巌根駅前に花が咲く
2014/10/08記
 台風18号の接近で5日の日曜日に予定していた巌根駅前ロータリー内に有る花壇への花植えが昨日(7日)行われたと報告があったので夕方に見に行った。線路と並行して2段に成っている花壇にはそれぞれに綺麗な花が植えられて駅前を飾っていた。
 駅前を改修する前に有った小さな花壇は木更津法人会がJR東日本から借り上げて使用している物であったが、今度の花壇は全て市の敷地なので無償貸与であり、法人会や地域住民の力で駅前の美観を維持しようとしている物である。
 
 上記の写真からは解りにくいかも知れないが、花を使って「イワネ」の文字も描かれているので写真を貼付する。
 
 さて、ここに至るまでの経緯を『巌根駅に快速電車を停めよう!推進協議会』(以下「快速停止協議会」と略す)の視点から整理してみると次のようになる。
 
2009年10月25日 快速停止協議の発足
2010年01月25日 JR・県及び市に署名簿と要望書を提出
2010年04月06日 巌根駅前に快速電車停車要望看板設置
2010年09月02日 JRに再要望書を提出
2011年03月11日 東日本大震災発生
2013年05月13日 JRに3回目の要望書を提出
 
 2011年の東日本大震災までは負担金によってホームの延長を行って快速列車を停めようという方向で協議が進んでいたが、大規模な被害にあったJR東日本は全ての新規事業を凍結し、東北の復旧に当たってるという事情も解っていたので、第3回の要望まで間が空いているのである。
 しかし、市が行う駅前整備事業は震災を挟んでも続けられ、間に難航した用地交渉の影響で若干遅れたものの、今般の完成となった訳である。市の事業を整理すると下表のように成る。
 
年度 項目 事業費(円) 備考
2010年度 測量・設計 6,090,000  
2011年度 公衆便所建築 23,115,750 交番建築は県の施工
2012年度 用地買収 48,020,000 JR東日本より購入
2013年度 駅前広場工事 48,549,180 2年度にまたがる工事
2014年度
合計  125,774,930  
 
 用地交渉が難航したというのは、巌根駅前を整備するのにあたり、そこに有るJR東日本の用地を購入するよう市に条件提示された事をさしている。JR東日本という鉄道会社の玄関前を整備するのであるから工事費の負担があってもしかるべきなのに、それを用地を購入しろとは何事だ、という意見が多くなって話が進まなく成りそうであったのだ。
 そんなこんなを乗り越えて、約1億26百万円の事業費をかけた駅前整備が完結した。因みにホーム延長の事業費はJR東日本の試算によると約6億円で、木更津市の負担割合は2/3となるので約4億円が必要となり、駅前整備の3倍以上の費用が必要となる。
 なお、隣の袖ケ浦市では前にも書いたように、巌根駅前整備事業費の20倍程度を2箇所の駅に投入(つまり40倍近い費用を使用)して改修工事が進んでいる。長浦駅は既に暫定供用を開始し、袖ケ浦駅は12日に自由通路の解放を始めるという事なので、巌根駅との差の大きさを見に行かねばと思っている。
 
 ともあれ、花壇の完成を持って駅前の整備は完成した気持ちに成っているので、次は京葉線快速の停止、更には駅のホームを延伸して全ての快速列車を停止させ、長期的には東口改札とエスカレーターを設置して巌根も使いやすい駅に改良し、コンパクトにまとまっている駅周辺の住民の利便性を高める事が重要であると思う。そうすると駅前に咲いた花が、近隣住民の心の中にも咲くだろうと思いながら駅前を見ていた。