専決処分が続いて
2020/07/03記
 昨日都内での感染者が107人となり、今日も124人を数えるなど、5月25日に緊急事態宣言が解除されても比較的落ち着いていた感染が6月19日の県境を越えた移動の自粛も解禁されたことや世界の中でも東アジア人は感染しないとか日本人は衛生環境が万全なので大丈夫だとかという根拠のない話が飛び回った結果で急激に増加し、警戒が緩んだ影響が出始めたと感じている。
 
 房総半島の26市町村でも6月30日に木更津市で、7月2日には市原市でそれぞれ1人の新規感染者が確認され、2ヶ月に渡って安定していた累計感染者が下図のように動き始めてしまった。
  
 
 日本全国でも累計感染者が2万人を越え、死亡者数も間もなく千人に到達するだろう。それでも感染者の多くが若者で、無症状や軽症者が多いことから再度の緊急事態宣言の発令には至りそうもない。無症状の感染者が明らかに出来るほどの検査態勢と、そのような感染者を医療の負担にならないように隔離するホテル等の施設が十分に用意されている現状ではその判断も理解できる。しかし、感染が指数関数的に増えると考えると現在の状況は安心できるものではないと判断すべきである。
 
 その様な状況の中ではあるが、木更津市では国の第二次補正予算の成立を受け子育て支援や観光支援を目的として本日専決処分を実施した。
 今年度になり5月7日の臨時議会での補正予算、5月22日の専決処分、6月4日に上程され16日に可決された定例会での補正予算に続く第4段の補正予算であり、7月20日で調整を始めた臨時議会で更に第5段を行う予定となっている。
 今回の専決は2事業だけであり、臨時議会の中で「専決処分の承認」として審議される中で詳細な内容を明らかにするが、下表の概要では誤解される可能性もあり、急ぎ知りたい方は市のHP等で確認してもらいたい。
 
概略名称 概要 総額
1 ひとり親家庭特別支給金 第1子5万円補助等 125,056
2 宿泊施設等利用促進事業 最大1万5千円クーポン 18,625
合 計 143,681
 
 金額の単位は千円であり事業費総額1億4368万1千円は全て国費であり、木更津市の一般財源は使われていない。工事等で議会の議決を必要とする金額は1億5千万円なので、専決処分もその額程度ならやむを得ないと個人的に考えているが、今回もその程度の事業費であった。
 
 感染が拡大している危機感を自覚しているものの、宿泊施設の苦境も理解できるので宿泊者にクーポンを発行するという考えも否定するものではない。国もGotoキャンペーンという旅行を後押しする姿勢を示している。
 しかし多くの観光地は人口が少なく医療施設が貧弱な場所である。その様な場所に我々のような首都圏の観光客を受け入れることに対する不安や嫌悪感は無いだろうかと心配になる。今回の感染症が県境に見えない壁を造っているように感じられるのだ。
 
 2万人を越えた累計感染者のうち1万8千人以上は既に退院して日常生活を送っている。高齢者や免疫が弱い方が重症になり亡くなる方も出ることが今回の感染症の怖いところであるが、世界中の医療機関が処置方法を検討する中で重症に成る前に対処できる比率は高まっていくだろう。
 コロナ以前にもインフルエンザは恐れられていたが、現状のように経済運営を破壊するほどの対処はされていなかった。中南米のように医療崩壊して対応が出来なくなる事態に成らないように感染を制御しつつ、感染者を適切に処置できる事で恐怖感が払拭できる日が一刻も早く来ることを願うばかりである。
 
 今回も専決処分の事業が速やかに市民の生活支援に回ることを期待しながら記載している。