選挙から政治へ動く
2014/03/28記
 市長選挙も終わり、ほぼ1週間が過ぎた。水越市長の任期は日曜日である30日までなので、平日は本日が最後の勤務となる。午後からの農協総代会でも一緒になるが、夕方の退庁式も理事会終了後に間に合うことが出来れば、遠くでも同席して12年間の活躍とご苦労に感謝を送りたいと思っている。
 
 さて、今回の選挙の最中に浜田代議士が応援演説で話されていた『選挙は手段であり重要なのはそれ以降の行政運営』という言葉の通り、市議会も政策の実施に向けて、新市長の公約を咀嚼しながら政治へ進むよう、ギヤを切り替えなければならない。
 それにしても渡辺新市長の公約(宣言)はこのようにとても多く、まずは気になったことを整理することから始めたい。個人的に気になる事を9点ほど抜粋し、コメントを記載する。
 
1).市民活動支援センターの設置
 現在は学校支援は教育部、公園清掃は都市部、ボランティアセンターは社会福祉協議会など、所管がバラバラである市民活動窓口を一本化し、市民の参加のハードルを下げて市民総出の市政運営を行うという手法である。賛成すべき事項であるが組織変更が必要となるだろう。
 
2).観光・企業誘致・定住促進等を統括した、市全体のプロモーション体制づくり
 単に観光として市を売り出すのではなく、全国に木更津の良いところを発信する事業で、昨年会派で見に行った豊川市を始め、多くの自治体が取り組み始めた手法である。賛成すべき事項であるが組織変更が必要となるだろう。
 
3).国内・海外との観光友好都市や他地域との防災協定の締結
 これは私を含め多くの議員が他地区との防災協定を唱えていたものであるが、それを拡大して日常的に交流を深めることで意識の上での繋がりを深め、観光の拡大にもつなげようとするものである。良い政策と思うが、相手都市の選定が悩ましい。
 
4).「子育て支援課」の創設
 現在は幼稚園と保育園が別なだけでなく、様々な子育て支援施策が教育部と福祉部に分断されている状況を利用者の目線で一本化するといった手法である。賛成すべき事項であるが組織変更が必要となるだろう。
 
5).マンション建設補助金等で定住促進誘導
 中心市街地に夜間人口を増やすことで街の賑わいを取り戻す事は施策的には正しいと思うし、全国的にコンパクトシティという流れの中で進められている。ただ、個人的には西口の寺町に高層ビルが並ぶ風景が相応しいか疑問を持っている。
 
6).公共施設のストックマネージメント・小中学校の統廃合の検討
 同期で佐倉市に視察に行ったFM(ファシリティマネジメント)が同じ流れになるが、施設白書を作成して計画的な更新や施設の統廃合を行うことは人口減少社会において必要な事項である。是非とも進めて貰いたい事項であるが、どの様な組織を作るかが重要になるだろう。
 
7).タブレット端末の導入による庁内業務のペーパーレス化
 常々思うことだが、市役所は書類があまりにも多く、作成コストも馬鹿にならない状況である。青年会議所時代に理事長としてペーパレスを進めた渡辺新市長の手腕を期待したが、議員としても先進地の調査をせねばと考えている。
 
8).観光・水道・火葬場・救急センター・障害者福祉・公設市場等、広域連携への推進
 宣言の最後に目指す四市合併は共感する部分であるが、その前に行政コストの削減と、サービスの高度化を図るため広域連携を進めることは並行に考えるべき事である。特に制度としての広域連合は真面目に取り組むべきと思っている。
 
9).太陽光や風力等の再生可能エネルギーの積極的活用
 干潟の先端で洋上風力発電を行うことや、学校の屋上などを民間に開放して太陽光発電事業を行わせるべきだと議会で取り上げてきたが、ベストセラー化しつつある『里山資本主義』で記載されている様に林業を活性化しながら木質バイオマスを利用する視点も今後の課題だと思っている。
 
 これ以外にも巌根駅の快速停車やパラリンピック等の利用を考えた江川総合運動場、自衛隊滑走路の官民共用化への働きかけといった地元のことや、財政力に見合った市庁舎建設コスト削減の検討といった、まさに直面している問題も当然気になっているがそれらについては所信表明を聞いた後に改めて検討したい。