富津の選挙に思う
2020/04/20記
 昨年の9月22日に行われた君津市議会議員選挙は台風15号の災害が進行する中で実施され、その厳しさに心が痛んだが、昨日投開票が行われた富津市議会議員選挙は新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の中で行われる難しい選挙戦になっていた。
 多くの陣営で出陣式も中止されるなど、選挙が行われている雰囲気が出ない中、投票所での感染回避もあって投票率は落ちると予想していたが最終投票率は52.40%で前回の60.35%を7.95ポイント下回ったものの、昨年の秋の台風被害で君津市が12.47ポイント下落したほどの影響ではなく、木更津市の選挙より高い投票率となり、有権者の過半数が投票した事に驚かされた。
 同じ日に東京都目黒区で行われた区長選挙では前回を7.31ポイント上回る33.33%で平成以降で最高の投票率に成ったという報道もあり、コロナによる外出自粛と投票率の因果関係は私には解らなかった。本日告示された茂原市の状況を注視したいと思う。
 
 今回の投票の結果は下表に示す通りである。
 
候補者名 年齢 政党 得票数 当選回数
1 関 務 62 公明 1,808 1(新)
2 渡辺 務 58 1,557 4
3 三富 敏史 59 1,498 1(新)
4 猪瀬 浩 44 1,477 2
5 山田 重雄 72 1,467 2
6 宮崎 晴幸 38 1,375 1(新)
7 福田 好枝 61 共産 1,256 1(新)
8 三木 千明 52 1,179 2
9 千倉 淳子 55 1,068 2
10 諸岡 賛陛 49 1,046 2
11 石井 志郎 69 1,019 5
12 平野 英男 52 950 3
13 平野 明彦 64 933 6
14 渡辺 純一 46 905 1(新)
15 佐久間 勇 64 878 3(前)
16 福原 敏夫 79 824 6
17 高木 一彦 53 466 -
 
 新人5人・現職11人・前職1人の17人で、定数より1人多い少数激戦の選挙の結果、現職の高木議員が苦杯を飲む結果となってしまった。個人的には青年会議所の後輩であり、災害ボランティア議連で一緒に活動している友人であり、昨年の台風災害では富津市災害ボランティアセンターの運営に精力を注いでいた事を知っていただけに残念な結果になったと落胆している。まだ53歳と若いので次のチャレンジを期待したいものである。
 
 当選された16人の議員から正副議長を決めるための臨時議会が連休明けにも開催されるものと思うが、木更津市でもコロナに関する補正予算や条例改正などの臨時会が検討されており、富津市でも単なる人事の決定でなく具体的な市政運営に関する議案も出されることになると推察する。当選された5人の新人議員の多くは研修を積む暇もなく、何が起きているのか充分に理解する間もなく議員としての責務を果たして行かねばならない。大変だろうと思うところであり、遠くからエールを送りたい。
 
 様々な広域行政を一緒に進めていく富津市であるが、佐久間前市長が財政破綻宣言を出した事による影響で前回の市議会議員選挙では当時の現職議員に激しい向かい風が吹いた。その事もあってこの4年間は平野明彦議長を中心に議会改革が進み、「機関としての議会」という意識の元で「市民との意見交換会の開催」「課題研究会の立ち上げ」等の取組が行われてきた。議員歳費を2割削減する中での取組は刺激になることが多く、今後もお互いの議会で前向きな取組を続け、地域住民に対して必要とされる議会を造りあげていきたいと考えながら、今回の記載を終えたい。