| バス代行を考える | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2026/09/30記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 令和元年の台風15号に比べ強風による被害はあまり生じていなかったものの、今年の9月21日に豪雨をもたらした台風25号は、8月13日の線状降水帯の発生に伴う千葉豪雨、9月7日の秋雨前線の活性化に伴う大雨に続く3回目の降雨被害となった。 連日の雨で土壌中の水分量が多くなった(土木的には含水比の高い)土は強度を失い各所で土砂崩れが発生して道路は通行止めとなり電気や水道などのインフラが破壊された。北総では印旛沼を氾濫させ広範囲に水没被害を生じさせ、土砂崩れで天然ダムになった新興住宅地では今でも水位が上昇しているようだ。 その復旧工事が山ほど残っている状況なのに明日は台風26号が房総半島に接近するという。東京では0.5mm以下の雨量も含めて観測史上最長となる35日間連続降雨を記録したと朝からテレビが伝えている。今日で30日しかない9月も終わりだから今月は全て雨の中だったということになる。せめて晴れて乾いたら復旧作業もはかどるのにと天を恨まずにはいられない。 そんな雨の中でも木更津駅から姉ヶ崎駅間における内房線の不通を少しでも解決するため、JR東日本は今日も分岐器の工事を実施しており、鉄道工事は詳しくないが、来月早々には木更津駅から長浦駅間の暫定復旧が出来そうな状況である。 ![]() この区間の復旧により袖ヶ浦市内から木更津以南の学校や職場に通う人たちと袖ヶ浦市内の学校や職場に通う人たちはひとまず安堵することが出来るだろう。 問題はその先で複数個所にわたり民地が崩壊して県道と線路を土砂や木立で覆っている区間の対応である。県の対策本部でも重要事項としての認識はされているようだが3ヶ月以上は必要だと言われている本復旧までの日数を縮めるような提案は聞こえてこない。年内はバス代行で凌ぐしか手はなさそうである。 JR東日本も小港鉄道や日東交通のような地域のバス会社に依頼をしたようだが急激に需要が増えたアクアライン高速バス対応で余裕がなく、先週中には28日からとされていた代行バスは明確な開始日が示されていない状況である。 そのような状況で国土交通省は日本バス協会に対して協力依頼を行い、都営バスも10台ほど協力するというニュースも聞こえてきた。JRグループのJRバス関東なども協力してくるだろうから多くの車両が集まりそうだ。 では実際にどの程度のバスが必要になりそうなのか、詳細は関係各所で詳細を詰めていることだと想像できるが情報が出てこないので私なりに算出してみたい。輸送のピークが生じる平日昼間のダイヤを基にして、私的な憶測が多くて現状を把握していない、あくまで素人の計算であるので目安に留めて欲しい。 木更津駅から長浦駅間には長浦駅に停車しない特急列車の他、内房線快速列車、京葉線快速列車、内房線普通列車が運行されており、木更津駅を基準にした場合の千葉方面の各列車の出発時間別に集計した運行本数は2026年3月14日の改正ダイヤによると下表の通りである。 |
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| 7時台には特急列車2本を含む9本が運行されていたが暫定復旧の状況でそれを望むのは難しいだろう。6時台から9時台までの朝の4時間は各駅列車が12分間隔で時間5本、午後の16時台から20時台までの5時間は各駅列車が15分間隔で時間4本程度を走らせ、その間の時間は20分間隔で時間3本、早朝と深夜は適宜運行するダイヤになるものと勝手に想像する。朝の7時台には13両編成の総武快速や9両編成の京葉線快速があるので、この程度だと災害前の半分以下の輸送力となるが姉ヶ崎から千葉の間でも運行本数を減らしており仕方がないだろう。 各駅列車に使用されているE233系の6両編成での乗車定員数は850人程度らしいので朝のピーク時に乗車率80%まで混雑していたら680人が一編成に乗っていることになり、時間5本であれば時間当たり3400人を運搬しなければならないことになる。80%という高い混雑率でも、多くの人がリモート勤務をしたり高速バスや自家用車にシフトするなど現状より鉄道利用者が減少することが前提の値である。 一方、路線バスの定員は椅子に座っている人と立っている人の合計で70人から80人程度らしいので75人を乗せたとしても時間当たり45台以上必要となる。75人も乗せて大丈夫なのかという量の乗客で走らせたとしても、80秒間隔でバスを出さねばならないという状況である。乗車や降車の時間を考えると常時2台以上が駅前に停まっている計算になるのでバスブースが貧弱な姉ヶ崎駅西口では臨時乗車場が必要になるだろう。 実際に必要になるバスの台数は長浦駅北口から姉ヶ崎駅西口までの所要時間に影響されるので本日自分の車で制限速度を守って測定してみた。昼間の道路が空いている時間であり青信号が多くて効率的に進めたので12分ほどで移動できたが、実際にはバス停での停車時間を含んで片道20分以上は必要になるだろう。 |
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| 現状では自家用車での通勤に切り替えた人が多くて朝の国道には深刻な渋滞が発生していることを無視して、楽観的に20分で運行できたとしたら1時間に1往復半が可能になるため先に求めた時間45台を1.5で除した値の30台が必要となる計算である。逆に言えば最低でも30台を投入していないと長浦駅北口でバス乗車待ちの列が長くなり続けるという計算である。片道に30分が必要なら45台、45分であれば60台を投入しなければならないのだ。 渋滞が生じない鉄道では5分の区間に6両編成の電車を5回分を代行するため、なんて多くのバスが必要になるのだろうかと、大量輸送機関である鉄道の強さを実感するとともに、木更津駅から姉ヶ崎駅まで16分で運んでいただいていた内房線の重要さを改めて確認することになった。 本日のニュースで明日から長浦駅から姉ヶ崎駅間で都営バスが臨時便を運行するという。同じ区間で地元のバス会社も昨日から臨時バスの運行を始めており、朝の通勤・通学時間帯には3往復程度の運行となっているようだ。因みに運賃は大人440円で収入はすべて被災地に寄付されるというから東京都には感謝したい。 数日間は自力で長浦駅までたどり着けた者だけが使用するのでその本数でも何とかなるだろうが、長浦駅まで電車が仮復旧したら45往復が必要となって、長浦駅で長蛇の列になることが想像されることを明らかにするため、今回の計算をしてみたのである。 内房線の不通は沿線住民に不安を与えており私の元にも多くのメールが届いている。ご意見と回答にも記載していたが、意見の中には「通学生の足の確保のため、木更津市が音頭を取り、君津郡4市がスクラムを組んで4市のバスを提供し、姉ヶ崎駅までの運営したらと考えます。」という声も寄せられている。 優しい気持ちは解るのであるが木更津駅から各駅で姉ヶ崎駅までバスを運行したら片道で1時間は必要となるので各市が1台づつを出しても時間当たり2往復にしかならず、駅前のバス停まで行ってみたら乗れなかったという事態になることは明白なのでご意見には残念ながら賛同しにくいという気持ちを理屈で理解してもらうためにこのような長文を記載しているのである。 仮に木更津駅から姉ヶ崎駅までの全てをバス代行にした場合で学生だけでなく通勤者も含めて時間3400人を片道1時間のバスで送るためには90台のバスを確保する必要があるという結果になるので、JR東日本が28日からの運行を諦めたという理由が私には解ってしまい、納得しているのである。 また、運行していても木更津以南の運航ダイヤは大幅に減少されており、例えば本日の君津発上り列車はどこトレというアプリで検索する下図のように壊滅的な状況であった。 ![]() 始発と終着を確保している姿勢は評価できるが減便数は半端ではない。不通区間の発生により車両のやりくりが出来ない状況や木更津から先の輸送手段が確保されていない中で無責任に送ることが出来ないなどの理由もあるだろうが日常生活の影響も大きそうだ。これを表として整理すると次のようになる。 |
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| 昼間に2時間来ない時間帯があることも問題であるが夕方の帰宅時間帯である17時・18時台に全て運休する意味が理解できない。そのため、少ない車両に寿司詰めで乗っているようで、乗客の疲弊は看過できない状況だと聞く。バスに余力があればそちらの改善も考えなければならないが手が回らないことも理解している。 更に記載すれば、現在バス代行である久留里線の木更津駅から久留里駅の間は明後日の10月2日に再開を予定していると発表された。災害ボランティアセンターが馬来田駅の近くの富来田地域交流センターに設けられるのでタイミング的には良いと思う。 その一方で久留里以南の情報は入ってこない。利用者が少ないのでバス代行ではなくてタクシーでの代行としているようだ。 前にも書いたが、久留里線と同じように先端部だけ収支を区分して公表され、廃止がやむを得ないと情報操作されていた津軽線も令和4年8月の豪雨で被害を受けた蟹田駅から三厩駅間で鉄道による復旧を断念してバス・タクシーへの転換が行われ、復旧ではなく令和9年4月1日をもって正式に廃止されることが決まったという報道もあった。久留里線の久留里以南も既に同じタイミングで廃止することが決まっているので復旧ではなく、周辺に対して危険である個所の改修をしているのだろうと推察する。このまま廃止になってしまう可能性はとても高いので、もう一度乗車したかったと思っても後の祭りになったようだ。 ともあれ長浦姉ヶ崎間の話に戻ると、東京都の小池知事の英断により路線バスと運転手が10台分ほど確保できたようだ。更に県外から多くのバス会社の協力を得ることでボトルネックの解消を図り、木更津以南の運行本数も増加したいと思う。そのためには朝の通勤・通学のピーク時には時間45台のバス代行を可能とする体制を作れることを願い、今回の記事を終えたい。 |
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