87.9月上旬の活動記録
 1日は台風も通過した安定した天気の元で、9月定例議会が開始される。初日の目玉は多くの新聞も取り上げた築地のイオン開設の件であるが、詳細は後述する。
 
 市民歌斉唱の後、議長から議会に対する市民の期待と信頼を損なわないために遵守すべき事項が6点要望された。主な概要を記す。
 @会議に遅刻しない。やむを得ない場合は理由を議長に通知する。
 A所用で議場を離れても速やかに戻る。休息は議長の許可を得る。
 B質問の際は厳粛かつ品格を損なわぬ態度で行う。
 C質問は簡潔明瞭にメリハリのあるものとする。
 D会議中に許可無く議場を動き回らない。
 E議事運営上の妨げにならぬよう携帯電話の配慮をする。
 基本的な話であり、議員申し合わせ事項と重複することもあるが、市民の一部より議会に対する不信を伝える手紙が届いたことに対して議会として姿勢を正そうという意思表明である。その後、市長挨拶や諸報告等の後に議案の上程が行われた。案件は下記の通りである。
番号 内容(件名とは異なる) 関係部 担当委員会
議案51 一般会計補正予算(第3号) 財務 全体
議案52 国民健康保険特別会計補正予算(第1号) 市民 教育民生
議案53 後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号) 市民 教育民生
議案54 老人保健特別会計補正予算(第1号) 市民 教育民生
議案55 介護保険特別会計補正予算(第1号) 福祉 教育民生
議案56 公設市場特別会計補正予算(第1号) 経済 経済環境
議案57 公共下水道特別会計補正予算(第3号) 都市 建設
議案58 平成20年度歳入歳出決算の認定 財務 決算特別
議案59 公平委員会委員の選任 総務
議案60 固定資産評価審査委員会委員の選任 総務
議案61 市税条例の一部改正 財務 総務
議案62 国民健康保険条例の一部改正 市民 教育民生
議案63 業務委託契約の締結 都市 建設
陳情04 現行保険制度に基づく保健施設の拡充に関する陳情   教育民生
 今回の一般会計における補正額は約11億3千万円の追加で、約8億7千万円の地方交付税と約1億6千万円の国庫支出金を主な財源とし、財政調整基金への積立が5億7千万円、土地開発公社からの買い戻しが約2億5千万円、子育て応援支給事業へ約1億3千万円などを支出する物であるが、詳細は委員会の日程で記載する。
 議案の上程をもって本会議が終了し、すぐさま議員全員協議会が開催され、下記の4件の報告がある。

No 項目 関係部
1 H20年度財政健全化判断比率のうち将来負担比率の訂正について 財務部
2 H21年度財政健全化判断比率及び公営企業資金不足率の報告について 財務部
3 H21年度行政評価の結果 企画部
4 築地地区の進捗状況について 企画部
 1件目は、計算方法の誤りを訂正することや前提とする基礎数値の採用方式を見直すことで将来負担比率が172.7から131.6に改善されると言うものであり、平成19年度決算として公開している数値で本市の状況を悪いままとしないために訂正するという趣旨であった。
 2件目は平成20年度決算として公開している4指標の報告である。本市は問題とされるレベルには至っていないという結果となっているが、関連する全ての要素を考慮する物では無いため、この数値が良いからと安心してはならない。
 3件目は151の施策に対する内部評価を行った、厚さが15mmにも達する資料の概要の報告である。これを元に平成22年度概算予算編成作業が進んでいるとあれば議員として目を通す必要があるものだが、如何せん量が多すぎてつまみ食いになってしまう。
 4件目が、冒頭で述べた築地のイオン出店に対する動きが始まったという報告である。平成23年の開店見込みであることと、気運を高めるための看板設置が行われることだけが新しい情報であるが、街中では撤退が噂されるに至っているものを覆すには充分である。
 午前中に会議が全て終了し、午後は答弁等の打合せを行ってきた。
 
 2日は地元団体に衆議院選挙の挨拶を回ってから議会に出席する。この日から会派代表質問が始まる。今回の議会では代表4名と個人質問12名なので、質問だけで4日間を要する日程である。今回も例によって個人的に注目した内容を感想も含め簡潔に書く。全体と正確な内容を知りたい方は数ヶ月後にアップされる議会の議事録をご覧頂きたい。
F未来代表 三上和俊議員
 アクア木更津について6月23日に庁内で再生チームを作り、関係者と会議を行うとともに、8月10日から9月11日まで一般からの意見を求めているが、現在買い取りを前提とした提案が複数寄せられている。順調に話が進めば年度内に当該ビルの売却について市議会決議まで進めたい。修繕基金は約2億7千万円が有り、売却後は固定資産税として年間6千万円程度が見込まれているので、今年度改修予算8千万円も含め、検討が必要そうである。
正栄会代表 前田清治議員
 公共投資臨時交付金を財源としてスクールニューディール構想を進める予定。県内57自治体中52位という耐震化率を改善するため馬来田小・第三中・祇園小・高柳小の工事を行うとともに、エコ事業として馬来田小・第三中・鎌足中・波岡中・巌根西中に太陽パネルを設置、ITC整備事業として地デジアンテナを22校に行うなどの計画は有るが、交付金の内示がまだ出ていない。政権交代して順調に進むのか不安である。
公明党代表 西 勝義議員
 中野畑沢線桜井工区で障害となっている墓地について、現状に併せた公図訂正が認められたことで共有部分が道路用地から外れ、前進する見込みが立った。個人墓地の移転代替地を早期に取得すると供に平成24年に事業認可取得を目指す。平成26年に用地取得、平成27年に工事をそれぞれ始め、平成28年度の開通を目指すという事である。まだまだ先の話であり、公団や民間に比べ「市」の速度の遅さを実感する。
 代表質問は1時間半の枠なので3名で終了である。早めに帰宅し、HPの更新や現行の見直しに力を入れる。
 
 3日は午前中に会派代表者質問があり、午後から個人質問である。
新栄会代表 白坂英義議員
 市内の特別養護老人ホーム4箇所(中郷・南清・波岡・長須賀)に入居している者は合計で305人であり、そのうち木更津市民は228人で、割合は75%である。逆に市外の施設には君津市の上総園に40人など、合計で98人が入居している。待機者は増加傾向で、特に2015年以降には大幅増加が想定される中で、施設整備の問題提起は今後重要な争点だ。
共産党 佐藤多美男議員
 矢那の河野農場残土埋立問題で、林道通行許可台数が日100台から200台に増加となっているが、地元区や協議会と協定が結ばれ、業者からの協力金3千万円など地域の了解は得ているという認識である。なお、新たな搬入ルートは将来市道認定が可能な道として建設中である。F未来代表質問の回答にも有ったが残土条例は3月議決を目指している。
F未来 鶴岡大治議員
 土地開発公社の健全化に伴う買い戻しは、国の方針が変わらなければ平成23年度以降も基準財政需要額の0.2倍以下にするために行わなければ成らない。その額は5年で20億円にもなるので、現時点で全て処理して解散まで行うことは考えていない、という事だが金利だけでも大きな負担になる当該公社を速やかに解散することは目標とすべきだろう。
 公民館・図書館・博物館の指定管理の問題提起手法は流石!
正栄会 大村富良議員
 金田総合バスターミナルに昨年17万人の来訪者があったアクアわくわく市場を発展した地産地消館のような商業施設を併設することも検討すべきと考えるが、問題は事業主体に誰がなるかという事はバスターミナルと同様である。個人的に考えると、法的には土地区画整理組合による整備も不可能ではないので、保留地処分金を高める事で事業費の捻出を計り公共減歩の増加で用地確保すべきではないかと思っている。
 質問者4人でこの日は終了。帰宅して明日の質問に備え、聞いて解りやすいように原稿の最終手直作業を行う。
 
 4日は朝から個人質問であり、2番目に私の出番がやってくる。今回は久しぶりに議場の写真を撮りたいと思い、私のカメラをこの日の朝に友人に託し、撮影の依頼をする。撮影は事前に議長の許可を得ており、持込申請も行っているのでいる事を付け加えておく。
共産党 山形誠子議員
 山形議員よりアクア木更津ビルは市民の大切な財産だから売却は慎重にすべきだという意見に対し、商業ビルの運営は本来行政の仕事ではなくノウハウのある民間が効率的に運営することの方が望ましいという執行部の回答があった。後は地元や関係者からの意見集約だが9月以降は市民からの意見も多く寄せられているらしい。
F未来 近藤忍の記事の内容は省略
 
F未来 平野卓義議員
 中心市街地まちづくり支援事業は中心に捕らわれず全市的に利用できる制度として見直し作業に着手している。また協働まちづくり条例も3月議会上程を目指して整備中であり、そこでは市民の役割や責務も定める予定である。みなとオアシス構想など市街の活性化メニューも多いが重要なのは住民の意欲だと、高松や川越を視察して考える昨今である。
正栄会 國吉俊夫議員
 アクアライン通行料金が値下がりになったが、その分バスの定時制が低下して利用者は前年比3%〜5%減少となっている。そのため料金改定に対応した運賃の値下げが困難な状況にあるそうだ。國吉議員は定住促進の新しいメニューとして一定期間のバス定期代補助も提案されたが話題づくりにもなる面白い視点だと感じた。
正栄会 篠崎哲也議員
 中央・清見台・富来田公民館などに設置されているAEDは自動販売機の設置に伴い、飲料メーカーの負担で設置した物であるから現在市内で小中学校9校と13施設の設置に留まっている普及率を上げるために自販機の見直しも考えるべき、という提案は財政支出が伴わない意見である。なお、学校については平成22年を目標に全て設置予定だそうだ。
 質問者5人でこの日は終了。私の質問には前の山形議員からの傍聴者を含め40名を越える方が聞いていただき感謝するところであるが、配付資料を前提に質問を進める私の手法で、資料のない傍聴者に理解させることが出来たか、若干の反省が残る。
 そんなわけで、この日は反省会であった。
 
 5日と6日の週末は天気が良いことも解っていたが、選挙から議会に向けて余裕がない日々を送っていた分で滞っていた事務作業や、補正予算の入力など内業を行うとともに、ゆっくり新聞を読むなど休息を行うのであった。
 
 7日は個人質問の最終日である。
元気力 高橋てる子議員
 今後の職員定数目標や地域手当の復活について次期行政経営プランで考えるという回答であった。H22〜26で202名と予想される大量退職をチャンスと捉えた合理化が望まれると言う意見に同意。また、木更津市のH19年度の退職員平均額が全国9位だった問題に対し、当該年度は退職者25人のうち部長級(7・8級)が14人だったためで、H20年度で有れば400番台まで低下すると回答があった。その年に定年を迎えた職員の過半数が部長級になるような年功序列こそが問題だと思う点だ。
新栄会 野田芳久議員
 西口立体駐車場を24時間化し料金の見直しも出来ないかという質問に対し、警備員2名の常駐によって月5百万円のコストアップになる事や、道路整備特別措置法による有料道路事業として借入金が有る事、公営駐車場は法による指導を受ける事などで難色を示す解答だった。しかし、過去の値下げの実例や君津市の事例などを具体的に示し、出来ないはずはないと言う意見は妥当で、商業活性化や定住人口増加のため取り組むべき問題であると共感した。
F未来 斉藤高根議員
 金田西地区街づくり協議会とBTの問題について換地や事業主体の議論があり、木更津市が旗振役となり事業主体を県に求める会議をすると回答があった。海ほたるの混雑に伴う第2PAを着岸地に建設し、それに物産館やBTを併設するという提案は極めて興味深く聞いた。いずれにしろ、そろそろ政治的判断を伴って具体論に進むべき段階と考える。
正栄会 大野俊幸議員
 給食費が公金となった4月以降、滞納者が増加傾向にあり、7月は夏休みが訪れたこともあり98.31%に留まっている事の報告に驚かされた。今年度の学校耐震事業は3中・馬来田小・高柳小・祇園小を対象に公共事業臨時交付金を活用して行う予定で、内示額によっては事業の絞り込みが必要であるが、可能なら臨時議会で、遅くとも12月議会では上程するという事である。政権交代の影響が心配である。
 質問者合計16人が終了し、議案に対する大綱質疑があり、その後委員会付託が行われ、本会議は29日まで休会に入った。なお、決算審査特別委員会委員として私が選ばれたため、会議終了後に正副委員長や日程を決めるための委員会が開催され厚い資料も渡されたた。決算委員会は17日から開催されるため、勉強を深めねばならない。
 委員会終了後、昨年11月13日に会派で提言した5項目の進捗状況について報告を行うように企画部に申し込み、この日は帰宅する。
 
 8日はデータの整理や、市内で知人と打合せ、市役所で行政視察等の打合せを行い帰宅。決算の勉強と平行しながら補正予算の入力などを行うが、なかなか時間が足りない。充分な準備は難しそうだ。
 
 
 →
2009年9月中旬の記録