横浜へ研修に行く
2021/05/15記
 緊急事態宣言の対象エリアが北海道・岡山県・広島県に拡大されるような状況の中ではあるが、パシフィコ横浜で開催される「自治体総合フェア2021」で気になるセミナーがあったので久しぶりに高速バスに乗って横浜に出かけた。
 平日の8時半に入庫した袖ケ浦バスターミナル脇の市営駐車場は半分も埋まって居らず、依然としてリモートワークが続いている事を感じさせた。8:51のバスは金田で8人乗ることで乗車率がやっと半分を超えた程度で、運輸機関の苦戦が続いている事も理解できる。逆にその程度の混み方だから隣が空席のままで横浜まで移動できた。
 パシフィコ横浜の最寄り駅は横浜駅から「みなとみらい線」で3分移動した「みなとみらい駅」である事は知っていたが、感染対策と健康増進のために25分歩いて向かう。会場を少し通り過ぎて臨港パーク周辺の建築や公園のデザインを見学して10時半に会場入りした。
 
 
 自治体総合フェアに類するものとしては2月25日に幕張メッセで開催された自治体・公共week2021に参加したが、そちらは企業による最近の技術提案の最前線を見に行ったもので、今回は民間ブースにはそれほど興味はない。実際に出店者数は感染症の影響もあるのか幕張に比べて1/3以下の規模で寂しく感じたが、セミナー開始までの時間を利用して情報収集も行った。
 静岡県小山町が大和ハウスをパートナーに選び造成販売した企業団地は地区計画制度を活用したものであるが、そのスケジュール感の早さに感心するとともに、企業用地不足に陥っている木更津市でも活用したいと話を聴いてきた。
 
 11時開始となる『議会改革で住民福祉は向上したか?』というセミナーの講師は福島県会津若松市・東京都あきる野市・岐阜県可児市・兵庫県伊丹市の各市議会議長経験者で全員がリモート出席である。進行は元徳島県川島町の町長であり現在は早稲田大学マニフェスト研究所の中村事務局長で、会場内で画面を前に進行した。聴講席には袖ケ浦市の佐藤議長も来られていたので隣に座ったが、全体で聴講者は12人と寂しいものであった。なお会場の撮影は禁止であるため画像はない。
 改革派の議長に共通しているのは他市の良いことは徹底的にパクル(Tettei Tekini Pakuru:TTP)という姿勢と、「聴く」「調べる」「伝える」活動の強化である。良い情報を共有することで全国の議会力を底上げしようとしている考えには共感できる。
 「聴く」姿勢として感心した事は、単なる議会説明会を行うだけではなく「移住者」「外国人」「子育て中のママ」という様に日常的な発信が少ない対象と意見交換を行う中で市の課題を抽出していることや、行政が建築事業を行う周辺住民と議会が対話を行うことで設計上の課題を見いだすことなどが勉強になった。
 「調べる」姿勢の中では、予算決算委員会の審査に先立って行政から説明を受けてから議員間で討議を行う中で論点を明らかにして望むこと、議員個人の活動を支援するように議会として行政からの情報を引き出して提供することは参考になる。
 「伝える」姿勢では広報誌の充実や高校生議会等の開催も良く聞くが、学校や地域と協力する中での模擬議会を開催して主権者教育を行っている事には感心する。また、委員会審査の意見書の中で単に賛成とするだけでなく審査の中で出された建設的な意見については委員長若しくは議長からの提言案として伝えている点も刺激になった。
 「首長の考える住民福祉を越えるための議会の在り方」を考えている姿勢は自戒の念を込め、さらに考えねばと思った。
 
 1時間半のセミナーが終わって遅めの昼食を摂る。次のセミナーは午後3時なので食事後に近くを散歩する。蔓延防止等特別措置が続く中の平日ではあるが、横浜は様々に魅力を高めるための施設が出来たりイベントを開催している事も、散歩した僅かな範囲から見て取れる。今は感染症対策が最重要ではあるが、コロナ後を睨んだまちづくりも重要だなと感じさせられた。
  
 
 15時開始の『地方創生への新しい展開「シビックプライド」への期待』というセミナーの講師は岩手県北上市・茨城県行方市・神奈川県相模原市の各市長と読売広告社の北村氏で、相模原市長以外はリモート出席である。進行は関東学院大学の牧瀬教授であり、会場は動員も有ったのかは知らないが50人以上が入り、前のセミナーとは打って変わって活気に満ちていた。
 市民が都市に対し「誇り」「愛着」「共感」「定住意識」「推奨意識」を持つことで街は自分事となり、自発的に街を良くしようとする事を目指すものが「シビックプライド」の考え方で、意識醸成に時間が掛かるので即効薬ではないが、漢方薬のように効いてくる。なお、個人的にはカタカナのままでなく、地域愛尊というような漢字を充てて定義付けしてもらう方が良いと感じている。特に、育った都市への共感や記憶を育むために、行政は都市での良い想い出造りを積極的に行うべきだという考え方には同感できる。
 セミナーの中では人口減少下で取り合いをするべきかという点に疑問を投げかけていたが、私は市の考え方、例えば自治会活動に積極的に参加するとかボランティア活動に協力するとかの意識を持った市民なら積極的に確保に乗り出しというのも目指すべき施策ではないかと思っている。しかし、住民以外でも地域産品を購入したり週末に過ごしに来たりする、良い交流人口を増やすべきと言う考え方には同感である。その様な意味で災害時には積極的にボランティアを受け入れ、外部の住民が自分事として考えてくれるように仕向けることは肝要だと、講演に無いような事も考えていた。
 
 16時半を回ってセミナーが終了した。横浜中華街や関内の魅力も強いが、今は感染対策が重要だと自らに言い聞かせ、再び横浜駅東口バスターミナルまで歩き、17:40のバスで帰宅して自宅で夕食を摂った。読書で学ぶことも多いが、肉声によるセミナーは自信にあふれた部分や悩みながら進めている背景も感じられ、共感しながら理解できる点が魅力である。
 当面は感染対策のため出かけることも躊躇われるが、その様な中だから明日に向けた蓄積を行わねばと横浜で考えていた。