会派代表質問で思う
2011/09/07記
 昨日より9月定例議会の一般質問が始まり、2番目に我らの会派の代表として鶴岡大治議員が登壇した。
 代表質問は日本の景気動向や政治の方向性等の状況判断を行い、市議会としてどうするべきか、という枕(導入部)で始まる事が一般的であるが、今回は会派を結成して最初の代表質問と言うこともあり、会派の紹介から入ることが良かろうと富士山九合目の万年雪山荘で鶴岡議員が寝ずに(本人談)考えついたのが下記の言葉である。 
 
 皆様こんにちは。13番議員鶴岡大治です。この春の統一地方選を経て二度目の議会となり、7名の議員からなる「会派羅針盤」として始めての代表質問を行います。
 
 地方議員であるわたしたちは、二元代表制のもとで予算編成権をもつ市当局を監視・牽制することが求められております。しかしながら、地方議会は本来承認機関であるはずなのに追認機関と化し、機能不全を起こしているとの声も聞こえ、議会の存在意義の希薄化などにより、鹿児島県阿久根市の竹原元市長や大阪府の橋下知事らの活動を結果として助長させるなど、今まさに二元代表制が揺らいでおります。
 
 この春の朝日新聞によれば、過去4年間の地方議会では
 @首長が提案した議案を1本も修正や否決をしていない、いわゆる「丸のみ議会」が50%、
 A議員提案の政策条例が一つもない、いわゆる「無提案議会」が91%、
 B議員個人の議案への賛否を明らかにしていない、いわゆる「非公開議会」が84%、
 であり、この3つともない、いわゆる、3ない議会は全国の3分の1に及ぶそうであります。私たちの木更津市議会も残念ながら今のままでは3ない議会であります。このような状況が続けば不利益を受けるのは市民であり、地方議会は本来の役目を果たしていないといわれても仕方のないところであります。議会のあるべき姿を確立し、議会を活性化させ様々な議論を経て、本当の意味での承認機関としての役割を果たさねばなりません。
 
 また、国会議員から総理大臣を選ぶ議院内閣制と違い、地方自治制度である二元代表制においては、議会で多数を制しても市長になれないことから、そもそも地方議会においては与党も野党も存在しないことはあきらかであります。そうした意味において、既成政党に属すも属さないも自由であり、常に是々非々の立場での判断を基調とし、地方の事は地方で解決すればよいと考えることが妥当であると、考えております。そのような思いでまとまったのが私たち会派羅針盤の7名であります。
 会派として90分の時間をいただきましたので、本日は平成24年度経営方針に関連したテーマについて質問いたします。
 
 正確には富士山では構想の段階であり、その後に原稿化を行い手直し等をして完成したものが上記の文章である。
 昨今は地方議会不要論等も出され、カリスマ的な首長が独創的な改革を行うことを良しとする風潮が現れており、現在のままでは議会の自殺行為に繋がるという危機感を前面に出した言葉として個人的にはよくまとまった文章であると、質問を聞きながら思ったものである。
 
 所が『木更津市議会も残念ながら今のままでは3ない議会』とか『地方議会においては与党も野党も存在しない』というフレーズが耳に残った方々より、羅針盤は議案を否決に回る覚悟をしたとか野党宣言をしたとか言う声が聞こえるようになってきた。
 全ての案件に無条件賛成をするものを与党と言い、それ以外を野党と定義するなら、確かに野党宣言であるかも知れない。そもそもとして今年の3月議会で震災がありながら職員の地域手当を上げることには賛成できない、と当該案件に反対した時から定義の上では野党に成っていたのである。
 
 基本的には約千人の職員が検討を続け、実際の執行を前提に提案される案件は、明確な誤りか余程の政治的意向が無ければ反対に回るべきものでは無いと思っている。
 特定の事案に反対せねばべき成らないという思いに至る時には理由を明確に示さねば成らないと思うし、そうでなければ単に「反対する」ための反対という不毛な所に至ってしまう。従って、職員の地域手当の場合にも何故反対する必要があるのかを明確にして行動してきたつもりである。
 重要なことは、市民が同じ情報で判断した場合に、どの様な結論を出すだろうか、という事を市民の代表として選ばれた議員として意識しながら決断を行うことである。
 むろん、豊富な情報を知りうる立場に居る者として、単に大衆迎合に陥るのではなく、疑問を提示されることを承知でも判断せねばならない局面も今後は出て来るであろう。そこまでも覚悟した上での代表質問の冒頭言であったと思いながら聞いていたのが私一人でないことを願うばかりである。