緊急事態宣言延長
2020/04/10記
 先月10日に緊急事態宣言の発出を記載したが、政府は今月末までの延長を決めた。連休期間中の移動は少なく抑えられているが、それでも感染者が少ない場所に発生する可能性が考えられるので経過観察的に延長されることは仕方ないと私も考えていた。
 未だに感染者が出ていない岩手県を始めとする地域では学校の再開や経済活動の緩和が行われる事にも成るだろう。全国一律の延長といいながら地域毎に差が出る事を認め、全国一律に疲弊する事態を抑える配慮は必要だと思う。
 さて、今回のコロナ対策で諸外国と日本の差が改めてクローズアップされている点がいくつか有るので思いつくまま記録としてメモを取ることにしたい。
 
 最初に「個人情報」の問題である。今回は遊戯業が報道で表に出ていたが営業休止だけでなく、諸外国では個人の外出も規制し、従わない者には罰則を与える処置を執っていたところも多かった。更に感染者は現在地や過去の行動といった個人情報まで明らかにされ感染の可能性を各自で判断できるシステムを創っている国もある。個人情報を出すべきではないとか行動の自由を制限するべきではないという意識は解るが、更に死亡率が高い感染症と向き合う事態になったときに現在の制度には不安を感じる。
 例えば営業休止に従わないパチンコ店の情報が出されるのと同じように、そこに行くお客の情報も明らかにする事で感染防止に繋がるという考えもできる。感染者の個人情報を明らかにする事によって生じる排除や差別は教育と啓発と広報で緩和し、国民全体で共有するという事も考えるべきなのかもしれない。
 今年は国勢調査の年であるが、それも個人情報保護が先に立ち正確な国民の実態が把握できないという問題が生じているが、統計調査や感染防止には個人情報の秘匿を制限する事を検討すべきではないかと考えている。
 
 次に「個人番号」の問題である。経済支援として住民基本台帳に掲載されている外国人も含め一律10万円を支給する緊急措置が講じられたが、これはベイシックインカムの実行事例になると私は考えている。例えば緊急事態宣言が延長され経済の崩壊が進んだ場合、経済的理由による自殺者防止を兼ねて再度経済支援が行われる可能性が否定できない。
 政府は自治体を通じて振込を行う世帯主の口座を明らかにする事務を進めている。家庭内暴力で別居している人へは別途入金するような救済措置が行われているが、世帯主が勝手に消費してしまう事等の問題も指摘されている。この際だからマイナンバーカードに機能を付加し、給付額までを引き出せるキャッシュカードのようにすれば、政府から個人への直接給付になり自治体の手を煩わせることもなく支給の速度も速くなる。個人的にはその様な金融機関として郵便貯金を残すべきと考えており、国民一人に対応する義務口座が有って良いと思うし、それと個人番号がリンクすべきと考えているのだ。
 
 まだまだ思う事はあるが「9月入学」の議論について考た事を最後にしたい。これは大学入学を世界標準の9月に変えるという事が基本であるが、小中学校の入学も変更されることを考えると、同級生が9月1日生まれから8月31日に移行する必要があるだろう。なお、今の考え方だと9月2日から9月1日となるが解りにくいのでこの際改めた方がよいと思う。今の同級生はそのままにすべきと思うので、小学校1年生に入学する基準を変更して調整することが現実的だろうと考える。
 9月に移行した年の小学校1年生が4月から翌年8月までの17ヶ月分を入れると前後の世代との生徒数の偏りが大きくなりすぎて支障になるので、5年間掛けて13ヶ月分の受入を行って段階的に移行していくのだろうと想像する。その最終年が大学を卒業するまで考えると21年という長い時間を費やすことになる。その頃には卒業は別にして、企業から退職する時期の考え方は、定年の定義と供に根本的に変わっているだろうと思う。
 学校の学期割も9月から12月まで授業が行われて冬休み、1月から4月まで授業が行われて大型連休、5月から7月まで授業が行われて卒業式があって夏休みと変わり、現在3月に有る春休みが無くなるのだろうとか色々想像するが、6月に受験シーズンを迎えると雪で交通機関が乱れる心配が無いことが魅力だと思う。その代わり引越シーズンが真夏になるのは体力的に厳しいだろう。
 会計年度が9月1日から8月31日に変更される事を想定すると、予算編成時期も変更になり、現在と同じ制度だという前提では議会は8月に予算審査・2月に決算審査に変更となる。季候の良い4月に公共工事が止まるとか真冬に暖房を入れて照明機器を用意して工事するような無駄は無くなると思われる。年度当初に台風が来るので補正は行いやすくなるだろうとか考えると、現行制度よりメリットが多そうな気がしてくる。
 
 連休中を自宅に篭もっていると色々なことが考えられる。緊急事態宣言の延長に伴う経済支援策など、様々に対応すべき問題も多いのであるが、今日は感染症の状況から離れ、対策に関して抽象的な話題を記載したくなったのである。