都知事選挙の喧騒 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2024/07/10記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
東京都知事選挙が終わり現職の小池知事が改選を果たし、立憲民主党元代表の蓮舫氏より前安芸高田市長の石丸氏が多くの投票を得たことなどが連日テレビや新聞で伝えられている。立候補者数が多すぎて掲示板が間に合わず無所属で立候補した小林候補が東京都選挙管理委員会(以下「選管」)に対し選挙無効を訴えるなど最悪な都知事選挙の後始末はまだ続くようで選管の苦労を考えると可哀そうにすらなる。 今回の選挙にあたっては掲示板の枠が48しかなく、それを超えた部分は枠外での対応になることは事前に解っており、また24人(そのうち5人は諸派として立候補しており公認は19人)も擁立したNHKから国民を守る党(以下「N党」)は枠を連続して確保することが目的なので抽選を回避し、少し遅れて届け出ることも想像されていた。実際に主要候補は届出受付時間の前に並び抽選を行っているので掲示板の中央部に掲示されている。 N党が受付を行う前に他の32人の候補が抽選に進んでいれば枠外に行くのは掲示板を売る行為に出ているN党になるというのが選管の読みだったと思う。ところがN党より遅れた候補が8人も居たことでN党の届出順位が25〜48となり、それ以降の者が掲示板から追い出されたのである。 これはあくまで想像であるがN党の前に届出を済ませた者が24人ではなく16人であってもN党は8人を余分に立候補させ48番までの枠を抑えてしまったと思われる。逆にN党以外の32人が事前に全て抽選で番号を決めていた時には候補者数は16人に抑え掲示板から溢れる者は生じなかったと私は推察する。 従って50番目に受付を済ませた小林候補は不公平な状況になることを予見でき、それを回避する手段も想定できながらこの事態になったのである。司法がどのような判断をするのか注目したい。 ともあれ今回の都知事選挙の開票結果を下記に示す。意図的に得票数の少ないほうから候補を並べている。 |
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下位28人は東京都の有権者の1万分の1も得ることができていないし、下位44人の得票数を全て合計しても57,966票しかなく有効得票数の1%に達していないのである。47番目(上からは10番目)の清水候補の得票数は無効投票数を下回り、有権者の1%を超える得票を得たものは上位の6人だけであった。そもそも知事という1人を選ぶ選挙であるから立候補の自由があるとはいえ多くの候補者が出ることがナンセンスなのであるが、都民は常識的な投票行動をとってくれたと感心している。 ところで、今回の都知事選挙の法定得票数は有効投票数を定数で割り、それを4で割った値であるので、下式で求められる。 6,823,242÷1÷4=1,705,811 この得票数を上回ったものは現職の小池知事しかおらず、仮に小池氏が3か月以内に死去や失格となった場合でも2位の石丸候補が繰り上げ当選とはならず、新たに選挙を行わなければならないのである。仮に最多得票者でもこの値を下回った場合は富津市や市川市で経験したように再選挙になるところであった。票が小池知事に集中したことで60億円近い費用を再度投じることにならなかったことには選管はほっとしていることであろう。 ついでに記載すると供託金没収点は有効投票数を議員定数で割った値を10で割った値である。 6,823,242÷1÷10=682,324.2 この票数は上位3人以外は超えていないので供託金が没収となりポスターや街宣車への公費助成も受けられない。53人の供託金で東京都には1億59百万円が収入として入るので選挙に要した費用の2.5%くらいは取り返すことになるようだ。 選挙が終わったばかりなので制度の見直しという議論はまだ聞こえてこないが、この喧騒を前に国も動かざるを得ないであろう。前にも書いたが公選法がどのような事態になるのか見守りたいと考えている。 |