南海トラフが動く | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2025/01/14記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨年は元日の能登半島地震から始まったが、東日本大震災で生じた日本列島の歪が解消されるまで続くと言われる「大地動乱の時代」に居ることを思い出させるかのように昨日の午後9時19分に日向灘を震源とするマグニチュード6.9の地震があり、宮崎市などで震度5弱を観測した。さらに午後9時29分に高知県と宮崎県に津波注意報が発令され宮崎港や日南市の油津港で20cmの津波が観測されたものの被害は発生しなかったようだ。 気象庁は南海トラフ地震が起きる可能性が高まっているかどうかを検討する「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を出したが、同日午後11時45分に「相対的に高まったと考えられる現象ではない」として「調査終了」とした。これは今回の地震のモーメントマグニチュードが6.7であり「臨時情報(巨大地震注意)」の発表基準となる7.0以上を満たなかったためである。 因みに阪神大震災を引き起こした兵庫県南部地震(1995年)や熊本城を破壊した熊本地震(2016年)の本震のマグニチュードはどちらも7.3、山古志村が全村避難に追い込まれた新潟県中越地震(2004年)のマグニチュードは6.8である。昨夜の地震もその程度のエネルギーであったことは軽視できない。 昨年8月8日にも日向灘でマグニチュード7.1(モーメントマグニチュードは7.0)の地震が発生し気象庁は「巨大地震注意」を初めて発表している(参考)。その時は木更津総合高校の応援のために甲子園に向かおうと考えていたのであるが、万一を考えて大阪行きを中止した。 今回も明日から関西への行政視察を前に、仮に「巨大地震注意」が発令された時の対応を決めていなかったことを悩んだが「調査終了」となったので予定通り実行することが出来て安堵しているのであるが、昨年8月と昨日に南海トラフが微妙に動いたことは揺るがない事実である。 南海トラフ地震が発生した場合、東北より人口集積の多い東海から関西では深刻な被害が発生するとされ、2012年8月に公表された各県の最悪の被害想定は下表のようになっている。 |
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上表はそれぞれの最悪を表にしたものであり、22都府県の死者数の単純合計は43万5500人に成ってしまうが、全国的に最悪の状況では32万3000人が亡くなるという想定である。因みに東日本大震災の直接死者数は15,893人(行方不明者2,556人)であるので、その20倍を超える被害である。 本年は大阪市の埋立地である「夢洲」を会場に4月13日(日)から10月13日(月)までの184日間で万国博覧会が開催される。大阪港での津波想定は5mとされており、津波に耐えられたとしてもインフラの多くが震災で供給停止になるだろう。 災害を過剰に恐れると海岸沿いでの経済活動は全て止まってしまうので備えを行いながら活用を続けることは妥当だと私は考えている。万博も可能であれば娘を連れて行こうと思っている。 南海トラフ地震の発生周期は概ね百年なので前回から80年しか経過していない状況は切迫しているとは言えないという楽観論を信じたいところであるが千年に一度といわれる大地動乱の時代には過去の周期に誤差が出ることは当然だと思う。 ともあれ明日からの行政視察と大阪万博が閉幕するまでの期間には大地が静まって欲しいと虫の良いことを想いながら今回の記事を記載しているのである。 |