長生村で避難所を見る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2018/06/17記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
午後から机に向かって仕事をしていると地震を感じた。また千葉県南部の地震かと思って調べてみると群馬県南部で震度5弱の揺れを観測し、この辺りでは震度1程度であった事が解った。 それにしても最近は地震が多いと思い、気象庁のデータを調べ、今月に入って関東で発生し震度2以上を観測した地震だけをピックアップすると下表のようになった。 |
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規模こそ大きくないものの、茨城県南部から千葉県にかけて、東日本大震災で動きが認められなかったプレート部分での地震が続いていることが気になる。地震については東南海の海溝型地震が話題になっているが、茨城沖から千葉県沖、または十勝沖など、日本海溝に添った、東日本大震災の残りが動くことも想定し、行政は対策を立てなければならないと考える。 太平洋に面した自治体では東日本大震災後に対策を続け、津波避難タワーや避難所の高台が次々と完成している。万が一の場合はこれらが多くの命を救うことを願うのであるが、速やかに避難行動をする心の準備が出来ているかが心配である。多分大丈夫だろうという気持ちで、如何に多くの命が失われたかを、人々はまた忘れているように感じられて成らない。 さて、そんな最近完成した避難施設の中から、先月の22日に長生村の城之内築山公園を見に行った。既に見学してから一月近く立っているが、6月議会の個人質問も終わったので、タイムリーでないことも承知しながら情報を整理してみようと思う。先ずは撮影した多くの写真を掲載する。 |
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△舗装された21台分の駐車場 |
△駐車場の横に駐車可能な広場 |
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△駐車場の奥に公衆便所 |
△事業内容の看板 |
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△西側の階段 |
△南側の階段 |
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△南西側から全景 |
△海側(東側)を見下ろす |
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△高台の西側を撮影 |
△高台の東側を撮影 |
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△仮設便所設置スペース |
△テントにも成るパーゴラ |
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△ダイヤルキーの備蓄倉庫 |
△洗掘防止の擁壁と布団籠の図 |
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4年前の冬に静岡県袋井市の湊命山を視察してきたが、人口の多い地帯でも有ったため、敷地の殆どを山にして、上の平場の面積を確保して多くの人が避難できるようにしていた事に対し、長生村では日常の公園的利用を念頭に置いて、周辺と同じ高さの広場に児童用遊具や植裁を多く設けている一方、高台では避難者が一定時間閉じこめられる事を念頭に防災倉庫やパーゴラなどの施設を多く配置してある点が特徴的であった。 事業内容を記載している看板で得られない情報を長生村役場の総務課消防防災係に問い合わせ、概要を理解することが出来たので整理する。なお比較のため袋井市の湊命山の状況も併記する。 先ずは盛り土の規模である。 |
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双方ともに公共残土を使用しており、土を購入したわけではないが、湊命山では大規模に地盤改良を行い、城之内築山公園では引き潮で洗掘されないように地盤に埋めるように擁壁や布団籠を入れるなど、工事にお金を掛けていた。 そこで事業費を比較すると次のようになる。なお、城之内築山公園の看板には事業費を2億475万6千円と記載されていたが、それは調査設計費と本体工事費の合計額で、用地補償費と関連諸工事を含まない値である事も知った。 |
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この様に長生村の方が事業費が高くなっているが、それは避難所に設置させている機能の差でもある。袋井市の湊命山を視察してから時間が経っているので、既に様々なものが追加されているかも知れないが、見学時点の段階での設備を比較してみると次のようになる。 |
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津波避難警報の解除まで時間が掛かり、公園の高台で夜を越すことも考えると、長時間過ごせるための防災倉庫を始めとした諸設備の設置は重要なことだと考える。防災倉庫については警備会社と契約をしており、鍵もダイヤルキーなので地元の人なら誰でも開けられる配慮がしてあるのも良い。また通信設備としてWifiの環境を構築しているというのも素晴らしい。前の湊命山も参考になったが、こうして別の場所を見ることで、また勉強になる事も多い。 東京湾に面した自治体は、横須賀から市原までは、その多くが3階以上のビルを浸水範囲に持っているため、それを避難所に指定することで改めて避難所を建設する必要が無いだろう。しかし木更津市の久津間・江川海岸周辺や富津市では鉄筋コンクリートのビルが無い地域が有り、その様な場所では公園を兼ねた避難所としての築山を設けることも検討するべきだと、前から提案しているのであるが、残念ながら大量の公共残土を発生させるような工事がない状況なので具体的に話が進んでいない。 これから中野畑沢線の桜井工区や火葬場の進入道路の工事が進む中で、その残土を活用した事業を進める時期が近づいているのではと思いながら、今回の記事を取りまとめた次第である。 |