議会質問調整が始まる
2017/05/15記
 4月28日開催の議会運営委員会において、一般質問において重複した質問を調整することで質問の質の向上と円滑な議会運営を目指すため、6月議会より重複質問の調整を行なうことになった。
 
 これは議員の質問権を制限するという趣旨のものではないが、例えば地震や台風による災害の発生後やオスプレイの機体整備決定のようにタイムリーな話題が有ったときは多くの議員がその問題に集中する傾向がある。例えば2013年(平成25年)12月議会では台風26号被害に対し7人が質問している。ともすれば午前中に答弁したことが言い回しを変えて少し言葉を足したり引いたりして午後にも答弁されると言う、何とも無駄な時間を改革しようというものである。
 そのため、6月議会から項目が重複する議員を交えた調整会議を行い、内容が類似している場合は一方が取り下げ、その代わりに他の議員が通告していない新たな質問を追加できるという制度を施行してみようと決めたのである。
 これにより全員の通告が終わりながら、重要なのに誰も質問していない隙間に落ちたような事案も拾い直すことが出来るし、議場にいる我々や執行部も多方面の質疑を経て勉強になることが増えるだろう、と私は期待しているのである。
 
 また、合わせて質問順序の抽選制を採用した。これは現在、少しでも先に質問する権利を確保しようと朝9時前に提出した議員で行われている抽選を、質問者全員に拡大しようとするもので、逆に後の方でゆっくりやりたいという選択肢も奪うものであるが、質問の権利や心構えを同一にするために効果を期待している。この弱点は2人の議員で同一の問題を分割して質問するために連続の枠が欲しい、という事が難しくなる事や、傍聴者の事を考えて時間帯を狙うことも難しくなるなど、現在の制度に馴れていると困ることも多いが、不便だと思えば直せばよいと考えて導入したのである。
 さらには通告時間帯に都合が悪い議員のため、他の議員による代理通告を文書で明確にしたことも良い改革だと思う。
 
 この制度を導入するため、当初は今月29日(月)を通告日としていたものが、26日(金)に通告日を変更し、その日の夕方までに集計した内容で重複と思われる議員へは重複があったことを、重複がない議員には無かったことを伝える事となる。なお、この段階での通告書は議長預かりという形式になる。
 重複のあった議員は週末を利用し、重複した議員間で調整を行ったり誰も質問していない新たな質問を探したりして29日の調整会議に臨むことになる。
 調整会議には重複の有った議員と調整を行う議会運営委員会委員長及び議長が出席し、事前に調整が行われていればその報告を受け、調整が不調だった場合は会議において調整を行い、全ての質問を確定させる。
 そして調整会議を経て全ての議員の質問事項が定まった段階で議長に預けられていた質問を市長当局へ通告する形になる、という手順を執るのである。
 
 内閣総理大臣は国会議員の中から選ばれることに対し、議会と市長はそれぞれ市民から選挙で別に選ばれる。この事を二元代表制と言うが、一方の市長部局は約千名の組織を所有している事に対し、議員は個人的な秘書や指南役が居る人が有るかも知れないが、基本的に木更津市では定数の24人分の力しか発揮できない。だから議員の考えがそれぞれ違っても、議会として市長部局のチェックをより広範に行い議会の能力向上のためにも、この様な分担協力は必要だと考える。
 
 まずは行ってみて、不都合を直していこうとするものであるが、決められたルールだからと制度を厳守するのではなく、この様により良い制度を探していこうとする姿勢を、今後とも発展させていきたいものだと、今回の制度改正に合わせて考えていた。