一部解除を考える | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2020/05/15記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
新型コロナウイルスの急激な拡大を受けて緊急事態宣言が7都府県を対象として4月8日に発出され、同月16日には対象地域が全国に拡大される中で異例の自宅に篭もる大型連休が過ぎた。 連休中に人の移動で感染が拡大したので有れば潜伏期間を経て各地で新規感染者が確認される所であるが、国民の協力が効果を発揮したようで新規確認者の数は減少を示し、千葉県においても昨日は45日ぶりに新規の感染者が確認されなかった。 政府はその状況を前提に昨日39県の緊急事態宣言を解除すると発表した。47都道府県のうち8都道府県では引き続き宣言は継続されるが大阪府の吉村知事は状況の沈静化で営業自粛を緩和する事を同じく昨日に発表した。岡山県と徳島県では緊急事態宣言発出中も営業自粛を要請していなかったように、継続して緊急事態にある自治体も知事の裁量で営業自粛は緩和や廃止が可能な法制度であるので大阪府の行為は何ら矛盾するものではない。 緊急事態宣言を解除する目安として示されたのが一週間で新規感染者が10万人あたり0.5人を下回る事であるが、兵庫県と千葉県ではその数値を下回っているものの、それぞれ大阪と東京との往来が多いため一体として考えるべきという事で解除されなかったようである。因みにこの一週間で22の県で新規感染者が確認されなかったようなので、感染は主に大都会の中に閉じこめられたように感じられる。 因みに47都道府県のうち39県が解除されたので単純計算すると83.0%(=39÷47)が解除されたようにも感じるが、人口の割合は54.0%であり、経済規模(GDP)では50.6%という事である。僅か8都道府県でGDPの49.4%を占めていることにも驚かされるが、ともあれ依然として日本の約半分は緊急事態宣言の中に有ると考えるべきだろう。 私は今までも房総半島の状況を整理してきたが5月7日からの一週間を調べてみると先に述べた22の県と同じように新規感染者は確認されておらず、下表に緑で着色した13市町村では今回の新型コロナの感染者が無い状態が続いている。 |
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前回も上げたように、感染者数のグラフを更新すると下図のようになり水平になった線が嬉しく感じられる。 ![]() 私が集計している26市町村の人口は合計で約112万7千人なので、一週間あたり5.6人以下に抑えることが出来たら国が示した目安を下回ることとなる。4月21日から28日にかけては6人の増加だったので下回ることは出来なかったが、それ以降は国の目安を下回り続けている状況である。 緊急事態宣言を受けて対応する単位が都道府県であるから仕方ない部分もあるが、千葉県の房総半島と同じように埼玉の秩父や神奈川の丹沢地域も感染は抑えられていると思う。関西でも兵庫県の丹波篠山市や豊岡市、京都府の舞鶴などでは大阪との往来は少ないだろう。更に各支庁が県を上回るような広大な面積を持つ北海道では札幌周辺の石狩支庁とそれ以外を区別して対応を考えるべきではないだろうか。 緊急事態宣言が継続された自治体に住むために他県との往来自粛が継続され、自粛を守らなかった場合は『自粛警察』と呼ばれるような監視の中で問題視され、事によってはネット上で批判に曝される事態になる状況が続けられる事のストレスは決して軽くないと思うのだ。 もちろん、それより重要なのは疲弊している経済活動を少しでも元に戻すことである。地域の状況を検討し、感染が抑えられている地域では緊急事態宣言が継続中であっても感染対策を徹底しながら飲食店や物販を復活させ、雇用の回復と消費の拡大を段階的に進める工夫に取り組むべきだと思うのである。 更に学校や保育の現場の再開や屋外運動施設の利用制限の解除などを考え、3密が避けられそうな状況で有れば日常を取り戻すための一歩を踏み出す工夫も求められていると思うのだ。 多分、解除に伴う気の緩みで再度感染が増えることもあるだろうが、医療現場が対応できる範囲で有ればインフルエンザと同様のリスクと考え、経済を支える段階に進むべであろう。 報道では新型コロナウイルスは猫も感染し、猫から猫に感染するようである。インフルエンザが豚に感染することで型が変わって再度拡大するように今回のコロナウイルスも型が変わることで一度感染して退院した患者が再度感染するような事態になることが想像される。そうなると数年に渡ってコロナと供に進む世界に成ることが予想され、新たな生活様式が求められてしまう。 その事は都会のリスクが続くことになり、コンパクトなまちづくりは正解なのかという疑問も出てくる。アクアラインを通勤に活用するという前提より就業の場も誘致することで地域で完結する生活圏を造ることも求められるだろう。 長期的なまちづくりを改めて考える事が迫られているように感じながら、個人的にも早く失われた日常を取り返したいと思いつつ今回の緊急事態宣言の一部解除にあたって思う事を記載した。 |