緊急事態宣言発出 | ||
2020/04/10記 | ||
新型コロナウィルスの感染者数増加を受けて、政府は8日に7都府県を対象に緊急事態宣言を発出した。感染者数が5位で大都会の名古屋を含む愛知県が含まれていないことが疑問であったが、愛知県知事より対象に含めるよう要請があり、次いで京都府が依頼に加わった。政府による補償を期待しての事と思うが、個人的には愛知県と京都府を含めることが妥当だと思っている。 今回の宣言の効果には、諸外国のように都市封鎖や罰則を伴う営業禁止や外出禁止が折り込まれなかったため実効性に疑問が示されている。その後に東京都と政府による業態別の休業要請対象が絞られ、当初検討対象となっていた理容店やホームセンターが除外される一方、国が除外を要請していたパチンコ店等の娯楽施設は対象に残り、居酒屋は営業時間を午後8時まで制限する事で決まったと報道があった。多分、他の宣言対象の自治体も東京都に準じた対応が求められることになるだろう。 東京都は「感染拡大防止協力金」として休業補償に準じた対応を行うようだが、他の府県も財政が厳しい中で追随する事に成るのだろうか。休業を求める業態には、営業店舗の家賃や光熱費等の固定費や最低の人件費と現に加入している保険代等は補償できるような制度を国で設定して欲しいものである。少なくとも収入減少に対して30万円を補償する制度の数多く指摘される矛盾点を考えると多くの市民から理解されると思うのである。 緊急事態宣言は議会活動にも影響を及ぼし、本日に予定されていた広域水道の勉強会を始め、市内の行事や対外的な多くの会議が中止または書面議決の形になっている。宣言発出前から中止になったものも含め、明日以降で私の日程メモに有った下記の行事予定は無くなってしまった。なお、自治体名が記載されていない会議等は木更津市内で予定していた事案である。 4月15日(水) 大相撲巡業木更津場所 4月19日(日) 青少年野球大会開会式 4月20日(月) 千葉県南議会会道路協議会役員会 4月21日(火) 千葉県市議会議長会総会(千葉市) 4月23日(木) 関東市議会議長会総会(神奈川県横須賀市) 4月26日(日) 江川区総会 4月27日(月) 基地協議会関東役員会(東京都武蔵村山市) 4月28日(火) 千葉県南議会道路協議会総会 5月03日(日) 木更津舞尊 5月12日(火) 基地協議会役員会議(京都府舞鶴市) 5月24日(日) 消防団操法大会 これ以外にも木更津トライアスロン大会やアクアラインマラソンも中止になり、延期になった東京オリンピックのためにナイジェリアのキャンプも行われない。既に木更津海岸を除き潮干狩り場も連休明けまで閉鎖を決めており、今月中に港まつりをどうするかという結論も出されるだろう。連休だけに留まらず、少なくとも秋までは例年と違う年になる事を覚悟しなければならない。 その様な中で所得が安定している公務員や事業が忙しくなっている医薬品や関連企業が、苦境に陥っている産業をどの様に支えるかという「絆」のあり方が求められる事になる。柏市では飲食店の支援を目的に「あすチケ柏!プロジェクト」が動き出している。素晴らしいと思うし各地で様々なアイデアを出し合って、良いところを真似することで苦境を脱しいたいと願っている。 国の対策を見る中で、個人補償やマスク配布等にあたりマイナンバー制度が利用されていない事も疑問である。実際の所、使える状況には無いのだろうが、台湾では個人情報を元にマスクの購入制限を行うことで安定を保っているし、IT先進国の中には感染の有無と位置情報もリンク付けして感染防止を進めている所もある。個人情報保護は感染症防止より優先されるべきか、国民的な議論が必要になっていると思う。 また「家にいよう」という基本方針の中で、家庭の状況によっては家にいる事の問題が見逃されている気もする。アメリカの大都市では外出禁止により犯罪も減っている一方で家庭内暴力(DV)が増加している事も報告されている。家庭内に閉じこめられている事でストレスを感じている夫から暴力を受ける妻子、小学校に行けない児童の世話でストレスが溜まり鬱になる母親等も考えなければならないだろう。その様な中で虐待を受けてしまう児童生徒の受入体制も検討が必要になって来るだろう。また感染防止でこども食堂が閉鎖になっているが、給食が唯一のバラスの良い食事という家庭の子どもたちの栄養状況も心配であるし、家庭内での学習習慣の有無が格差を拡大する心配も拭えない。 ジョンキンズ・ホプキンス大学の集計では日本時間の10日8時現在でアメリカ合衆国の感染者は45万人を越え、全世界で160万人に迫り、死亡者数も9万5千人に達しているようである。僅か5日前に記載した内容から5割ほど増加しており拡大のペースは緩んでいない。中国では武漢市の閉鎖が解かれたようであるが13億人の中に見えない感染者がどの程度いるのか想像も付かない状況で国境の開放など当面見通せない状況である。 世界中から伝えられる患者の選択という厳しい状況が日本に訪れる日は遠くないという覚悟の元に、可能な限り人の居る場所への外出を控え、自らが感染の媒体と成らないことを心がけつつ、それで議会人として役割を果たすことが出来るのだろうかという葛藤に悩みを深める日々なのである。 |