広域連合議会が始まる
2019/03/26記
 かずさ四市の末端給水事業と君津広域水道企業団が統合して来月からスタートする「かずさ水道広域連合企業団」の記念すべき初議会が昨日実施されたので私の視点から概要を報告する。
 
 まず、議会の構成メンバーは下表に示す13名である。
議席番号 氏名 当選回数 選出議会 所属会派
1 在原 直樹 2 袖ケ浦市 創袖クラブ
2 笹生 典之 2 袖ケ浦市 新風会
3 阿津 文男 4 袖ケ浦市 市民クラブ
4 渡辺 務 3 富津市 保守の会
5 石井 志郎 4 富津市 無会派
6 船田 兼司 2 君津市 かがやき君津
7 三浦 章 4 君津市 諸派 立真会
8 鴇田 剛 9 君津市 君津創生
9 重城 正義 2 木更津市 自由民主クラブ
10 近藤 忍 3 木更津市 羅針盤
11 白坂 英義 4 木更津市 諸派 新栄会
12 住ノ江雄次 6 木更津市 公明党
13 森  岳 1 千葉県 自由民主党
 各市でそれぞれの議会を構成する会派で調整が行われたようで全員が別の会派に所属している状況となった。また、四市の議員数が違うのは、前にも記載したように人口に応じた傾斜配分となっているためである。議会では13人が揃うのは初めてであるが、発議案の処理や正副議長と議会推薦の監査委員の人事調整等のため19日に集合している。その際にも多くの意見が交わされ、今回の議会は簡単に終わらないだろと予想されていた。
 
 さて、初回の議会の日程は下表の通りで、上程されている議案の数は議員発議の2件を含めると45件という多さである。これは新しい組織を作るに当たり、組織の概要や職員の処遇等について条例を制定する必要があるためである。事務局としては他団体の議会の状況を調べると設立議会は同様の議案数でも1時間程度で終了するという見込みで午後1時半からの開催としたらしい。 
日程 議案 内容(件名とは異なる)
1 仮議席の指定
2 議長の選挙
3 議席の指定
4 会議録署名議員の指名
5 会期の決定
6 副議長の選挙
7 発議01 議会会議規則の制定
発議02 議員の報酬・費用弁償条例の一部改正
8 議案01 副広域連合企業長の選任
9 議案02 公告式条例の専決処分の承認
議案03 休日を定める条例の専決処分の承認
議案04 事務局設置条例の専決処分の承認
議案05 職員定数条例の専決処分の承認
議案06 企業長の給料及び旅費条例の専決処分の承認
議案07 議員の議員報酬・費用弁償条例の専決処分の承認 
議案08 長期継続契約締結契約条例の専決処分の承認 
10 議案09 水道用水供給事業及び水道事業の設置条例の制定
議案10 議会定例会条例の制定
議案11 監査委員条例の制定
議案12 水道審議会条例の制定
議案13 情報公開条例の制定
議案14 個人情報保護条例の制定
議案15 行政手続条例の制定
議案16 行政不服審査法施行条例の制定
議案17 暴力団排除条例の制定
議案18 人事行政の運営等の状況の公表条例の制定
議案19 任期付職員の採用に関する条例の制定
議案20 職員の分限手続条例の制定
議案21 職員の定年条例の制定
議案22 職員の再任用条例の制定
議案23 職員の懲戒手続条例の制定
議案24 職員の服務の宣誓条例の制定
議案25 職務に専念する義務の特例条例の制定
議案26 職員の育児休業条例の制定
議案27 議員・非常勤職員の公務災害補償条例の制定
議案28 非常勤特別職の報酬・費用弁償条例の制定
議案29 職員の給与の種類・基準条例の制定
議案30 証人等の実費弁償条例の制定
議案31 水道用水供給条例の制定
議案32 水道事業給水条例の制定
議案33 布設工事監督者・水道技術管理者条例の制定
議案34 職員定数条例の一部改正
議案35 企業長の給料及び旅費条例の一部改正
11 議案36 木更津市の下水道使用料等の徴収委託の協議
議案37 君津市の集落排水使用料の徴収等委託の協議
議案38 袖ケ浦市の下水道使用料等の徴収委託の協議
議案39 君津富津下水道組合の使用料徴収委託の協議
12 議案40 平成31年度広域連合企業団水道事業会計予算
13 議案41 かずさ水道広域連合企業団広域計画の承認
14 議案42 監査委員の選任
15 議案43 監査委員の選任(議会推薦)
16 選挙管理委員会委員の選挙
17 選挙管理委員会委員補充員の選挙
 企業庁を木更津市長が、副企業長を富津市長が努める事となるため、特に異論のない限り正副議長は君津市と袖ケ浦市から選出するという議員間の申し合わせを行い、初代議長には君津市の鴇田議員を、副議長には袖ケ浦市の阿津議員を選出して議会が開始された。
 
 日程第7の発議案2号は日程第9の議案7号の専決処分を承認する前に修正案を議決するという内容的に矛盾する議事進行のように思われ、本来で有れば日程10と11の間に別の日程として入れるべき案件ではないかと思ったが、法的には問題ないと事務局が判断して進行案を造っているのだろうと納得し、特に異論を挟むことなく議事進行を受け入れた。
 
 日程10に属する27議案が一括上程され、一括質疑を行う中で、石井議員から水道審議会が人口の多い市の関係者だけで選任されることがないようにという趣旨の質問が行われた後、私から以下の質問を行い、事務局に対応の確認をした。
 @定例会が君津水道企業団と同じ年2回とすると年度の初回が決算認定の11月となり、年度当初の新体制の紹介や当年度の課題などが議会に示されないが、何か対策を考えているか。
 →Ans.議会とは別に研修会のようなものを早期に検討する。
 A議会と審議会の公開に関する規定や個人情報保護に関する規定及び情報公開に対する不服審査等の処置が今回の議会に上程されていない。どの様に進めるか。
 →Ans.必要と考えているので整備を進める。
 
 日程11は各市の下水道等の使用料の徴収事務を広域水道企業団が受託して、上水道の料金と併せて徴収を行うための協議を行うという議案で特に異論が無く、日程12に進む。
 
 予算審査に入ったところで、四市の管工事組合から出されている要望に対しどの様に取り組んでいるかという質問が船田議員から出され、未だに発注形式をどうするか決定していないことに対して予算案を認めて良いのかとという意見が渡辺議員から出される。そもそも昨年の11月に出されている要望について木更津市と袖ケ浦市では説明が行われておらず、個人的に情報を入手している私以外には議論が見えていなかったのではないかと思う。
 
 管工事組合の要望をまとめると下記の通りである。
 @広域連合企業団と四市管工事組合で防災協定を締結したい。
 A入札に際しては県にならい5千万円以下を指名競争、それ以上を制限付き一般競争入札にして欲しい(※木更津市は130万円以上が制限付き一般競争入札)。
 B入札資格としては四市に本社を置き最低3年以上の営業実績があり10年以内に国や地方自治体発注工事の元請業者として受注実績のある業者に制限して欲しい。
 C防災協定を締結している業者に制限して欲しい。
 
 災害時に初動が早いのは地元業者である事は過去の災害で明らかになっており、その為には防災協定を締結している企業が優先的に受注できる事で企業の存続が図れる事は私も必要だと考えている。しかしながら過去の判例では防災協定の締結を制限の有無にするのは違法とされている。裁判官が現状を知らないとしか思えないのだが、行政としては判例を尊重せざるを得ないと云う立場だと聞いている。裁判になったら戦う気概で防災協定を条件にするよう求める事は無謀であろうか。
 それよりも大きな問題で調整が出来ていない事は、品質や工事の基準を統一したものの10年間は事業を四市別のセグメントで進める事で同意されているのだから、発注もセグメント別に基準を変えて現在の状況を踏襲して欲しいというものである。これは私が昨年の9月議会の一般質問で確認した四市統一名簿による発注業務の統一という方針とは異なる対応になるが、強い不安が存在しているように思われるので、個人的には数年の移行期間を設けることもやむを得ないのかなと思っている。それより決まらないことで発注が遅れ、業務が年度末に集中することの方が支障が多くなると思うのだ。
 
 採決に移り渡辺議員から反対討論が行われたところで休憩を申請され、13人の議員が別室で対応を話し合うことになった。人数は一人違うが、まるで「十二人の怒れる男」である。予算を成立させないと来年度(来週)からの事業が進められない事については皆の意見は一致しており、速やかに対応を議会に示すこと等を条件に賛成討論を行うことで通過させる事を決めて議場に戻り議事を再開し、議案40号は可決された。休憩中に別室で協議するという状況は近年の木更津市議会ではなかったので、個人的は新鮮な議会運営でもあった。
 
 これ以降の議案はスムーズに可決される。個人的には多田監査委員の経歴が示されて居らず、木更津市の職員を経て君津広域水道企業団の監査委員を行っている事の補足が必要だと思うし、選挙管理委員会とその補充員が全て木更津市民なのは企業団の選挙管理委員会は四市の選挙管理委員会が持ち回りで努める事となった事について補足がないと、経緯を知らない者が資料や議事録を読んだら最大人口都市の横暴かと思うので、事務局の不手際だと思うのだが、参加した13人の議員には共有されている情報なので取り敢えず異論を出さずに閉会まで進んだ。
 会議が終了したのは16時を回っていたので開会から2時間半が経過している。今までの君津広域水道企業団議会では速やかに議会が終わっていたので、事務局の方々には今後の議会が憂鬱になるような展開であったかも知れない。
 
 ともあれ、企業団議会による各種条例の制定と予算案の承認等が済んだので、晴れて水道の広域事業が進むことになる。速やかにHP等の整備を進め積極的に四市市民に対して統合の意義を周知して欲しいと願っている。
 広域化を進めてきた私としては、国費を導入することで老朽管の更新と施設の共有化を進める事で安心で効率的な水道事業体となり、水道料金を極力抑えることで市民への還元が進むことを期待しながら長文の報告を終了する。