年度末の工事を考える
2013/03/07記
 中野畑沢線の4車線化に向けて我が家の周辺でも工事が最盛期である。僅かな距離で道路の右と左で工事をしているため車線もシフトして通りにくい状況であるが、標識や警告灯が機能して、幸いに事故は起きていない。仕事をする業者も大変であろう。
 
 北側の工事は前にも書いたように、前年中に中途半端な工事で終わり、アクアラインマラソンでも走りにくい現場となっていた所である。前年中に済ませておけば交通処理もシンプルだっただろうと思うのであるが、どうにも千葉県の工事は段取りが悪く歯がゆく思っている。
 南側の工事でも排水路の接続の僅かな部分が出来ていない。
 左の写真のように歩道の下の土を土嚢で仮設的に止めているが、この区間を施工する時に土嚢を撤去すると土が緩み歩道が陥没する可能性は考えてないのだろう。
 千葉県の技師の設計力が著しく低いと、今から20年くらい前に上総DNAの工事をしていた頃から気付いていたが、そもそも充分に設計を出来ていないままに、今年度の予算を消化しなければと発注してしまうからだと、最近は思うようになった(それでも普通は発注後に設計変更で対応するものだろうがと思うが、この話はここまでにしておく)。
 
 木更津市をはじめとする各自治体の予算及び決算の会計年度は、財政法、会計法、地方財政法及び各自治体の規則等によって、4月1日にはじまり3月31日に終わると規程されているため、年度末に予算消化のような工事が多くなり、国民の批判を浴びているのは今に始まったことではない。
 工事を行う側から考えると、年度末の期間は日照時間が短くて残業のためには照明設備が必要であり、また寒さのため作業員も厚着になり運動性に劣るし、コンクリートは硬化の間に凍らないように特別な養生が必要になったり、アスファルトも運搬中の温度低下に対策が必要で、万が一雪でも積もれば数日は仕事にならない等と、晴天率が高いことを除けば、良いことの無い時期である。
 あえて言えば、昔は農閑期であり、東北からの出稼ぎが期待できるという事もあったが、震災後は東北が何より人手不足になっており、これから数年は年度末だからというメリットはないだろう。
 
 今回の補正予算の質問で、年度末に発注行為を済ませ、翌年の5月頃に工事に取りかかれるようにするべきだと持論を伝えた。まだ熱中症も心配にならないし、梅雨入り前の天候の良い時期に仕事がないという建設業界の体質は地域にとっても大きな損失であり改善すべきと思う。現に住宅都市整備公団(現在は都市再生機構)では会計の基準が「完成」ではなく「契約」なので、年度末に工事発注が続き、春が終わってから工事が進んでいたことを経験している。
 自治体でも年度始めに契約を行い、秋から冬に掛けて工事を完成させ検査と精算を行い、冬には春の発注に向けて設計や積算が出来るようなルーチングが出来れば、年度末の工事集中も回避できるのだが、なかなかその様な事態には成らない。その難しさも解るのであるが今のままでよいのだろうか、と毎年この季節になると思うのである。