PCR検査が始まる
2020/08/21記
 私を含め、多くの方が新型コロナウイルスへの感染状況を把握するためきめ細やかな検査態勢が必要だと春頃から発言していたが、木更津市・君津市・富津市・袖ケ浦市の四市市長は昨日連名でPCR検査センターの設置について発表した。
 
 事業主体は君津保健所を所管する千葉県で、千葉県が運営者となる君津木更津医師会に委託するとともに、検査センターの設置者は君津郡市広域市町村圏事務組合で、検査は民間検査機関が実施するという形になる。
 正式名称は「地域外来・検査センター」で設置日は8月20日であり、昨日午後からドライブスルー方式で検体の採取が始められたと聞く。場所については混乱を避けるため未公表と決定されたので私も場所は記載しないし、場所が推定されるような写真も掲載しない事にする。
 当初は9月に入ってから運営を始めると聞いていたが、医師会のご尽力で8月20日まで前倒しに成った事には感謝したい。
 
 受検するためには地域の連携医療機関に予め相談の上で受診し、医師がPCR検査が必要だと判断した場合は医師が検査センターを予約し、指定された日時に患者が自家用車で検査センターへ行き、唾液で検体を提出するという方法を執るようである。検査結果は民間検査機関から医師会を通じて連携医療機関に報告され、患者は連携医療機関から判定結果を聞くことになり、陽性の場合は保健所から指示が来るので自宅待機して待つことになる。
 
 検査数については公表する方向だと聞いているが、千葉県が所管する保健所の発表は千葉市や船橋市の保健所のように詳しくないので陽性率等の情報については手に入らない可能性が高いと考えた方が良いようだ。
 四市が合併すると中核市への移行条件を満足し、中核市は保健所を運営できる点がメリットであると2002年に合併運動を進めた頃に提案していたことをコロナ騒動の中で思い出した。将来的には地方分権の流れの中で保健所の移管が検討される事になるかも知れないが、感染症対策で主体的な施策を行うためにも保健所の必要性を痛感する。
 
 さて、検査センターの運営が始まった日に日本の累計感染者数は前日より1186人増加した結果、6万人の大台を越えた。昨日中に新規感染者が確認されなかったのは青森・鳥取・愛媛・高知の4県だけであった事が示すように、夏の帰省や旅行で全国に蔓延している状況にあると思われる。
 房総半島でも同様に各地で感染者が現れ、8月11日の段階で感染者が居なかった富津市・九十九里町・大多喜町で陽性者が確認された。8月20日までの9日間では下表に示すよう27人が増加し、感染が記録されていないのは5町村だけに成ってしまった。
市名 感染者数 町村名 感染者数
1 館山市 1→6 +5 1 九十九里町 0→2 +2
2 木更津市 42→45 +3 2 芝山町 1→1
3 茂原市 6→8 +2 3 横芝光町 6→7 +1
4 東金市 4→4 4 一宮町 3→3
5 勝浦市 2→2 5 睦沢町 0→0
6 市原市 32→40 +8 6 長生村 0→0
7 鴨川市 1→1 7 白子町 1→1
8 君津市 14→14 8 長柄町 0→0
9 富津市 0→3 +3 9 長南町 1→1
10 袖ケ浦市 12→12 10 大多喜町 0→1 +1
11 南房総市 1→1 11 御宿町 0→0
12 山武市 7→9 +2 12 鋸南町 0→0
13 いすみ市 1→1
14 大網白里市 2→2
市計 125→148 +23 町村計 12→16 +4
房総半島合計 137→164 +27
 
 木更津市も3人増加しているが他の自治体の増加が多いので相対的に木更津市の割合は低下している。房総で感染が確認されて以降の累計感染者数をいつものようにグラフにする。
 
 7月中の増加が急であったので多少落ち着いてきたようにも見えるが緊急事態宣言が出されていた頃より伸び率は高く、亀田総合病院以外にも比較的大きな病院に恵まれているとは言え、医療機関の状況は大丈夫だろうかと心配になる。
 
 今回設置されるPCR検査センターは、医療機関の運営を円滑に行うことを目的としているので、世田谷区のように全ての住民が「何時でも、何度でも」検査を受けられるようにするものではない。海外旅行に行くとか仕事のために陰性証明書が必要だとかの場合は今までと同様に個人的に民間の検査センターを受ける必要があるので、そこまで便利にしては居ない。
 市民の心配を解消することを目的とするなら常時検査を受け入れることが理想であろうが、検査に伴うコストを考えると医師が必要と考えるものが受検出来る現在の体制が現実的と思う。
 陽性と判断された軽症の患者が感染を広めないための隔離施設と成るホテル等も確保する中で、感染の沈静化を進めていくことを願いながらPCR検査センターに期待したい。