岩根の未来を考えるA
2014/05/20記
 その@では、現在の岩根を覆っている閉塞感として、存在感の低下について事例を挙げて説明させていただいた。では岩根は今後どうなるか、という視点で話は続く。
 
3.巖根駅を中心としたまちづくりの課題

 @袖ケ浦市における駅整備事業の事例
  長浦駅整備事業
袖ケ浦駅整備事業
工事期間 平成24年7月末〜
 平成27年3月末
平成25年〜
 平成27年末
工事費 25億5951万円 23億0841万円
 JR負担金額 4644万円 7069万円
 市負担金額 25億1307万円 22億3772万円
[市負担の財源]
 国庫補助金 6億7870万円 5億8110万円
 地方債 12億3400万円 6億9880万円
 基金   9億4000万円
 一般財源 6億0037万円 1782万円
 巖根駅の駅前広場の整備費は約1億2600万円であるが、隣の袖ケ浦市では駅前を中心としたまちづくりのために、約20倍の金額を両方の駅に投資していることが解る。
 
 A駅周辺の土地計画の問題
 
 図は巖根駅から半径500mと1kmを記載したもので、西地区に有る公共施設もプロットしているが、岩根西公民館以外は巖根駅の1km範囲内に収まるという、全国的に進められているコンパクトシティをほぼ達成している地域である。濃い青の範囲は市街化調整区域であるが市街化を進めるべきと私が考えている地域(関連記事)で、黄色は駅前の航空自衛隊である。この青い場所と白い場所は市街化調整区域で、岩根駅周辺はとても多い。では岩根で市街化調整区域の開発需要は有るのだろうか
 
 B駅周辺の土地の需要
 この図は木更津市内の市街化調整地域で宅地開発された件数の推移であるが、一見して解るように需要は岩根地区が顕著に多い(関連記事)。つまり、巌根駅の周辺では需要が有りながら供給が不足しているのではと考えられる。
 
 C駅周辺の土地計画の問題
 岩根でも駅前広場を整備し始めたが、 規模について袖ケ浦から大きく見劣りする。 駅の改修は、その効果を高めるため、 利用者の増加が成される政策も必要である。そこで、優良農地を残すのか、住宅開発に進むのか。 地域のあり方が住民に問われるl事に成る。また、巌根駅近傍にある航空自衛隊基地も 返還し活用されるよう、地域として要望する運動を起こすか考えるべきである。
 
 なお、かつて計画があった岩根駅前の区画整理は、地価の低迷により60%程度の減歩率では事業が成り立たなくなっていると私は判断している事を講演で話した。岩根には山が無いので造成費は安価に済むが、住宅が多いので移転補償費が多くなることがネックになるのである。
 それでも良好な環境を維持しながら整備を進めるためには、開発のガイドラインを作成することが重要であり、それが無いままでは地区の区長や土木役員の指摘も根拠が無く、要求水準もバラバラになるだろう。また、マスタープランがないと道路や排水といったインフラの配置が決まらないので、地域の特色を出した企画、可能なら地区計画制度を利用した将来案を考えなければと講演が済んでから思っている事である(そのBに続く)。