県内感染が増える
2020/04/15記
 3月29日に東庄町の大規模な施設内感染により県内の新型コロナウィルス感染者数が163名となり、200名を越えるのも目前の見込みだと3月30日に記載して半月が経過したが、昨日は16名の感染が確認され、ついに500名を突破して507名に達してしまった。16日間で204%も増加し3倍となる事態は恐怖を覚える。
 
 昨日の16名のうち2名は木更津市に居住する方で、木更津市での感染者数は4名となってしまった。1名は一宮町の方で、比較的大規模感染を免れていた房総半島にも感染は広がっている。
 市原・君津・安房・夷隅・長生・山武の6郡26市町村において昨日までに千葉県が発表した感染者数を一覧表に整理すると下記の通りとなる。
市名 感染者数 町村名 感染者数
1 館山市 0 1 九十九里町 0
2 木更津市 4 2 芝山町 0
3 茂原市 3 3 横芝光町 2
4 東金市 1 4 一宮町 2
5 勝浦市 0 5 睦沢町 0
6 市原市 1 6 長生村 0
7 鴨川市 0 7 白子町 0
8 君津市 0 8 長柄町 0
9 富津市 0 9 長南町 0
10 袖ケ浦市 2 10 大多喜町 0
11 南房総市 1 11 御宿町 0
12 山武市 3 12 鋸南町 0
13 いすみ市 1
14 大網白里市 0
市計 16 町村計 4
房総半島合計 20
 人口は千葉県の1/6程度(※1)の地域であるが、感染者数は1/25程度に抑えられている事が解る。人口密度が低い地域であることが機能しているのかは定かではないが、房総半島における感染リスクは現在の所低い状況である。その状況を羨み、アクアラインを渡って都内から多くの人が来る事態は感染リスクを高めることに繋がり、経済に寄与する部分があるとはいえ、悩ましい問題である。基本的には人の移動は自粛してもらいたいという緊急事態宣言の趣旨を理解して行動してもらいたい。
 
 富津市では市内だけでなく、隣接する君津市・鴨川市・鋸南町の全てで感染者が確認されていないのであるが、緊急事態宣言を受けて人が集まらない様に工夫した市議会議員選挙戦を展開中である。私も万が一の事を考え応援を自粛している状況である。
 富津市で投票日を迎える19日には茂原市で市長選挙が開始される。感染症対策が長引けば外出を控える中、日本各地で選挙が行われる事になるが投票率がどの様に変化してしまうのかが気になるし、何より投票所における感染リスクをどの様に考えるかという課題を早急に解決しなければ成るまい。
 
 現在20名の感染が確認されている房総半島には君津中央病院と亀田総合病院を含め多くの病院があり、現状では医療資源は不足していないと思われるが、今後の拡大を想定すると安心するわけには行かない。
 県も感染者の状況を報告しているが、患者434名のうち、入院中が140名(うち重症23名)、退院44名、死亡6名としているのでそれ以外の244名は自宅や大規模感染があった北総育成園のような施設内などで隔離されている状況と推察される。また、無症状病原体保有者73名のうち入院中31名、退院2名とされているが、体調が悪くない感染者は東京都等で行っているように医療機関の負荷にならないよう、一刻も早く借り上げたホテルや研修施設等に隔離しながら経過を見るべきだと考える。特に房総半島南部には人口密集地から離れた観光ホテルが多くあるので、県において早急に検討を進めていただきたい課題である。
 
 国会では与野党協議で国会議員の歳費を暫定的に削減し、感染症対策に充てようと言う議論が進んでいるようだ。国民の全てに一律10万円を給付するような案が進み、その規模に比べれば焼け石に水の規模であるが、売上が減少している自営業者やフリーランス等の痛みに寄り添うという姿勢であろう。その事を前提に考えると、我々地方議員がどうあるべきかという悩みに直面しながら今回の思う事を記載している。
 
(※1) 令和2年3月1日現在の県人口は627万6005人であり、今回集計した26市町村の人口合計は112万7002人なので、正確には1/5.57(17.96%)である。県全体の感染率は人口百万人当たり80.8人で、房総半島26市町村では17.7人である。