養老渓谷駅で考える
2017/06/02記
 今日は昼間に久留里に行く用事があった。天気は梅雨入り前の抜けるような青空が広がっていた。ふと昨日の日経ビジネスオンラインで読んだ小湊鐵道の養老渓谷駅を見に行きたくなり車を走らせた。
 
 小湊鐵道は創業100周年を迎える今年度、アスファルトを剥がして雑木林を復活させるという「逆開発」を養老渓谷駅前で実施したのである。これは地方創生事業である『世界に一番近い「SATOYAMA」プロジェクト』の一環で、小湊鐵道と久留里線を使った観光入り込み客の増加による地域活性化を目指す取組として位置付けられる。
 
 
 駅前の様子は上の写真のように緑は豊かになっている。先に紹介した日経の記事では『駅と自然との間を、アスファルトが遮断している形になっている。「それなら、養老渓谷が駅前に進出した方がいい」(小湊鐵道:石川社長)』と有るように、養老渓谷までの一体化を図っている取組のようだ。
 
 写真の中央に白い柱のようなものが見えているが、その駅舎側には今回のコンセプトが日本語と英語で記載されていた。なかなか趣深い文章であるので日本文のみを掲載したい。
 
逆開発はじめました。
今から5,000年以上前、この辺りでは縄文人が自然との共同生活をはじめました。
養老川の大いなる恵み、雑木からの食糧確保、燃料(火)としても活用していたことでしょう。
われわれ現代人は進化したのでしょうか?
自然との共存なしに、これからの生活は成り立つのでしょうか?
こたえは「逆開発」の先にある!のかも・・・
今から10年、木を植え花の種をまき、ここ養老渓谷駅前は雑木が茂る森になります。
トリが歌い、チョウが舞い、ヒトが集う・・・。まずは、はじめてみました。
SATOYAMAは懐かしい未来です。
小湊鐵道
 
 小湊鐵道は昨年の12月15日にイルミネーション列車に乗車したが、鉄道会社の努力も素晴らしく、その上に沿線住民も鉄道を残そうと協力的である。各種の撮影に協力し、古い駅舎をより懐かしくなるように保存しながら現役の施設として使うことで、多くの鉄道ファンだけでなく普通の旅行客も引きつけている。市原市にとっては大きな財産であることは間違えない。
 
 久留里線でも活性化プロジェクトは存在し、多くの方々が積極的に展開していることは知っているが、進む方向性が違うように感じる。もちろん小湊鐵道だけが全面的に正しいとは思わないが、自然への回帰は、これからの一つの方向性であると私も思う。
 
 雑木林は今のところ駅舎の近くだけであり、駅から少し離れてバスロータリーを写真に収めると右のように殺風景であるが今後も整備(?)は続くようだ。この駅の10年後を楽しみにしたいという気持ちを持ちながら、今回の短い隣町まで旅の報告を終えたい。