能登地震で考える
2024/01/04記
 新年が明けた元日の夕方に能登半島でM7.6、最大震度7となる『令和6年能登半島地震』が発生した。大津波警報も発令され、半島の先端の漁港では4.2mの高さまで遡上した形跡があると本日発表があり、一部の海岸沿いの集落では津波で流されている家屋も多く確認されている。大きな加速度で家屋の倒壊や土砂崩れが多数発生しており、発災から3日経過した現在でも多くの集落が孤立したままの状況になっている。
 
 現在は住民の生命を守る活動が最優先される状況で、食料等の援助物資の運搬や慢性的な病人が医療を受けられる場所への搬送などを進めるべきで、医療・消防・自衛隊が優先的に活動できる環境を造らねばならない。もちろん、食料品や生活物資を供給する企業や物流の活動も重要であるし、多くの研究者は現在の課題を把握するために現場に入ることは重要な責務であると思う。ただ片付けに多くの人出が必要となるが、その様なボランティアの活動は生命が確保され現場検証が進み廃材の処理方法などが決まるまで少しの時間が必要であろう。
 
 半島の急峻な地形もあり陸路でのアクセスが難しくなっている状況の中ではヘリコプターによる搬送や救出が急がれることになるだろう。昨年末の屋久島沖での事故を受け飛行停止になっているオスプレイもこんな時は例外的に飛行停止を解除し、活用すべきではないか、と私は考えている。
 支援物資の輸送や人員の移動を加速するため道路の補修が次の段階での課題で、建設業者が既に動き出していると思うが、過疎地でもあり重機も人出も足りないであろうことは容易に想像できる。全国的にも建設業界は人手不足であるが、多くの工事の工期を一時的に中断してでも多くの業者を投入し、人海戦術で道を開くべきと考える。
 これから大寒を迎え雪も多くなると予想される。現在は崩れていない家屋も雪の重さに耐えられるか、崩れていない斜面も凍結や雪解け水で被害が大きくならないか、正に天を仰ぐ心境である。
 
 既に死亡者は80人を越えており、連絡が取れていない人数を考えると最終的には百名を越える犠牲者を覚悟せねば成るまい。大きな災害であり支援も望まれるところであるが、その一方で過剰な自粛ムードで景気を冷やしてしまうことも問題である。石川県の物産を積極的に購入して景気の下支えをすることは考えるべきで、将来的には災害復旧が一段落したら能登に観光に行って現地で消費することも考えるべきだろう。
 
 現在の道路状況ではボランティアが集まると渋滞に拍車をかけるし、小ロットの物資では仕分けや配送の人員が足りないので企業や団体以外から支援はまだ受けられないと石川県知事も言われている。何かしたいと多くの人が思っているだろうし、何をしていいか悩んでいることだろう。
 今夜も災害ボランティア議員連盟千葉県支部がZoomで打ち合わせを行い、現地を視察してきた岐阜県議の川上副会長からは地区別に支援の濃淡があること、既に役場までは支援物資が届いていながら地域の集会所のような指定外避難所には資材が届かないこと、現地ではトイレが使用できないことに対する衛生問題や常用の薬が入手できない問題などが課題になっていること、ライフラインの普及に時間を要する見込みなのでボランティアセンターの設置が遅れそうなことなどの報告を受けて状況を有る程度は把握出来たが、具体的な対処方針は出せなかった。
 
 木更津市の危機管理課に確認すると流山市と能登町のような提携を結んでいる自治体が被災地にない中、支援は千葉県として一体になって行う方向であるという。一方、君津市は速やかに災害トイレトレーナーを輪島市に派遣した。2021年10月19日に見学させていただいたものであるが、木更津市では牽引免許が無くても使えるタイプを検討しつつ結果として所用出来ず派遣できなかったことが残念である。
 
 新年早々悩みながら大きな災害に向き合っている。