人口分布図を作るA
2013/07/12記
 東清団地は木更津市開発協会が昭和45年から46年にかけて開発した面積12.3ha、計画人口1,800人の団地で、昭和45から49年にかけて建設された市営住宅の179戸も含まれている。
 この団地は「日の出町」という住所で示されているので、建設から40年以上が経過した開発地がどの様な人口分布になっているか、純粋なデータが取れると考え、平成25年2月28日現在(以下全て同じ)で男382人、女422人、合計804人(外国人含む)のデータをまとめた物が下図である。 
 男性の70代前半の人口比は21.2%にもなっているほか、高齢者が多く若年層が少ない事が解る。65歳以上の人口も48.9%に達し、大野晃教授が定義した「限界集落」(65歳以上が過半で、担い手の確保と社会的共同生活の維持が困難となった集落)に間もなく成ることが明かである。市街地からも距離があり、独立して地域の活力を取り返すためには、市営住宅の更新で子育て世代を誘致するなどの施策が必要だと思わせる図である。
 同様に開発地区の状況を見るため、波岡東地区にある大久保、八幡台、羽鳥野の状況を整理してみた。
 
 大久保団地(シーアイタウン)は伊藤忠商事鰍ェ昭和45年から50年にかけて開発した面積72.4ha、計画人口8,000人の団地であり、大久保1丁目から6丁目にかけて男1,982人、女2,045人の合計4,027人が居住している。
 東清団地に比べ、開発規模が大きかったので比較的人口は分散しているが、それでも高齢化の進捗は顕著である。
 
 八幡台団地は千葉県勤労者住宅協会が昭和47年から52年にかけて開発した面積109.4ha、計画人口10,528人の団地であり、八幡台1丁目から7丁目にかけて男2,558人、女2,713人の合計5,271が居住している。
 事業上は大久保団地に2年遅れているだけだが、実際に入居が進められたのは遅く、さらに長期間に渡ったため、比較的平準化した人口分布となっているが、大久保団地と同様に40歳以下の世代流出が進んでいる傾向が見られる。
 
 羽鳥野団地は烏田特定土地区画整理事業により平成7年から17年にかけて開発した面積92.1ha、計画人口8,000人の土地であり、羽鳥野1丁目から7丁目にかけて男1,869人、女1,802人の合計3,671が居住しており、まだまだ人口が増加中である。
 昨日に示した請西東・南地区より、さらに人口分布が若年層に片寄り、主に30代の親世代と、10歳未満の子供世代だけから成る極端な分布を示している。これが30年も経つと子供が引っ越し、親世代だけが残され、大久保型の人口分布に移っていくのだろうと思うと、開発行為が一度に済むことの功罪を考えなければならない。
 ちなみに八幡台小学校のエリアである八幡台団地と羽鳥野団地を一緒に考え、男4,427人、女4,515人の合計8,942で作図すると次のようなデータになる。
 開発時期がずれた団地による補完効果が働き、比較的各年代が均質に存在する、落ち着いた分布になった事が解るであろう。
 
 団地では極端な人口分布となっている事が明らかになったが、それでは既存市街の状況はどうなのか。それは次回に記載する。