木更津の国際化を思う
2017/04/26記
 先日(4月23日)の日曜日に公務で都合が付かない正副議長の代わりに総務常任委員会委員長として木更津市国際交流協会に出席し、顧問である議長の代わりに挨拶をしてきた。
 国際交流協会は姉妹都市であるアメリカ合衆国のオーシャンサイド市との交流にあたり必要不可欠な存在であるため市のHPを調べてみると、平成2年6月29日に姉妹都市提携をして既に27年近い歳月が経過しており、一昨年の10月には締結25周年を記念して市長・議長を始めとする訪問団が先方を訪ねていたことを思い出した。選定の基準は「英語圏であること、環太平洋地帯であること、治安が良いこと」などであり、当時も根強く残る欧米への憧れがあったのだろうと考えさせられる。Wikipediaによると2010年国勢調査での人口は167,086であり、姉妹都市は本市の他にメキシコのエンセナーダ、静岡県の富士市、サモアのアーナの3箇所と締結しているようだ。
 
 
 かずさ青年会議所が台湾の花蓮市と姉妹締結しているように、木更津市で活動する多くの団体は海外に友好団体を持っているものが多くある。しかし自治体としての木更津市は、一時期中国の都市と職員交流などを行ってきたものの近年までは都市間で友好の動きを特にとってこなかった、と私は認識している。
 しかし2015年9月に韓国の槐山郡で開催した第1回ALGOAサミットへ渡辺市長が出席し、昨年の9月に本市で第2回のサミットを開催した際に訪れた槐山郡の訪問団と「友好協定」を締結した。 この、韓国槐山郡であるがHPによると人口は37,308人で、他に友好都市や姉妹都市が有るかは解らない。ただ、Wikipediaの情報で槐山邑に韓国への対馬「返還」を求める「対馬取り戻し運動本部」がある事を知ってしまい、妙な気分になった。
 
 
 韓国に次いで、第2回ALOGAサミットに参加したインドネシアのボゴール市と同席した環境大臣より招かれた渡辺市長が11月に先方を訪問した際に、こちらも「友好協定」が締結された。
 インドネシアのボゴール市であるがWikipediaによると人口は約103.1万人(2014年)で首都ジャカルタに近接して大統領宮殿があり、姉妹都市は中国の深セン市、アメリカのセントルイス、ハンガリーのゲデレー、マレーシアのサラク・ティンギ、コロンビアのルロロの5箇所と締結している国際都市である事を知った。人口が3億人に届こうとしているインドネシアの主要都市と縁があることは何かの役に立ちそうだと思う。
 
 
 最後に第2回サミットに参加を表明しながら欠席となったフィリピンのビスリグ市は本年3月に大規模な訪問団を設けて本市に訪れ、国際交流協会の協力の下で開かれたウエルカムパーティの席上で「覚書」の調印が行われている状況である。因みに「友好協定」は相互訪問が原則なので、次に木更津市訪問団がビスリグ市を訪れた際に調印することに成るのだろう。
 ビスリグ市はWikipediaの英語頁によると2015の国勢調査人口は94,53人で姉妹都市の情報はない。日本語の頁が無い事でまだ日本との交流が少ないのかと思う。
 
 
 この様にALGOAサミットを通じて、国家を通さず直接都市が結びつくという新しい段階に入っているのであるが、オーシャンサイド市のように「英語圏、環太平洋、治安」にこだわっていない点も目新しい。そこで木更津開催の第2回サミットに参加した国別に主な行政関係者(職員を除く)を調べてみると次のようになった。
No 国名(略称) 参加人数 主な行政関係者
1 インドネシア 11 環境林業大臣
ボゴール市長
2 韓国 6 槐山郡郡長代理
3 ブータン 2 県知事
4 中国 3
5 フィリピン 1 ドミンガ市長
6 インド 1
7 スリランカ 3
8 モンゴル 1
9 バングラデシュ 1
 まだブータンの県やフィリピンの別の市の存在が気になる。これ以外にも木更津高専と姉妹締結している国立大学のある台湾の苗栗市とも話が進んでいると聞く。
 
 
 参考に、今回添付の地図はGoogleMapを利用して同縮尺で作成した。意外に大きいインドネシアのバリ島と案外狭い韓国・台湾という事が作業中に理解できてしまった。なお、同縮尺の木更津を造るとこんな感じである。
 
 
 多くの海外都市と繋がることはワクワクする事であるが、それが職員への負担と成って行政に支障が出ないことを願いたい。また名目だけではない、少し深いアジア地域との交流を目指して、例えば欧米と比較して安価で短期間で行ける利点を活用し、木更津発の旅行ツアーを募集する会社をつのるなど、様々な対応があっても楽しいかと思う。
 前回も記載したが木更津市には今年の4月1日現在で2,252人の外国人が住民基本台帳に登録され、市全体の人口に占める比率も1.7%に達している。窓口で外国語が必要になる場面も発生してくるだろうし、インバウンドを進めるなら海外に向けて外国語で情報発信が必要だろう。その対応として期間限定で職員交流を行うといった検討も進めるべきかと考える。
 国際交流協会の総会における挨拶の準備をしながら、そんなことを考えていたので、それを整理して記載した。