制限緩和を考える | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2021/10/02記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
緊急事態宣言が全国的に解除され、昨日は最初の夜を迎えた。千葉県では県の認証を得た40店以外の確認店舗では夜8時までという制限はあるものの酒類の提供が認められ、多くの休業店舗が再開したようである。初日は金曜の夜であるものの、残念ながら台風16号が多くの警報を発令させながら通過した直後という事もあり一気に人出が増えたとは聞いていないが、これから次第に賑わいが戻ってくるものと思われる。 緊急事態宣言の解除について記載した前回の27日から昨日までの4日間に木更津市では10人の感染が確認されているが、房総半島の26市町村では表に着色した7市で合計34人の新規感染者が確認されただけに過ぎない。一日当たりで8.5人、人口10万人当たり一週間感染者数では5.32人まで下がっている。 |
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12の町村では感染拡大が見られなかっただけでなく、地域としても安房郡市・夷隅郡市・長生郡市では4日間全く発生していないのである。県としては東飾地方と同じように段階的に規制を解除する考えのようであるが、これらの地域で感染するリスクは極めて低くなっていると考えられるのである。 しかし、これだけ感染が抑えられている原因が実はよく解っていないのである。ロックダウンに近いような行動規制が行われたわけではなく、ワクチン接種率が限界まで上がったわけでもない。 減る要素はあるのだが、ここまで劇的に減る理由が理解できないのである。逆に昨日から始まった制限緩和が社会実験となっており、これでまた爆発的な感染拡大が生じた場合、飲食店等の規制が再び強化される事が生じないとは言えないのである。 房総半島で最も人口10万人当たり一週間感染者数が高くなっているのは木更津市で、第5波の高い山から下山し切れていない状況である。それをグラフで示すと次のようになる。 ステージUの状況に入ってから安定している状況なので、この状況から悪化しない限り医療現場への負荷は低減できるものと思われるので房総半島の他市より多くても心配ない。 因みに9月中の市内新規感染者数は169人であり8月の672人と比べると約1/4に成っている。7月までの845人と8月・9月の年齢別構成比を比べたものが下図である。 先月と比べて10歳未満の増加が少し目立つものの劇的な変化があった訳では無く、夏以降は60歳以上の高齢者が少なくなった年齢構成が安定しているように感じられる。 次に年代別の増加傾向を見てみる。感染者数の合計が約250人前後で並んでいる10代・30代・40代の累計感染者数を折れ線グラフにしたものが下図であるが、第5波における増加傾向が見事に一致していたことが図から解る。 因みにグラフは示さないが、9月末で累計416人も感染者が確認された20代も上図と相似形のように同じ傾向を示しており、これらの世代での顕著な差は見られない。 一方、7月末までほぼ同じ感染者数であった50代・60代では今回の第5波の影響が大きく異なり、現在では累計感染者数に大きな差が生じている。 さらに7月末で構成比5%程度であった10歳未満と70歳以上の世代では、下図に示すように10歳未満だけが第5波の影響を強く受けたことが解る。これを見る限りワクチン接種の効果が劇的に出ているのではと推察されるのだ。 増加傾向を示していない60歳以上のワクチン接種率は下表に示すように9月26日時点でも80%を越えている。若い世代の接種が進んでいないことが傾向に影響していると思われる。 |
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増減を見ると、7日間で10,527回の接種であるので、1日当たりの接種回数は1,504回である。1回目の接種者は前回に比べて増えており、総人口に占める2回接種済み者も55%を越えている状況であり、仮に全市民の70%が2回接種を終えることを考えると 136,034×0.70×2=190,448回となり、既に165,890回の接種が終わっているので不足は24,558回である。これを現在のペースの1,504回/日で割ると16.3日で達成する計算となる。 全市民の80%で計算すると34.4日を必要とするが、それでも来月初旬には全ての世代の希望者が2回の接種を終えることも可能になってきたように見られる。 もちろん、ワクチン接種だけでなく行動抑制の状況が違い、学校や仕事に行かなければならない現役世代では感染が進んでしまうことは理解できる。それでもワクチンの影響は大きいと考えるので、既に6割近い国民が接種を済ました中で、次の第6波がどの様な形態をとるのか、この制限緩和の影響が出始める今月中旬の様子を注視しなければと考えている。 私も制限緩和の恩恵を受けて、木更津の経済を回しに行かねばと考えながら、今回の分析記事を終えたい。 ※10月4日に接種状況等の加筆を行った。 |