給与条例に反対する
2016/02/22記
 3月議会に上程された議案第9号「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について」の採決が本日の本会議であり、多くの議員が反対に回ったが賛成多数で可決されることになった。9月議会から賛否が公開されている事や私も反対に回った事も有り、議場での反対討論は行わなかったものの思う事をここに記載しておく。
 
 今回の議案は県の人事委員会勧告を受けて給与改正を行うもので、多くの要素から成り立っている。佐藤議員が質疑を行う中で明らかになったことを整理すると
 
1.給与表の改定
 1級から3級の若手職員は0.4%up、4級から7級の中堅から幹部職員は0.3%up、部長級の8級職員は0.2%upとなる給与表の改定で、平均では0.3%up、影響額は約900万円
 
2.期末手当の増額
 12月の期末手当を0.1ヶ月分増額する。年間を通じては現行で年間4.1ヶ月分のものを4.2ヶ月分にする。これは職員と非常勤職員である議員にも適用され、影響額は約3300万円
 
3.地域手当の増額
 昨年の3月議会で承認された3.5%の地域手当を0.8%引き上げ、4.3%とするものであり、影響額は約4200万円

 
 となる。これらを人事委員会の勧告のように平成27年4月1日に遡及して変更した額を支給しようとするものである。
 
 人事委員会は木更津市には存在せず千葉県に設置されているものであり、民間企業との給与差を調べるに当たり県庁並みの職員数を擁する企業、つまり大企業の職員の給与状況を調べ、官民格差が大きくならないように調整させようとする。本年度は給与の額や期末手当の支給状況が少ないので遡って直した方が望ましい、という旨の勧告が出されたために我が市ではそれに従って議案を上程したのである。
 ただし、地域手当については木更津市は3.0%として示されているところを市の条例の本則である5%に近づけるように0.8%引き上げるものである。なお袖ケ浦市は国が示した値が16%であるため条例も12%であったものを引き上げたが平成27年度は10%で支給しているようだ。つまり袖ケ浦市が引き上げす、木更津が4.3%に引き上げて支給しても、それでも袖ケ浦市職員に比べたら5.7%程少ない給与になっている。
 
 個人的には市内の中小企業従業員に比べ高額の給与である市の職員であるとはいえ、若手職員の給与をより多く引き上げる給与表の改定と職員の期末手当の増額は制度上仕方ないと考えるが、地域手当の増額には一貫して反対であり、会派で要望書を提出したことがある。それを平成27年度当初に戻って支給するという事には納得できない。
 それと同時に市議会議員の期末手当まで平成27年度当初まで戻って0.1ヶ月分(=45,000円)増額するというのは、富津市が議員報酬を20%削減する議案を通過させた後で、議員の矜持に反するので増額は賛成すべきでないと考える(この視点に立って田中議員から本義案に反対の討論が行われた)。
 
 結果として議案が賛成多数で通過してしまったので議員も本年度の期末手当を多くもらうことになり、全体の影響額を合計すると約8,400万円ほど人件費が上昇することに成ってしまった。財政に余裕が有る状況でない事が解っているだけに心苦しい次第である。但し、今年度で定年退職する職員が多いこともあり平成28年度の人件費率はこの案件が通過しても下がると聞いている。
 
 通過した案件は平成27年度給与に関する事案である。これから平成28年度以降の給与に関する案件も審議される。特にその中で議員の期末手当を如何にするかが議論されそうな空気を漂わせて本日の本会議が終了したのである。