれば、この議案を取り下げる事を3名は確認している事も付け加えておく。私たちもスタンドプレーを行ったと言われることは心外なのである。
 
 議会としての対応に続き、行政の対応も早急に考えて行かねばならないだろう。例えば、被災地で間違えなく必要になるのは数万棟に達する膨大な仮設住宅である。物資輸送が可能な地域で出来る限り早く量産に入るべきであり、港湾や自衛隊のヘリコプター団を所有する本市の木材港周辺はその生産条件を満たしていると思われる。それに必要な労働力は被災地で職場や家を失った避難民から確保することで、彼らの喪失感や無力感を郷土の復旧に協力するという思いに変えることが出来るだろう。居住する場所としては多くの企業社宅や民間アパートの空きも活用できるだろう。その様な明るい情報発信をしていくことが小船の転覆や水道管破裂程度の被害で済んだ本市の役割ではないだろうか。
 
 被災地では輸送路の確保のため、鉄道や国道の復旧に24時間体制で取り組んでいることが想像できるし、福島の原子力発電所では被爆の危険性と隣り合わせで懸命な制御を行っている。第一線では自衛隊や消防、各国の支援チームが懸命な人命救助に当たっている。
 被災地の秩序の高さや忍耐力が世界的に賞賛されているが、現地では賞賛より支援が欲しいというのが本音であろう。まだまだ、何がやれるか考え続けねばと考える日々である。
 
 ※1:発議案は賛成少数で否決された。誠に残念な話である。これに関して私と共に提案議員の意見は下記の通りである。
 ○斉藤高根議員
 ○鶴岡大治議員
 
 ※2:20日に木更津の消防隊が千葉県派遣隊として越前高田に向かった。派遣される職員は多くの困難の中で大変な作業が待っていると思うが、市民の多くの思いを乗せて活躍されることを祈るばかりである(21日追記)。