衆議院の解散風に思う
2014/11/13記
 突然のように年内に衆議院を解散するといった気配が濃厚になってきた。最初のうちは圧倒的に多数を形成している与党が解散に出るなんて無いだろうと思っていたが、どうやら来月2日告示で14日投票、もしくは9日告示で21日投票の何れかで選挙になることが既定路線に成ってしまったようだ。
 
 現在の衆議院の議席数は下表のとおり、自由民主党と公明党の与党が326議席で、全議席の67.9%を占めている。参議院でも全議席数242のうち135議席を占める安定多数である。
与党議席数 野党議席数
自由民主党 295 民主党 55
公明党 31 維新の党 42
次世代の党 19
みんなの党 8
共産党 8
生活の党 7
社民党 2
その他 2
無所属 10
欠員 1
合計 326 合計 154
 野党は表に示すように2人以上の党が7つに別れている状況なので、現在選挙を行えば多くの選挙区で候補者を選ぶことが出来ずに、引き続き4年間は与党の安定政権が維持できるという事は想像できるが、それでは政治的安定の為だけの解散であり、多くの報道で言われているように私も納得できない。その理由を取り敢えず3点ほど挙げる。
 
 まず、この国会で上程されている法案の多くが廃案に成ってしまったり、次年度予算が年度内に成立出来ない場合も想定できるなど、国政だけでなく地方自治体にとっても混乱をもたらす可能性が高いことである。木更津市では春に市議会も統一地方選挙が有るので、5月の臨時会で本格予算にすることは考えられるが、執行上の空白を産むことは同意しがたい。
 
 次に、民主党との間で議員定数や選挙区について身を切る改革を行うことを2年前に決めながら、その事が先に進まないうちに再度選挙を行うことは自分のことを棚に上げてというようにしか考えられない。せめて選挙制度をどうするかが争点で有れば若干理解できるが、そのような話題には成っていない。
 
 最後に、やはり大義が見えてこない事である。消費税を国民に問うと言われても、それは法律が制定している中では国会の議論で進めるべき課題であり、選挙で争うべき問題なのかという疑問が残る。さらには与党が先送りを提案した場合、消費税10%即時値上げの実施を訴えて戦う政党が出てくるか疑問である。
 間もなく結果が出る沖縄知事選との関係としても、国政で与党が多数になることで沖縄の自主権を奪うという事にはつながらないだろう。つまり、どうにも争点が見えてこないのである。
 
 当面の問題は12月議会の日程が選挙日程に左右されることである。2年前の選挙の時は出陣式に合わせ質問日程が変更となったが、今回も質問や委員会審議が日程変更となることも想定されるし、各議員も選挙活動の応援を行う中で充分な審議が行えるかといった問題も心配される。
 私的な用事がその頃に入っているという問題をさておき、来月に選挙という話に共感できないまま、国政を見守るしかない状況に、もどかしい日々を送っている。