HPと選挙を考える
2011/04/16記
 いよいよ明日から市議会議員選挙が告示され、1週間の選挙が行われる。公職選挙法では、選挙期間中に配れる文書をビラやはがきに限定しているため、HPの更新は規定以外の文書図画の配布にあたるという解釈とされ禁止される。従って、次回の更新は投票日の翌日に成ることをあらかじめお許し頂きたい。
 なお、国会の中には公選法を改正してネット上の選挙活動を解禁しようという動きもあるが、候補者になりすました者や非望中傷が横行するなどの弊害を指摘する反対意見も有り、現在の所、結論は出ていない。
 
 先週末に投票された袖ケ浦市選挙区の千葉県議会議員選挙では駅立ちやインターネットによって市民への普及を目指した笹生候補が力及ばずに落選した。当選した江野澤県議がより多くの支援を集めた結果だとは思うが、その一方で「かずさ地域ではネットに依存した都市型選挙は似合わない」という意見も聞く。
 例えば『近藤議員もインターネットをやっているようだが票になっているのかね』と県議選終了後に人から聞かれた。確かに私のHPのトップ頁で常に後援会の入会を求めるメッセージを乗せていても、これにより加盟してきた人は、多分両手で数えられる程度だと思う。ホームページを運用していても、直接的に後援会の拡大には成っていない事は私にとって事実である。
 
 後援会の拡大に繋がらなくとも、議員としての情報開示を続けることは重要である、と私は考えている。開示した情報に対して頂いた意見も『ご意見と回答』として答えることで、実は私自身の考えを整理し直したり、勉強を重ねることになっている。
 例えば、今回の選挙の前にも次のような意見がメールで寄せられた。なお、掲載にあたり、一部文章の省略及びリンク作成等の加工を行った。
  
 いつもブログを拝見しております。近藤さんはとても勉強熱心な方だなと感心しています。そして、もっと近藤さんのような市議会議員がいてくれたら市政を信頼できて安心できるのにと思います。
 地震後、頭に来たことは現職の議員が即座に立ち上がらないことでした。(で、近藤さんのブログ読み始めたんですが。)
 なんで、地域住民に声かけしないの?
 TOPにたつ人間が何でコメント出さないの?
 市議会議員のお仕事っていったいなんなの?
 誰がなったって安心できる生活ができないなら、選挙なんて無関心な方が楽だと思い始めていました。で、チョットしてからこういう有事の時こそ大勢の人が選挙に関心がないといけないんだと思いました。
 3月16日のブログの、議員3名だけで議案を提出した件は、広く市民に訴えて欲しかったと思います。私もブログ読むまで知りえなかった事実ですし、ブログや地方新聞を読んでる人は市民の数パーセントだと思います。
 被災地の人を支える為に、この市を元気で安心な町にしていきたいという姿勢が見える立候補予定者に私は魅力を感じます。週末コソコソと戸別訪問しているような立候補予定者の方が信頼できません。
 
 このような意見をもらうと、HPで情報開示を行いつづけることの意義を確認でき、今後の励みに成り、非常に有り難い(「コソコソとした戸別訪問」は耳に痛いが)。たとえそれが選挙結果に直接つながらなくても市政に感心を持つ市民が増えることは嬉しいのだ。
 ちなみにメールには連絡先アドレスの掲載があったので、私は次のような回答を送信した(同様に文章の省略有り)。
 
 ご意見をいただき有り難うございます。引き続き研鑽を積み「市政を信頼できて安心できる」議員に成れるよう頑張ります。
 震災後に当面日本は非常事態に入る事を理解している議員は少数でした。修正動議に対して「推測で提案している」という意見を平気で言える議員も居ました。想像力の欠如は、政治家として罪だと思うのですが、それは選挙につながりません。
 ただ、選挙直前であり、震災で目立とうという行動には自制が働きました。さらに、修正道議等は選挙目当で出した我々の手柄と思われることで、他の議員が頑固になり、改選後に再度提案する余地が無くならないよう選挙前には、市民に積極的に情報発信しなかったのです。従って「地域住民に声かけしないの?」という指摘が出ることに成りました。
 選挙に対する感心を高めるために震災を取り上げることと、個人の集票の為に取り上げることの差に嫌悪感を覚えますので、私は震災を前面には出さないつもりです。
 誤解を恐れずに書けば、今回の被災地に何が出来るかと言うより木更津市が将来被災地にならないような対策を講じるための政策が重要です。具体的には耐震対策の強化や避難所の整備、さらには都市計画等のハード部門と避難が困難な高齢者等を何処に居住させるかというソフト対策です。このような議論が選挙の政治空白のために行われずにいます。
 
 併せてHPにご意見を抜粋して掲載して宜しいか伺ったところ、下記のようなメール(抜粋)と共に、掲載の許可を得た。
 
 どこの誰ともわからない私の意見を理解していただいたうえ、丁寧な返信を頂きありがとうございます。
 今、防災対策の議論ができないのは辛いですね。選挙がない市町村に比べて出遅れるのは目に見えているし、そういう所と比べるべきでないのに「隣はしているのに何でココはできないんだ」という人は必ず出てきますよね。当選したら頑固な議員に負けない議論してください。
 
 明日からの選挙に望む候補者は、市議会議員になることが目的なのか、市議会議員になってから信念を持って市政を担うことが目的なのか、市民には見極めてもらいたいと願っている。
 その為には、頼まれたり挨拶に来たから投票するのではなく、その候補者に期待をして投票してもらいたいと思うのだが、候補者を知るための有力な手段であるHPに規制をかける現在の制度は、やはり早期に修正するべきではないだろうか。
 そうは言いながら、選挙期間に至るまでの日々の活動や考えを掲載し続けることで上記のような理解を得ることが出来るのであるから、選挙期間だけプロに任せて外見だけ良いHPが乱立するより、現在の制度も良いかなと思うこともある。新人は別として、現役議員は今まで何をしてきたのか、振り返る材料にHPが必要ではないかと思っているのである。
 
 これまでの4年間を採点される選挙にあたり、今までの情報開示が間違っていなかったはずだと信じて、24日を迎えたいと思いながらこの記事を掲載する。