82.7月中旬の活動記録
 11日は八幡様の大御輿を見に大和町商店街まで出掛ける。暫く見た後で昼食まで時間があったので最近の富津臨海工業団地の状況を見に行く事にした。私が東京電力富津火力の東京湾横断トンネル工事をしていた頃に比べ、荏原製作所を始め、多くの企業が進出していた。
 他にも港湾機能を活かして羽田D滑走路のジャケットや東京臨海道路のトラス橋梁などの組立工事も進んでおり、本来なら景気が良くなって然るべきはずなのに現実との乖離を感じ、公共事業による経済波及効果の落ち込みを改めて思った。富津からの帰り道にホームセンターで子供用プールを購入し、夕方は家で犬を洗った。
 
 12日は朝から地元の神社の清掃と、祭礼用の仮社の建設を行う。多くの氏子が集まってくれていたし、天気も良くて爽やかな風があり作業が進んだ。なお、祭礼は2週間後である。
 作業は予定時間より早く終わったので、午後からは読書やHPの更新などで過ごし、のんびりした日曜日であったが、この夜に開票された東京都議会選挙や奈良市長選挙では、政治に吹く風が示されたようで色々と気になる。
 
 13日は市役所に行き、各種の打合せや、9月議会の質問に向けた資料整理や担当部局への聞き取り等を行って来る。自宅事務所で内容を考える段階であるが、疑問を聞くために会派室で電話を行いながらパソコンに向かう方が作業が捗ると実感する。
 
 14日は議会事務局で資料請求を行ってから港祭り資金部で寄付金を集めに市内を回る。その後、この日から扇屋ジャスコで開始された同僚議員である斉藤高根氏の写真と渡辺あけみさんの絵画の合同展である「たかねとあけみの2人展」を見に行く。その後、市内で荒れ地となっている土地を有効利用する計画を立てている知人の話を聞いてくる。具体的な記載が出来る段階ではないが、実現すれば市にとってもメリットの大きい話であると思った。
 
 15日から臨時議会が開始される。案件は下記の3件である。
番号 内容(件名とは異なる) 関係部 担当委員会
議案48 一般会計補正予算(第2号) 財務 全体
議案49 公共下水道特別会計補正予算(第2号) 都市 建設
議案50 業務委託契約の締結 都市 建設
 私が当選して以来、今までの臨時議会は会期が1日で、上程の日に質疑を受け付け、そのまま採決を行っていたが、今回の案件については補正予算の項目が多く、金額も大きいため、委員会付託を行って審議することになった。具体的な予算項目と担当委員会は下表の通りである。
No 主管部 補正事業名(略称) 補正額 担当
1 総務部 市民会館施設整備 98,000 総務常任委員会
2 総務部 庁用車両購入 8,000
3 企画部 アクアライン活用地域づくり 10,000
4 企画部 新情報処理体制整備 52,000
5 福祉部 福祉作業所施設改修 36,000 教育民生常任委員会
6 福祉部 DV被害者生活支援給付 444
7 福祉部 吾妻保育園園舎改修 8,000
8 福祉部 健康相談センター施設改修 39,800
9 環境部 環境測定機器整備 13,200 経済環境常任委員会
10 環境部 低公害車購入 2,000
11 環境部 屎尿処理車両購入 5,500
12 環境部 屎尿処理施設改修 8,000
13 環境部 塵芥処理車両購入 9,000
14 経済部 地域水産物供給基盤整備 21,000
15 経済部 農道舗装 10,000
16 経済部 中小企業資金融資金利補給 20,061
17 経済部 商店街街路灯修繕改修補助 3,000
18 土木部 吾妻排水路整備 152,000 建設常任委員会
19 土木部 瓜谷排水路整備 5,000
20 土木部 市道226号線道路改良 5,500
21 消防本部 新型インフルエンザ対策 15,000 総務常任委員会
22 消防本部 消防ポンプ自動車購入 16,000
23 教育部 小学校耐震対策 37,002 教育民生常任委員会
24 教育部 中学校耐震対策 31,580
25 教育部 小学校ICT整備 107,392
26 教育部 中学校ICT整備 22,900
27 教育部 小学校理科教育設備整備 9,100
28 教育部 中学校理科教育設備整備 9,100
合計 754,579
 
 本会議は委員会への付託を決定し、開始1時間も経たずに休会した。直ぐさま、午前11時より総務常任委員会が開催されたので傍聴する。
 委員会で臨時対策交付金の経緯説明が有った。今回の「地域経済活性化・経済危機対策臨時交付金」の制度については5月22日の各課説明会を行い、6月10日までに各課から提案されたのは52事業で総額13億9113万9千円にもなる内容であった。その中から6月18日までに26事業が絞り込まれ、さらに19日に上記の表に示すNo,12とNo.17の2事業が追加されて上程に至ったという事だ。前の緊急雇用対策と異なり全庁舎を上げての対応が成されたようである。
 委員会では、政権交代したら事業執行を凍結するという声が民主党から上がっているが確かに交付されるのかという質問があり、交付要綱が決まっている事業なので停止されることは無いだろうというのが回答であった。逆に言えば、地域経済活性化事業の内でまだ支給が明確になっていない公共工事臨時交付金は、まだ給付が確約が取れる段階にいたっていないので、9月定例議会に補正予算上程が出来る事を期待する所である。
 また、今回の交付金を貰うために市には借金が増えているのではという質問も有った。整理してみると下記事業で起債が行われている。
補正事業名(略称) 補正額 国県支出 地方債 一般財源 国県割合 市債割合
市民会館施設整備 98,000 21,300 73,500 3,200 21.7% 75.00%
福祉作業所施設改修 36,000 6,300 28,800 900 17.5% 80.00%
健康相談センター施設改修 39,800 8,700 29,800 1,300 21.9% 74.87%
吾妻・瓜谷排水路整備 157,000 39,300 111,700 6,000 25.0% 71.15%
合計 330,800 75,600 243,800 11,400 22.9% 73.70%
 確かに事業費の2割程度に過ぎない交付金を貰うために7割を越える起債が行われている。排水路整備は本年度の予定が先送りになっていたものを前倒ししてまた今年に戻したものだから良いとして、それ以外の施設整備については「学校耐震を優先している」という説明との齟齬を感じるところである。確かに老朽化は著しいことは解るので反対するほどのことではないが、若干釈然としない。
 
 総務常任委員会は午前中で終了し、会派室で昼食を取り終えた後、今月末に予定している会派の行政視察内容を企画担当者として説明する。訪問先は真夏の関東平野という暑さの中で2泊3日で4都市とハードな計画であるが、パワーポイントを使った説明で理解いただく事が出来た。ちなみに訪問する都市と調査項目は下表の通りである。
日時 都市名 調査項目
7月28日 10:00〜 千葉県流山市 公民館の指定管理委託
7月28日 14:00〜 茨城県小美玉市 自衛隊基地の民間利用へ自治体の取組
7月29日 14:00〜 群馬県太田市 市役所の休日開庁
7月30日 10:30〜 埼玉県川越市 歴史的街並みを活かした観光事業
 午後1時から経済環境常任委員会を傍聴する。6月16日の委員会で商店街の街路灯調査が上がっていたが、前回の補正では修繕改修事業が入っていた。前日のようにこれは19日に追加になった事業であるから、委員会での意見が効いているのだろう。他には環境部で低公害車として天然ガス自動車を2百万円で購入する事案も気になった。エコの象徴としては良いだろうが、天然ガススタンドが市内に1箇所しかなくて運用は大丈夫だろうか。
 
 16日は9時から教育民生常任委員会が開催される。園児43人の吾妻保育園を改修する約4ヶ月の間、定員に対し60名の余裕がある久津間保育園で合同保育する件なども気になるが、最も注目するのは地デジ対応事業として小学校に42インチテレビを270台、中学校に50インチテレビを50台購入する予算として約1億3千万円が計上されていることである。殆どが交付金で充当されるので市の財布は傷まないが、この巨額の物品購入の発注をどの様な形態にすると地域の活性化が図られるのか、また商品の品質規格をどの様に設定するか、入札制度設計が難しそうである。
 11時からは建設常任委員会が開催される。ここでは予算委員会だけでなく金田からの汚水ポンプの債務負担行為の設定や、現在の老朽化した汚水処理場を改修する5億47百万円の工事を下水道事業団に随意契約する事を承認する事案が付託されている。処理場の工事については協定書に地元企業を使用するよう努力する項目を追加できないかとか、軽微な改修は事業団に委託せず職員の研修も兼ねて直営事業とするべきであることを言おうとしたが、発言のチャンスを逸してしまったので、担当課には個別に話をしておく事にした。
 午後2時から本会議が始まり、委員会付託案件を各委員長から審査報告があり、採決の結果、全て可決され7月臨時議会が終わった。その後、議員全員協議会があり、東京湾アクアラインを活用した地域づくりの推進について企画部より報告があった。今回の補正予算でも1千万円を計上しているが、それも含めて下記のような計画が有るという説明である。
No 事業名 予算額(千円) 担当課 備考
1 観光案内板設置 3,200 商工観光課 今回補正
2 観光プロモーション事業 1,800 商工観光課 今回補正
3 「木更津河岸」復興事業 3,500 みなと再生推進課 国費
4 観光マーケッティング調査 720 みなと再生推進課 県費等
5 歴史探索観光コースPR みなと再生推進課
6 「木更津うまいもんマップ」発信事業 2,680 みなと再生推進課 県費等
7 「みなとまち大学校」開校事業 5,823 みなと再生推進課 国費
8 「さかんだな」復興事業 3,700 みなと再生推進課 国費
9 まち歩き促進施設設置検討 みなと再生推進課
10 祭事まち歩きツアー検討 みなと再生推進課
11 「みなとまち木更津八景」選定展示 みなと再生推進課
12 「まちごと浮世絵ミュージアム」事業 350 みなと再生推進課 今回補正
13 街並み景観形成事業 175 みなと再生推進課 国費
14 みなとまち体験プログラム策定 1,500 みなと再生推進課 国費
15 「みなとまち木更津フェスタ2009」開催 1,000 みなと再生推進課 財団より
16 「みなとまち木更津うみ祭り」開催 3,950 みなと再生推進課 国費等
17 「打瀬舟」自然体験ツアー事業 5,900 みなと再生推進課 国費
18 港まつり花火大会クルーズ船検討 みなと再生推進課
19 「海ほたる」情報発信拠点整備 1,926 情報政策課 今回補正
20 定住促進イベント事業 874 情報政策課 今回補正
21 企業立地促進事業 産業立地課
22 戦略的広報展開事業 情報政策課
23 その他・緊急臨時対応事業 1,850 企画課 今回補正
合 計 38,948
 来月からのアクアライン大幅値下げを受け、企画部と経済部を中心に数多くの事業が行われることになる。民間の力も加えて、木更津市復興の起爆剤になればと思う話である。
 
 
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2009年7月下旬の記録