国会の解散に思う
2026/01/23記
 本日、午後1時過ぎから開かれた衆議院本会議で議長が詔書を読み上げ衆議院が解散された。今月27日に告示、来月8日に投開票という解散から16日間という戦後最短の選挙戦が始まった。
 前回の衆議院選挙の投開票は2024年(令和6年)10月27日だから本来は2028年10月まで任期4年のところ1年4ケ月も経過せずに選挙が行われるのである。
 前回はブームに乗って当選したものの足元を固める組織をまとめ切れていない新人は大変だと思うが、参議院選挙における参政党の躍進を見ると、そもそも地に足が着いた組織よりSNSによるイメージで選挙活動が行われる世の中になったようだ。
 その内容も単に大衆に迎合するだけでなく根拠のない不安(例えばナイジェリアホームタウン認定で生活圏にアフリカ人が増えると女性が襲われる)を拡散し、常識ある既存政党が無視すると自分達なら解決できるという言い分で人気を集める戦略である。
 不安商法は某宗教が高額で壷を売っていたように昔から存在するが、選挙の世界に持ち込まれると世の中が心配である。
 
 前回の選挙は当時の石破総理が自公連立の体制で争われ、結果として両党で国会の過半数を確保できずに少数与党のもとで国会運営が難しくなった。その結果、自由民主党総裁選挙が行われ、初の女性総理である高市総理が就任した結果、連立相手を日本維新の会に加えることの相談が無いなど信頼が構築できないと公明党が離脱することになってしまった。
 これらの流れは選挙で国民の同意を得ていない連立となったので自民党の内部だけで選ばれた高市総理の信任と公明党から日本維新の会に連立の相手が変わった枠組みを国民に問いたいという論拠は一理あると思う。
 それでも通常国会冒頭で解散したことが1966年の佐藤栄作内閣以来60年ぶりであることが異例なだけでなく、北陸や東北で豪雪により気象庁が外出を控えましょうと言う可能性が多い中で、投票に行った高齢者が亡くなった場合の責任はどうなるかと思うとともに、多分雪のない状況の木更津市でも年度末の選挙は余分な仕事と感じている。
 
 今回の選挙では物価が上昇して生活に苦労する国民のために消費税を下げるという政策を与野党が競い合っていることに心配している。当然であるが収入である税を下げても削れない歳出が多いので差額は国債などの借金で行われることになる。
 借金が増大した発展途上国の多くはスーパーインフレに襲われて通過が紙くずになっている事例が重なり、日本の「円」も先例のように信頼出来ないと放出する状況が続いているので高市政権に移行してから円が弱くなっている。17日の片山財務大臣のセミナーでは心配ないというが世界からの信頼は得ていないのだ。
 
 食料品や様々な資源を外国からの輸入に頼る我が国では、円が強くなれば輸入品が安く買えるようになり物価が下がるという簡単な問題であるが、円高に向かう処方箋を示す野党も見えず、日本を安く売るなと唱える国士が居ないことが寂しくも思う。
 今から31年前の1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生して被災した平成日本も昭和日本時代に「Japan as No.1」と評価された力の印象が残り1995年8月20日には1ドルが75円95銭で交換されていた。最高額は現在の半額以下である。円が強すぎて国内の製品がドル換算で高くなることで国際競争力を失い、輸出が減って「円高不況」になったが輸入品の値段が下がって物価は安くなった。
 その頃は中国を含むアジア諸国の所得が現在ほど上昇する前だったので、私も旅行先で金銭を気にすることなく楽しめた。欧米人が今の日本で同じ感覚でいるのだろうと想像する。インバウンドを喚起して輸出を増やすためには円が弱い方が望ましいが国内生産が31年の時を経て弱体化しているので輸出ドライブも発生せず円安が続いている結果、労働者の平均賃金は韓国や台湾を下回っているようである。
 
 日本の国力は欧米諸国に劣っているとは思えず、1ユーロ及びアメリカ1ドルが百円程度に成っても労働者の賃金は総体的に高くならない。今回の総選挙で消費税をどうこういうより円高を進める公約が欲しいと思いながら感想を記載している。