52.9月上旬の活動記録
 1日は月曜日であるが議案調整による休会である。午前中に議会質問用配布資料の作成を行い、午後から質問原稿について先輩議員の意見を伺いに市役所内の会派室に行く。行きがけに今月16日から業務を開始する市役所隣の木更津警察署新庁舎も殆ど完成してきたようなので写真を一枚撮る。
 夕方から地元で打合せの後、市原に移動し映画を見てくる。帰りの車中で福田総理の辞任を聞き、また政局かと思う。
 
 2日より代表質問が開始。今回は私的に印象に残った内容を書く。
F未来代表高橋浩議員
 築地地区のイオン出店に関して水越市長がイオン本社を訪問し社長と面談を行い、出店の意向が変わらないことを確認。ただし現在でも建築確認申請を出していないので早くても2009年末の開業となる見込み。
正栄会代表大野俊幸議員
 金田東地区の業務用地7ブロックに対し企業募集を行ったところ6ブロックに10社の申込みがあった。年度末を目途に契約を進める。
公明党代表住ノ江雄次議員
 千葉県内では11市町独自の残土条例を制定しているが市は県条例の強化を求めていく。雑草条例については素案を検討中。
 議会から帰り夕方に犬の散歩に行くと道を亀が歩いている。まだ自宅の周辺に自然が残っているようで嬉しくなる。
 夜には住ノ江議員と執行部の間で行われた学校耐震の質疑内容を翌日の自分の質問に反映するべく、原稿の手直しを遅くまで行った。
 
 3日は代表質問1会派の後、個人質問となり私が1番手で登壇する。
新栄会代表野田芳久議員
 鳥居崎海浜公園の市営プールが開設したのは1960年。1989年には全ての学校にプール設置が終わったのだから撤去してはどうかという意見に対し市は小中学生には必要な施設と答弁。
近藤忍の記事の内容は省略
 今議会で国民体育大会のPRで着用が認められたポロシャツを着て質問を行った。なお、右の写真は昼休み中に「やらせ」で撮影したもので、質問中の写真ではない。
岡田貴志議員
 オストメイト(人工肛門設置者)の被災を考え、避難所にストーマの備蓄場所を設けてはという提案に対し市は前向きな検討を約束した。
山形誠子議員
 駅前ビルの行政活用事例で茂原市の学習プラザ等の事例をあげるが使用料として年間5800万円が必要で茂原では逆に問題となっている。
 この夜は私の個人質問の評価を鶴岡議員から聞くために夜の木更津の街に出掛けていった。
 
 4日は個人質問の2日目。若干寝不足のまま出席する。
佐藤多美男議員
 矢那の河野牧場への残土搬入に当たり業者と地元の同意書が交わされていない中で林道使用許可を出したのは何故かという質問に対する市の回答は歯切れが悪かった
白坂英義議員
 省エネを指南して省エネ額から報酬を受けるESCO事業は2003年に自治体への導入ガイドラインが出来て浦安市・所沢市・小田原市・調布市などで実績を上げているので本市でも導入を検討すると回答。
平野卓義議員
 木更津市の学校支援ボランティアは11年間で顕著な成果が出ており文部科学省が進める学校支援地域本部事業は木更津市から情報を集めモデルにしている事は誇れる事である。
高橋てる子議員
 この日の千葉日報で銚子市は2月に設置した再編検討委員会で小学校13校を8校に、中学校8校を3校に統合する案の中間報告を発表したことをあげ木更津市のスピード感を高めることを求めた
斉藤高根議員
 金田バスターミナルについては平成16年度の報告書を元に話を進めているがもっと多方面の検討をするべきではないかという意見。市は報告書を基本に進めると言うが私も本線上も含めて検討するべきと思う。
 この夜は帰って資料の整理やHPの更新、さらには明日が返却予定のDVDである2000年カンヌグランプリ作品「鬼が来た!」まで見てしまったから寝たのは午前2時を大きく回った頃だった。
 
 5日は個人質問の最終日で、質問終了後、本会議を実施する。
三上和俊議員
 新日鐵管理センターは東関道と国道16号線交差点付近で来月から工事に着工し、平成21年10月に業務開始予定。関連企業も含めた雇用は750人である。
 馬来田や矢那の残土問題への対応で執行部が独自条例を作るつもりが無ければ議員発議をしようと考えているものが居るがどうするか、という問いに、議員の力も借りて考えていきたいという市長の回答があった。

 三上議員の個人質問が終わり、本会議へ上程された事項の大綱質疑が有った。鶴岡議員より交付税が算定値と大きく変わる理由、佐藤議員より新設する基金に@三日月という企業名を付けること、A社会福祉基金に繰り入れなかった理由等が質疑された後、人事案件以外を各常任委員会と決算審査特別委員会に付託することを議決した。なお、決算審査特別委員会は高橋浩、三上、荻野、斉藤、大野、国吉、住ノ江、野田、山形[以上敬称略]の9名で構成されることが決まった。議会は午前中で終了し、休会に入る。
 この夜は帰って議会質問をHPに上げるため、作業を進めた。
 
 6日は早朝に起床し、各駅と快速を乗り継いで飛騨高山に行く。翌7日は朝の街を見て、再度各駅と快速で帰ってきた。2日間で合計24時間近く列車に乗ってしまった。詳細は「飛騨高山にて思う」を参照。
 
 8日は10時から業務開始間近な新木更津警察署の見学会を行う。留置所、虎箱、道場など警察ならではの構成は見ていて面白いし、セキュリティの確保の方法を見て感心もする。現在の木更津警察署は手狭なため、遠くは匝瑳警察署まで留置場を借りていたものが解決すると聞き、それでも足りないほどの犯罪者が出ないことを祈る。屋上はとても開放的で花火大会の絶好の場所のようだが『当日は警備に総動員され誰も此処を使えませんよ。』という言葉に納得する。
 さらに県内では野田署と此処にしかない射撃訓練所も見せて貰う。25m先の小さな的に当てる訓練をしていると聞くと警察官の鍛錬に頭が下がる。業務開始は16日である。
 午後は渡辺県議と情報交換をしたり、HPの更新を行う。建設常任委員会に向けた勉強もせねばならない。
 
 9日の10時から総務常任委員会が開催され傍聴を行う。議案は下記の通りである。
区分 No 内容 担当
委員会 1 一般会計補正予算(第2号) 財務部・総務部
2 社団・財団法人法の改正に伴う条例整備 総務部
3 市民会館の設置・管理に関する条例の一部改正 総務部
4 市税条例の一部改正 財務部
5 新たに生じた土地(新港公共埠頭)の確認 企画部
6 新たに生じた区域の字への編入 企画部
7 土地開発公社定款の変更 企画部
8 行政視察について
協議会 1 行政アドバンスプランのH19取り組み状況と見直し 企画部
2 平成20年度実施行政評価結果 企画部
3 第3時地域情報化計画(素案) 企画部
4 H19決算の4つの財政健全化判断比率等 財務部
5 市税着服に係る損害賠償請求 総務部
 総務委員会議案の主な内容や主要なやりとりは次の通り。
 No1の補正予算で法人税減額を見込まないのはという三上議員の問いに対し7月末時点で前年比2.3億円の減額となっており最終的には3.0億円程度の減額が予想されるが、その場合は財政調整基金で対応するので今回の補正には入れないという事であった。
 No2は公益法人法の改正で関連する市条例6件の文言を一斉に改正するものであり、特に大きな変更ではない。
 No3は6月議会で提出した同様の議案が別表を読み込んでいなかったので追加するものである。
 No4の市税条例改正は@寄付金控除Aふるさと納税B公的年金特別控除C証券配当税制改正D公益社団法人法改正など、国の制度変更に対応する税条例の変更である。
 No5、No6は木更津南部地区で千葉県が港湾施設改修として造成した土地2,735uを承認し、字新港に加えるものである。なお、施設の価値が高くなるとともにこの岸壁からオートターミナルジャパンが輸出を行っているからトン税の額は少し上がるものと思われる。
 No7は公益法人法改正に伴い民法が変更したことで監事の定義を変更するもので実状には変更がない。
 協議会の中では、No1で保育園の民営化を先送りした理由などが議論された。No2,No3は初日の議会全員協議会で説明されたことの解説と委員会メンバーからの意見伺いである。No3はパブリックコメントなどを反映し、最終日の全員協議会で再度説明があるようだ。
 No4は『地方公共団体の財政健全化に関する法律』で@実質赤字比率A連結実施赤字比率B実質公債費比率C将来負担比率の公表が義務づけられたので公営企業の資金不足比率とともに説明したものである。公債の発行や基金の取り崩しで決算は赤字ではないと言うが、前年度に比べ負債が増えて資産が経ることを赤字といわない公的会計の感覚には問題を感じる。公会計の導入で変わるだろうから、それに向けた勉強も必要である。
 No5は本年1月31日に発覚した市税着服の経過報告である。懲戒免職になった職員には29,940,947円を8月8日付けで、その上司であった課長・副課長の4名には合計で552,649円を8月12日付けで、賠償額の請求をした。4名は8月21日までに納付しているが着服者は現在まで納付していないので再度期限を付けた催促を行い、それでも納付しない場合は民事訴訟を起こすという事であった。
 総務委員会の議論は12:45まで続き、昼休みは15分であった。
 
 13時から経済環境常任委員会が開催され、慌てて食べた昼飯が咀嚼されないまま傍聴を行う。議案は下記の通りである。
区分 No 内容 担当
委員会 1 協同労働の協同組合法の制定を求める陳情 経済部
委員会
協議会 2 自主共済制度の保険業法適用見直しを求める陳情 経済部
委員会
協議会 3 場外馬券売場設置反対決議を求める陳情 経済部
委員会
委員会 4 一般会計補正予算(第2号) 財務部・経済部
5 農林業災害復旧事業分担金条例の制定 経済部
6 行政視察について
 陳情の場合は協議会として陳情者の趣旨説明をうけ、質疑応答の後、陳情者には退出して貰ってから委員会に切り替え、討議の後に採決を行うことになる。
 今回の案件のうち、No1は労働者が出資した協同組合が仕事を受けられる法人となる法制度を求める陳情で,No2についてはオレンジ共済などのニセ共済で被害に遭う消費者を防ぐための保険業法の改正が、PTAや開業医、登山家など多くの自主共済を規制する内容になっているので見直しを求めるものである。どちらも趣旨もっともであり全会一致で採択したが、国会で扱うべきものを地方自治体からの陳情で何とかしないとならないほど国政は混乱しているのだろうかと思う。
 No3はアクア木更津地下に場外馬券場を設置する計画に対し2152筆(陳情者発表数値)の反対署名とともに議会に反対を求めるものであるが、ギャンブルとしてはパチンコが市内に存在しており公平さを欠く点や、ボートピア市原などで風紀の乱れも発生していない事などより全会一致で不採択となった。
 No4の補正予算では久津間の農道補修に130万円と、農地水環境保全団体が2団体増えた事による55万円の追加があった。それに比べると金額は10万円と小額であるが昨年12月16日に笹子地区で生じた土砂災害に対する小規模地産緊急事業の追加もあった。
 No5の農林業災害復旧事業分担金条例の制定は、上記補正予算で笹子の負担金を明確化するために策定されもので、今までは規約で運用していたが平成元年の監査で条例化の必要性が指摘されていたものらしい。平成元年の指摘で今・・・さらには条例の施行日が10月1日なのに補正予算をその前に通しても問題ないのかなど、微妙に疑問が残る。
 陳情案件に時間を費やしたため経済環境委員会は16:20まで議論されていた。この夜は友人と21日の打合せなどを行いながら遅くまで飲んでしまった。
 
 10日の10時から建設常任委員会が開催され、前夜の疲れが少し残りながら審議を行う。議案は下記の通りである。
区分 No 内容 担当
委員会 1 一般会計補正予算(第2号) 財務部・土木部・都市部
2 公共下水道事業特別会計補正予算(第1号) 財務部・都市部
3 事業認可区域外下水道流入条例の一部改正 都市部
4 業務委託契約(金田公共下水道)の締結 都市部
5 行政視察について
協議会 1 協働のまちづくり条例の制定 都市部
2 中心市街地グランドデザインの策定 都市部
3 公的資金繰上償還に係る経営健全化計画(下水) 都市部
4 公的資金繰上償還に係る経営健全化計画(上水) 水道部
 建設委員会議案の主な内容や私の意見等は次の通り。
 No1の補正予算で撤去したブランコの設置費400万円が計上されているが対象基数と全体の説明を求めたところ、今回は49基で残るブランコは52基であり、他にも30基の滑り台など数多くの遊具の復旧には1億数千万円が必要と説明され、先の長さに愕然とする。
 No2では補助金申請書類の策定などで短期の委託を行う予算106万円が計上されていた。本庁舎に居る技術系職員の応援で対応できなかった事が問題であるが金額が軽微なので深く追求しなかった。
 No3は3月議会で下水道第5負担区が設置されたことに伴い、その周辺部からの流入を規定する条例であるが3月議会で同時に制定してもらいたい内容である。
 No4は金田東の公共下水道整備のために、都市再生機構(UR)に対して業務委託を行うもので、予定概算事業費は100億2600万円という巨額である。委員会付託になると聞いて事前に都市部に対し、資金内訳と支出年度計画の説明を求めていたところ概算事業費内訳の説明があった。それを若干加工したものが下表(単位:千円)である。
年度 各年度の
支出予定額
各年度の財源内訳
国庫補助金 UR負担金 地方債 一般財源
H20 2,875,300 1,384,700 666,599 823,049 952
H21 3,216,200 1,579,100 915,734 720,722 644
H22 2,570,000 1,247,750 829,123 492,400 727
H23 796,500 360,500 157,140 278,050 810
H24 568,000 206,950 217,004 142,580 1,466
合計 10,026,000 4,779,000 2,785,600 2,456,801 4,599
比率 100.00% 47.67% 27.78% 25.40% 0.05%
 表中に委託されるURの負担金があるのは、公共下水道の事業者が木更津市であるため、開発者の負担金として木更津市が受け取り、工事施工者のURに委託するためである。それにしても100億の事業費に対して一般財源が460万円だけという事には驚いた。地方債24.6億円は多額であるが、償還の頃に当該地区からの収益が上がるように開発や誘致も進めねばならない。本件について私が要望したのは、URに出向している市の職員により設計の合理化検討を進め、発注ロットの適正化で事業費削減の努力をして貰いたいという事である。ちはら台や羽鳥野の造成設計監督をして来た自分の経験から、設計の見直しでの削減効果は数%有るし、都市再生機構の平成18年度業務実績評価調書(国土交通省)によれば一般競争入札全352件の平均落札率は80%なので大幅な削減が期待できるからである。ちなみに木更津市では80%未満では失格になるがこの問題には今は触れない。
 No5で建設常任委員会の行政視察は10月27日から10月29日の2泊3日で那覇市の市営住宅事業と防災公園、うるま市の地区計画と都市公園整備事業を調査することが決められた。
 
 協議会に入りNo1の「協働のまちづくり」には福祉や教育などの様々な行為での協働が求められている中で都市建設を主眼に置いた部署(都市部)が主管する条例にこの名称を使わないで貰いたいという趣旨の意見を高橋てる子議員が主張した。建築士会もソフトなまちづくりを提唱しているし、土木技師は英語でCivil engineerという用に市民生活の全般を考える技術であるが、確かに現状は物造りに特化しているので、主張は解らないでも無い。それより私はこの様な理念条例に対し、基本的には財産権を規制する都市計画関連等の具体条例が相互矛盾をするのではないかと心配している所である。
 No2の中心市街地グランドデザインは、微妙にずれる港再生計画との整合性が見られない部分を私が指摘する。ともかく計画を多く立ててAの計画とBの計画で主張が違うことの無いようにしなければならない。重要なのは計画と事業化の両輪である。
 No3とNo4は金利の高い公債を無補償で低金利のものに借り換えを行うための条件として公営企業(公共下水道・上水道)の経営健全化計画を策定したものであり、これによる財政効果は合計で5.4億円程度と推測出来るので、進めてもらわねばならない話である。
 建設委員会の議論は12:20で終わったので昨日より長い40分間の昼休みを取ることが出来た。
 
 13時から教育民生常任委員会が開催され傍聴を行う。議案は下記の通りである。
区分 No 内容 担当
委員会 1 一般会計補正予算(第2号) 財務・市民・福祉・教育部
2 国民健康保険特別会計補正予算(第1号) 総務部・財務部
3 後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号) 総務部・財務部・市民部
4 老人保健特別会計補正予算(第1号) 財務部・市民部
5 介護健康保険特別会計補正予算(第1号) 財務部・福祉部
6 三日月福祉基金条例の制定 福祉部
7 ひとり親家庭医療費助成条例の一部改正 福祉部
8 行政視察について
  No1の補正予算で戸籍電算化運用費1億269万円と学校耐震の調査費で2530万円債務負担行為が新たに設定されたが、これは双方とも個人質問で私が聞いている問題であった。
 No2からNo5の補正は主に人事異動による人件費の変更と市税横領対策として未納者への通知システム導入によるものが大きい。介護保険の基金が溜まってきているので次の保険料見直しの時には軽減措置に使えないかという意見も出たが、この分野の勉強が不足で私には判断が出来ない。自治体毎に算定すると差が大きい事もあり、今後良く勉強をしていきたいところである。
 No6の三日月条例については山形議員が本会議での佐藤議員の大綱質疑と同様に企業名を条例につける事に意義を述べた。個人的にはこれらの議論を聞いていると、高齢者福祉のため、さっさと基金を取り崩して実績を上げ、基金を閉じたらどうかと思ってしまう。
 No7は両親が居ずに祖父母や叔父叔母に育てられている世帯に助成を広げるとともに条例の文章整理を行うものである。
 最も多く陳情を受ける教育民生委員会であるが、今回は陳情請願も協議会も無かったため前議会より3時間近く早い14:50で委員会が終わった。この夜は建設常任委員会と担当部局課長級以上の情報交換会を実施した。フランクに条例の目的などを聞き出せて有意義な時間であったが昨日の疲れもあり早々に切り上げてしまった。
 
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2008年9月中旬の記録