夏の暑さを比べる
2023/07/19記
 今から40年ほど前になるが学生時代に過ごしていた群馬県桐生市は木更津に比べ高い山が近いだけ涼しい街でありお盆の時期に木更津に帰ってくると暑さを感じたように記憶している。
 そんな桐生市で16日には国内最高となる39.7℃を記録したという報道があり、最近は伊勢崎市や館林市などとともに関東の猛暑都市に名乗りを上げ、「熱いぞ熊谷」を脅かすような街になってしまったように感じている。
 また、昨日の都市対抗野球の応援で出かけた東京ドームのある水道橋では午後1時半に炎天下の通路に並ばされたということもあり、木更津市では感じられない輻射熱を含んだ暑さにすっかり参ってしまっていた。
 一方で昨年も記載したように最近は避暑地のように取り上げられている外房の勝浦市の状況も気になるので、先月の1日から昨日までの最高気温に着目し、比較してみたものが下図である。
 
 
 
 詳細な資料は巻末に添付しているが、一昨日と昨日は木更津市でも最高気温が35℃を越える猛暑日と成っていたが、この48日間で比較すると桐生市の6日や東京の5日より少ない2日間であり、最高気温の平均を比べると桐生より1.7℃、東京より0.5℃涼しい街であったことが理解できる。
 一方、沖合に黒潮が溜まり高原の避暑地より快適という噂が立っている勝浦市は真夏日が僅かに2日間だけで、木更津の最高気温の平均値より3.0℃も少ない値であった。都内よりは3.5℃も低い街であった事が今年も裏付けられているので真夏のエアコンによるエネルギー消費を抑えたい企業のオフィスはWifi環境を整備してテレワーク事務所を勝浦やいすみ市に造るようにと営業できるほどの成績である。
 もちろん、木更津も勝浦ほどではないが過ごしやすい街でもあり、私のようにエアコンを入れずに風を楽しむ者にはそれなりに風が吹いて体感温度が下がることもあり。本社を移転してきたコストコの従業員は川崎より快適に過ごしている事だと勝手に想像ずる。
 
 それにしても世界的に進む地球温暖化をどうにかしないと秋田のような水害が全国を覆うことになる。国際社会は二酸化炭素を中心とした温暖化ガスの削減に努力しているが、地球の29%を占める陸地の1/4が砂漠化していると言うから約7%が砂漠だと考えられる。その土壌の含水比がどの程度なのか解らないが、そこに多くの水を蓄えることが出来たら海面上昇の危機も抑えられ、気化熱に伴う冷却気候や砂漠緑化に伴う炭素固定など様々な効果が期待できるだろう。
 特にモンゴル・中国北部・韓国・日本では春の黄砂も併せて防止するような対策にも成るのでと考えている。黄砂のうち細かい微粒子は日本まで飛散するが、基本的には粒子が細かいものほど多くの水を含めて粘土状になり水を留める効果が大きい。ちなみに関東ローム層の含水比は100%を越えている。砂漠の1/7(地球の表面積の約1%)に同様の性質の層を厚さ1mで覆うか生理用品で使われている高分子吸収ポリマーなどで水を蓄えることが出来たら、単純計算で海水面を14mm下げることが可能になる。
 
 対策が進むと多くの場合は生態系が激変し、生活環境が変化して砂漠状況を前提とした文化が失われるなどの弊害も生じるだろうが、人口増加に対する食糧危機にはプラスに働くだろうと思う。砂漠だった土地で稲作が可能になれば食糧危機は大きく減るだろう。問題はそれを賄うだけの淡水をどの様に供給するかである。
 ロシアによるウクライナの危機などという人類の愚かさを露わにした行動より、世界が力を合わせ緑化を進める事が出来ないものかと願うのは単なる夢想家だろうか。世界の大型コンピューターを使えば劇的な変化を提示でき、国際社会が動き出す日を期待しながら、今はこの暑さを乗り切らなければと思っている。
 
 なお、下表が先月からの4都市における最高気温の状況で、黄色は30℃を越えた真夏日、赤色は35℃を越えた猛暑日である。勝浦市では着色された日が少ないことが突出しており、これは魅力だと個人的には思っている。 
A:桐生 B:東京 C:勝浦 D:木更津 A-D B-D C-D
6 1 26.7 26.2 23.5 26.0 0.7 0.2 -2.5
2 19.9 23.8 22.9 25.3 -5.4 -1.5 -2.4
3 26.2 24.0 22.9 25.3 0.9 -1.3 -2.4
4 30.5 27.5 24.8 27.6 2.9 -0.1 -2.8
5 29.9 29.8 26.9 29.4 0.5 0.4 -2.5
6 27.9 25.1 22.9 24.2 3.7 0.9 -1.3
7 31.8 29.6 24.8 28.1 3.7 1.5 -3.3
8 30.0 28.7 25.2 28.8 1.2 -0.1 -3.6
9 24.9 22.2 21.9 24.6 0.3 -2.4 -2.7
10 28.8 26.0 21.2 24.6 4.2 1.4 -3.4
11 23.6 22.8 24.8 26.5 -2.9 -3.7 -1.7
12 25.2 22.5 23.3 23.6 1.6 -1.1 -0.3
13 31.2 29.4 26.3 30.2 1.0 -0.8 -3.9
14 26.8 25.8 23.7 26.3 0.5 -0.5 -2.6
15 25.9 24.1 23.8 24.6 1.3 -0.5 -0.8
16 28.9 30.7 28.6 29.8 -0.9 0.9 -1.2
17 33.7 30.9 26.9 30.7 3.0 0.2 -3.8
18 34.9 31.1 25.1 29.1 5.8 2.0 -4.0
19 30.9 27.7 26.4 28.0 2.9 -0.3 -1.6
20 29.2 27.0 24.6 25.9 3.3 1.1 -1.3
21 29.2 27.2 24.4 26.5 2.7 0.7 -2.1
22 21.2 22.6 24.7 25.2 -4.0 -2.6 -0.5
23 24.9 24.9 24.1 25.7 -0.8 -0.8 -1.6
24 30.9 29.5 25.9 28.3 2.6 1.2 -2.4
25 32.8 30.8 26.9 30.2 2.6 0.6 -3.3
26 31.3 30.4 26.4 29.0 2.3 1.4 -2.6
27 29.3 29.6 27.1 29.1 0.2 0.5 -2.0
28 32.9 32.3 26.9 30.2 2.7 2.1 -3.3
29 34.8 33.8 26.2 30.9 3.9 2.9 -4.7
30 30.6 30.5 25.3 29.5 1.1 1.0 -4.2
7 1 28.2 27.8 24.4 26.6 1.6 1.2 -2.2
2 34.8 31.7 28.5 31.4 3.4 0.3 -2.9
3 34.7 32.2 26.8 31.0 3.7 1.2 -4.2
4 32.3 30.6 28.7 31.9 0.4 -1.3 -3.2
5 28.0 28.7 27.0 29.0 -1.0 -0.3 -2.0
6 34.7 33.4 29.8 31.9 2.8 1.5 -2.1
7 36.5 34.2 30.4 33.4 3.1 0.8 -3.0
8 26.3 30.9 25.6 31.2 -4.9 -0.3 -5.6
9 33.5 33.0 25.8 29.9 3.6 3.1 -4.1
10 37.9 36.5 28.2 32.2 5.7 4.3 -4.0
11 37.1 34.3 28.8 34.3 2.8 0.0 -5.5
12 36.9 37.5 27.6 32.8 4.1 4.7 -5.2
13 33.7 30.3 28.3 28.0 5.7 2.3 0.3
14 30.0 30.5 27.9 32.1 -2.1 -1.6 -4.2
15 33.4 32.9 26.2 30.9 2.5 2.0 -4.7
16 39.7 35.3 27.7 32.7 7.0 2.6 -5.0
17 37.7 36.2 34.5 36.6 1.1 -0.4 -2.1
18 38.3 37.5 29.3 37.2 1.1 0.3 -7.9
真夏日 21 18 2 17 Ave.
1.7
Ave.
0.5
Ave.
3.0
猛暑日 6 5 0 2