アクアビルへ議会が行く
2014/08/24記
 会派羅針盤でアクアビルを調査に行ってから間もなく2年が経とうとしている。この間に新庁舎の建設に向かい、PFIを活用して整備する方針が立てられ、粛々と事務手続きが進んでいたが、東京オリンピックの開催決定による業者の強気姿勢への変更、アベノミクスに伴う民需拡大に伴う人手不足や円安傾向の中で輸入資材の高騰等が重なり、建設価格が高騰して当初予算での建設事業が不可能になり、新庁舎の建設がオリンピック以降まで延期されることになった。
 今月18日に行われた庁舎整備特別委員会で、延期期間の仮庁舎が発表され、窓口機能は駐車場の利便が高いイオンタウン木更津朝日に集約され、市長や議会は駅前のアクアビルに移動することが発表された。前回の庁舎整備特別委員会は6月5日であるが、それは私が副委員長を辞任したことで行われた物であり、実質的な方針の報告が行われたのは5月27日以来となる。2ヶ月以上を要しているのだから、対外的協議や内部調整も十分に済んで出された結論であると考える。しかし、内部で調整したとはいえ、あえて今回の移転計画について考えたい。
 
 新市役所の目的の一つは市役所機能の分散を解消して効率の良い行政機能を作ることを目的としていた。その視点から考えるとアクアビルに市長室・総務部・企画部・監査室・議会事務局・議会が配置され、イオンタウンには財務部・経済部・市民部・福祉部・教育部・都市整備部・農業委員会が配置されるよう分散が進み、環境部や下水道推進課の集約は進まないままとなる。下のエレベーター案内看板で解るように、1階、2階、5階と9階以外の殆どの階が空床となっているアクアビルなら各階の面積が2,500u程度なので3フロアーも使えば全てを集約移転することが可能になるのではないかと思う。
 
 むろん、この点については18日の委員会で、車での来庁者が8割を越える現況では駐車場の利便性が優先され、障害者が車道を横切りような移動をせずに来庁できるイオンに軍配を揚げた事の報告があった。そうであれば、イオンでも1階の一部を借りることで集約が可能であったと思うが、あえて分散してしまった事が問題の1点目である。
 
 問題の2点目は、市役所の移転を市街地活性化の起爆剤にしようと言う渡辺市長の公約が、蓋を開けてみると来庁者の少ない部局の百人程度が駅前に行くだけで、多くは市街地から離れたイオンタウンに行ってしまうことである。そうでなくても観月通りの衰弱が想定されるのに、西口の火は消えてしまうのではないかと心配になる事である。せめて、観光案内所も有るアクアビルにそれを所管する経済部だけでもイオンタウンから移動させるべきではないかという声も聞こえてくる。
 
 この問題1と問題2の相反する視点を統合して考えた結果が今回の報告なのだろうと推察できるが、腑に落ちていない人も多くいるようだ。議論を公開しろという人まで居るが、議会の特別委員会は公開しているのでそれを傍聴して貰いたいと思うが、いずれにせよどの様な結論になっても、万人が納得する結論には成らない事が明白である。
 それにしてもアクアビルに議会が移動した場合は、議会出席のたびに市営の駅前立体駐車場に駐車料金を払うことになるのかと心配したり、そもそも来春の選挙で返り咲くことが前提だと、考えは枝道に入っていくことも多い。
 執行部の大変さも理解しつつ、市役所の移転に頼らない西口活性化施策を早急に実施することで、多くの賛同を得るような施策が必要だと思い、様々な声が聞こえるこの問題について自分なりの考えを書いた次第である。