消防団が減少する
2024/11/18記
 昨日は消防団の早出し放水競技大会が開催され、朝8時から来賓として大会の状況を見守った。
 近年の消防団は各部が大会への出場を辞退することを認めているので昨年の6月11日に開催された消防操法大会では36個部中17部しか出場しなかったが今回は33個部中30部が出席したので、出場率は47.2%から90.9%に向上していた。これはルールが細かく長い練習期間を必要とする操法大会に比べ、本大会が早く的を倒すというゲーム性が高いためであろう。私が消防団にいた頃も早出しに参加することを楽しんでいたものである。
 
 
 昨年の6月との相違点は6分団で1部(中島)に5部(牛込)と6部(中野)が統合されると同時に昨年度はポンプ自動車であったが車両の更新に伴い小型ポンプへ移行し、7部(見立)に4部(瓜倉)が統合され、1分団2部(太田請西)も車両の更新で小型ポンプに移行していることである。これに伴いポンプ自動車が6から4に減少し、小型ポンプも30から29に成っている。
 統合された6分団の3個部は団員数が出動に支障を来たすほど少ない団員しか居なかったので致し方ないところはあるが、今年の春に統合しなかった他の分団にも活動が厳しい団員数しか居ない部は多い。消防団員数の減少が防団組織の減少には繋がっているのである。
 
 ともあれ今回の大会順位は下表の通りであった。
No 区分 ポンプ自動車の部 小型ポンプの部
地区 出場順 タイム 順位 出場順 タイム 順位
1 2 1 桜井 3 34.1 1
2 4 3 久津間 1 36.0 2
3 4 1 中里 2 91.5 3
4 5 1 上矢那 5-2で出場
5 7 3 井尻曽根牛袋 7 28.7 1
6 1 2 太田請西 26 32.5 2
7 8 1 真里大稲 15 32.6 3
8 3 4 犬成笹子 23 34.1 4
9 3 2 菅生椿 19 37.9 5
10 1 1 中央 16 40.5 6
11 2 5 上烏田八幡台 6 42.7 7
12 3 1 旧西清川 1 43.4 8
13 5 2 下矢那 17 44.3 9
14 2 4 大久保下烏田 12 45.7 10
15 5 3 高倉草敷 13 47.2 11
16 4 4 万石 9 47.8 12
17 8 6 下郡 20 56.4 13
18 7 4 牛袋 10 56.8 14
19 4 7 高柳住吉 8 57.3 15
20 4 6 西山 11 59.9 16
21 8 4 真里谷 18 63.7 17
22 7 2 大寺十日市場 4 67.1 18
23 4 2 江川 21 69.1 19
24 7 1 望陀有吉 22 72.8 20
25 8 3 茅野 3 75.9 21
26 8 2 下内橋戸国 25 76.1 22
27 3 3 中尾伊豆島 24 79.8 23
28 6 1 中島牛込中野 27 83.5 24
29 6 7 見立瓜倉 14 97.1 25
30 6 2 中島高須 2 110.3 26
31 6 3 畔戸 5 失格 27
32 2 3 畑沢 出場辞退
33 8 7 佐野田川 出場辞退
 
 今回ポンプ車として出動しなかった5分団1分も団員が減少して単体で出動することが難しいという判断で2部と一緒に出場するという形を取ったようだ。当日受け取った出場順位表を見て部員が少なくて単独校で大会に出場できず連合チームを組む高校野球のようだと感じてしまった。
 昨年の消防操法大会に続き今回の早出しも辞退した2分団3部と8分団7部については比較的恵まれた団員数が居ると聞いていたが、出場辞退を決めた経緯は何かあったのだろう。無理をして消防団活動を続けて組織が崩壊するより、非常時に備え組織の維持を図るという考え方であれば、それは尊重したい。
 
 地元の4分団2部(江川)は吸管の接続が甘くて真空が上手くいかずポンプからの送水が遅くなって下位の成績に甘んじたが、今後の反省として活かせていけばよいだろう。更に成績下位には今回統合が行われた6分団の各部が並び、新組織でのチームワークが上手くいっていないのだろうかと心配になる状況である。
 
 多くの知人が20年以上も消防団活動を続けているし、新入団員が入ったと聞いても決して若くはない57歳という話も聞いた。機関周りの作業は問題ないだろうがホースを持って走るような競技大会への参加は厳しいだろうと思う。
 人口構造が変わり若年人口が減少していることは知っているが、その減少率を遥かに上回る新入団員の減少だと感じているし、人口増加が進んでいる6分団の金田地区に移住してきた新住民が積極的に消防団に加入するということは考えにくい。
 大規模災害が発生し、消防団の活躍が注目された時だけ組織の評価が上がるが、親兄弟が消防団に入ったこともない住民に理解を得ることは難しいだろう。せめて昨年7月にテレビで放映があった『ハヤブサ消防団』のようにドラマなどで内容が知れたら良いのにと考えている。
 
 既存の集落とは話が合わず、新住民が自ら消防団を設けたい、なんて事は想像されえないが、異常気象や大地動乱の時代に消防組織が弱体化していくとの危機感を感じながら視察に行った鹿沼市のような活性化を期待したいと念じながら大会を見ていた。