議会運営を考える
2023/04/30記
 市議会議員選挙は23日に投票日を迎え24人の議員が決まったが、実は議員の任期は今月いっぱいとなる今日までで、新人議員が議員としての立場を得るのは明日からとなる。
 議会を代表する立場である重城議長・草刈副議長の任期も今日までで、明日からは形式的には24人の議員が全て対等な立場となる。しかしながら議長が決まるまで全てを全員で協議するわけではなく、明後日の2日には議長経験者による会議を行い議会運営委員会の代わりとする形で臨時議会までの日程案を審議する。
 
 現職議員で議長経験者は次の5人である。
  第42代(H5.6.23〜H6.2.7) 三上和俊議員、
  第54代(H17.3.29〜H18.3.30) 大野俊幸議員、
  第61代(H29.6.8〜H31.4.30) 齋藤高根議員、
  第62代(R1.5.14〜H3.6.3) の私
  第63代(R3.6.3〜H5.4.30) 重城正義議員
 
 三上議員が議長を経験してから30年が経過している事にも驚かされるが、24人中に5人も経験者がいる議会も珍しいと思う。
 私が当選する平成19年までは木更津市議会の議長任期は原則として1年であり、その任期途中に交代を余儀なくされた者も多くいたと44年の経験を持つ三上議員から話を聞いたことがある。しかし平成19年以降は2年に伸びた任期の途中で交代した事例は見ていない。2年に伸びた結果、議会の運営だけでなく対外協議も安定して行えるように成った一方で、議長を経験せずに議員を終える者も多くなっている。私は現在の運営の方が望ましいと思うが、今後については議員の間で考えて行くべき事であろう。
 
 さて、今期は数年ぶりに新人議員が多くなったので正副議長以外に必要な役職である3つの常任委員会委員長、議会運営委員会委員長、議員発議により設置される特別委員会の委員長、広報委員会の委員長など、委員長職が9人程度は必要になるため新人以外の多くの議員は何らかの務めを果たしてもらわねばならない。
 更に広域議会として水道広域連合企業団議会に4人・病院企業団議会に2人・広域市町村圏事務組合議会に議長とは別に1人・後期高齢者広域連合議会に1人の合計8人が議会を代表して出向することになる。単なる人数合わせではないのでこちらも経験者の中で選ぶ必要が出てくる。
 2期目以上となる議員の数は17人であり単純に考えると全員が何らかの役目を果たすことになりそうだが、議会の意見を代表していない少数派の極端な意見の持ち主を選出するリスクなどを考えると一人二役も珍しいことではないだろう。因みに8年前に3期目の当選を果たした直後には総務常任委員会委員長・基地対策特別委員会委員長・君津広域水道企業団議会出向と三役を兼務しながら議会運営委員会の委員も務めていた。その様な役割を担う議員も必要になってくるだろうと考えている。
 
 来週の初会合で常任委員会の希望を確認し、各委員会が8人になるように調整されることになる。近年では新人議員の人気が高いのは教育民生常任委員会で、会派構成や任期も考えたバランスが必要となる。
 また今回は3人以上の議員で構成される「交渉会派」は羅針盤・自民クラブ・公明党の3会派だけになりそうで、議会運営委員会や会派代表者会議は少人数になりそうである。議会運営ルールを検討する場として多くの意見を集約するため制度設計は議会運営委員会ではなく特別委員会を設置して検討することも検討の余地がありそうだ。特に無会派の議員が多くなることは交渉会派に所属しない議員の権利確保を見直す必要がありそうだし、決算審査と予算審査には委員の数を増やすような改革も臨まれる。
 その前に現実的な問題として会派室の移動や大部屋に間仕切りを入れるような改修も必要になってきそうである。中には6月議会まで落ち着く部屋がない者も出てくると思われるが、その様な立場は12年前に「羅針盤」を立ち上げたときに一度経験している。
 
 何れにしろ来月中旬には新たな議長が決まり、木更津市議会が動き出すことになる。今までの経験を尊重しながら変えるべき点は常に改善を重ね、市民の期待を受けられる市議会を造らねばと考えているところである。